2013欧州で保育を学ぶ前旅⑨
2013年06月06日 木曜日
数日後に訪問予定のオランダで「欧州20ヵ国目」になるのですが、これまで乗車した列車はどれも魅力にあふれたシーンの連続でした。例えばスイスでは時速30㎞の特急グレッシャー・エクスプレスはサンルーム仕様の車内からの絶景車窓、フランス超高速鉄道TGVは、映画『ツーリスト』でジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーが運命の出会いを列車内で果たします。
パスポートチェックや金属探知機など飛行機搭乗同等の手続きが待ち受ける、イギリスとフランス・ベルギーを疾走するユーロスター、地中海の明るい日差しを浴びながらイタリア・モナコなどのコートダジュール走るインターシティなど、一日の大半を車内で過ごしてもストレスを感じない移動空間環境設定は学ぶべき点が星の数ほどあります。
オスロ発ヨーテボリ行き列車は≒30%の乗車率程度でしたから、リラックスできる車内の色調と質感で、≒4時間の列車の旅はゆったりと過ごせます。そして更なる特質ポイントは、車内に無料WiFiが完備されていたのです。車窓を楽しみつつも、ブログ更新やメールやり取りがこなせるのですから、これ以上の極楽列車空間はないと思います。
交通手段をどう捉えるかは両論あると思います。乗り物を単なる移動手段と割り切るなら、乗車人数を極め、質感を度外視する等のスタンスで運営側の効率を求めるでしょう。
その対極として、そこで過ごす旅人にとって居心地の良さとは何か、そんな空間設定を第一に考える国民性と企業理念によって、このような車内空間は具現化されているのでしょう。わが国でも新たに開業した九州新幹線の一部車内には九州産木材を採用した良質な空間に仕上げられているようです。
森と湖の国と称されるとおり、車窓には無数の湖や小川、牧草地帯、針葉樹の森、遥か彼方まで広がる菜の花畑、異様なまでに巨大な世界一のシェアを誇る風力発電装置などが次々に描き出されます。欲を言えば、できればもう少し低速運転して景色を楽しみたいと願うのは贅沢なのでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ