2013欧州の保育を学ぶ前旅⑥
2013年06月03日 月曜日
そしてフロム山岳鉄道最大の見どころ、ショース滝がトンネルの間から忽然と姿を現しました。落差≒100mの豪流瀑布、ここで列車は5分間停車し、乗客は展望デッキで水しぶきを浴びながら、まじかに恐ろしいほどの水量を誇る豪滝を眺めます。するとどこからか音楽が流れ、噂の「天使」が滝の近くから出現し踊り始めました。最初は有難いものに出会えた感動で歓声が上がりました。天使は一瞬見えなくなったかの思うと30メートルも瞬間移動し、それを繰りかえすパフォーマンスに乗客からは笑顔と笑い声が溢れています。こんな山の中で、まさに天使に出会えて皆が有難く、楽しくなったひと時でした。フロム鉄道スタッフの遊び心に感謝です。天使役のスタッフさん、すさまじい瀑布の中の名演技有難うございました。
乗車時間中が全てアトラクションの連続のようなフロム山岳鉄道の終点、ミュールダール駅に到着しました。ここから首都オスロ行に乗り換えです。乗換駅と言ってもターミナルなどとは無縁の、山中にぽつんと駅があるだけです。駅近くに迫っている断崖の山肌には一年中積雪があるようで、駅舎と周りの風景はスイスの氷河特急の駅にいるような空気感です。
≒60分の待ち合わせ、小鳥のさえずりと滝の音しか聞こえない場所で過ごす時間は、非日常的な貴重な時間といえます。静寂な山々に警笛をとどろかせて、ベルゲン急行が到着しました。この路線はヨーロッパ屈指の変化にとんだ景勝地を走り抜け、オスロまで≒5時間の列車の旅です。列車は徐々に勾配を上がり、1,222mにあるフィンセ駅に到着します。北限の地のような澄んだ水色に輝く積雪の中にある駅です、夏になるとこの大地を自転車で走破する人々が使うであろう、マウンテンバイクが数十台も用意してあります。絵に書いたような風景の中、人々はここで生きているのです。
その後もまるで最北の地のような輝く白の世界を走りぬけ、徐々に標高が下がるにつれて山肌が現れ、雪解け水が流れ出る平原、湿地帯、高山植物、さらには低樹木が見え始め、段々と高木も自生する緑豊かな地帯へと下っていきます。数時間の間に刻々と変化する自然のありのままの姿を伝え続けてくれました。
そして今日の終点、オスロ駅に到着しました。この日も様々な乗り物を乗り継ぎながら最高の時を過ごせた環境にただただ感謝です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ