園児のケンカはまず見守るⅡ
2013年05月02日 木曜日
「園児のケンカ まず見守る」という記事が読売新聞に掲載されていました。
横浜市の幼児園「リンゴの木子どもクラブ」ではケンカは勧めはしませんが、危なくなければやめさせません。子どものケンカを大人が中途半端に仲裁して、お互いの不満が解消されないままにするのはよくないこと、何が不満なのか子ども同士が言葉で表現できるようにすることを大切にしています。
園には「ケンカの三か条」というルールがあります。①ケンカは1対1で ②両方がする気になっていて ③素手であればケンカを止めない。職員は周囲に危険物がないかを確認し怪我をしないようそばで見守ります。ケンカを見つけたらすぐにやめさせる方が保育者は楽なのですが、それでは子ども集団を形成している意味がありません。自分の意見と異なる人がいることを知り、折り合いのつけ方を体験することが不可欠なのです。子どもはケンカを体験することで、どこからが危険でどこまでなら許されるかを自ら学んでいるのです。
大人が子どもにケンカをさせないようにすることは、仲直りの方法やトラブルを解決するための貴重な体験を奪うことになっているのです。
記事のように自分とは異なる考え方や表現をする人が大勢いることを知り、他者を受け止める体験をすることがどれほど大切なことか後になって解るのです。地域の子どもたちが異年齢で群れ、日が暮れるまで遊び込んでいられた環境が崩壊している現在、子ども集団を形成できる保育園や幼稚園の存在は重要です。子どもの発達過程を信じ、保育者は過干渉せず子ども同士の関わりを大切に見守っていくことが本来の役目です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ