家族よりも職場が大切な国
2013年05月17日 金曜日
国は保育と教育を分けて考えようとしていますが、現行の保育所保育指針と幼稚園教育要領の内容は多くが重複しています。保育園で行っている遊びの中にある教育を保育園が社会にもっと発信していくことです。中・高校の授業で家庭を築くことや育児、子どもの発達について学ぶ時間を設けると良いと思います。
保育士不足は深刻ですが平成10年に短時間保育士を20%認めたことが現在の保育士不足の大本になっています。子どもが熱を出しても帰りにくい職場風土もあるでしょうが、企業も積極的に子育て支援をしてもらうべきです。子育て支援をすることがその企業にとってのプラスポイントになるような仕組みづくりができると良いでしょう。杉並区では子育て支援を熱心に行てっている企業に対して表彰制度を設けています。
ワークライフバランスに関しては、若い世代は育児休業を取りたいと思い、経営者もそれを良しとしていますが、中間管理者層がそうさせない世代がいるようです。地域をもう一度構築し直すことが子育て支援になると思います。自分の子どもを自分の手で育てられなくしてしまった、たった数十年のツケは今後の日本に大きな影響を与えていきます。欧州人から何で日本人はこんなに長時間働くのか、私の国では家族が一番大切だと考えています。日本人が家族よりも職場が大切と考えていること自体が理解できないようです。
50年間で地球の人口は2倍に達しましたが、日本は人口減少社会です。その日本だからこそ、子どもが健やかに、そのままを受容され過ごせる国にしていきたいものです。どんな子どもの中にも自分で育つ力があると歴史上の児童心理学者は述べています。全ての動物の中で人間は独り立ちできるようになる期間が長い存在ですから、子育てにかかる時間が長いのです。親だけで子育てはできず、群れで育てるのが人間です。子育てを核家族の孤立した家庭の中だけに閉じ込めないことが子どもにとっても親にとっても幸せになることです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ