佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

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園のこだわり

2013欧州の保育を学ぶ前旅⑤

2013年05月31日 金曜日

P1080528P1080552P1080659フィヨルドを滑るように進むフェリーにはカモメが数羽お供してくれます。高く、低く、左右へと自由に飛び回るカモメはまるで子どもたちのようです。フロムから船とすれ違うたびに乗客はお互いに手を振って挨拶をします。これも「つながっている」瞬間です。

 

ベルゲンの海岸線から深く切れ込んだソグネフィヨルドの全長は204㎞にもおよび、太古に氷河によってゆっくりと削り取られV字谷は1,000mを超える峰々が連なり、水深は何と1,300mもあるそうです。風が無い時は水面はまるで鏡のようです。水深が深ければ少々のことでは水面にさざ波さえ立ちません。日常生活では日々の目の前だけの現象に一喜一憂してしまいがちですが、この雄大なフィヨルドの静けさに倣い、何事にも動じず、思慮深い度量の人間になる大切さを学びました。

 

P1080640P1080637世界最大スケールのフィヨルドの中でも今回クルーズするネーロイフィヨルドは、ユネスコ世界自然遺産に登録されている景勝地です。日本で出発前にチェックした天気予報は、連日ほとんど傘マークでしたが、当日はまさかの雲一つない青空、遥々ここまでやってきた甲斐がありました(本来はどんな日でも有難い日なのです…)。フィヨルドの斜面に段々畑のような住宅が見えてきました。一軒々がカラフルでとても個性的なこだわりの一軒家ばかり、一斉画一ではないオンリーワンの世界です。ここで暮らす人々の心の豊かさが感じられます。ネオンサインの世界とは無縁の自然に身を任せた生き方を選択している「こだわり」を伺ってみたいものです。

 

P1080679P1080715ノルウェー語で「山間の小さな平地」という意味のフロムに到着しました。赤い駅舎や黄色いショップ&レストランが山の緑と青い空青い水に映えます。船上はあんなに寒かったのに、船から降りるとまたもや半袖で過ごせるのが本当に不思議です。山間の小さな港には白亜の大型クルーズ船が停泊し、乗客が大勢降りてきます。豪華クルーズ船といえば世界の大海原を悠々と航行するイメージがありますが、海岸から遠く入り組んだ場所にもツアーがあるようです。

 

フロム山岳鉄道の出発まで少し時間があったので、ショップに立ち寄りました。店内は毛皮やウールセーター・手袋、毛皮ブーツなど寒い国ならではの品揃えです。なかでもトナカイ革製品の滑らかでソフトな肌触りは、合皮と疑いたくなる感覚です。トナカイの帽子、手袋、ジャケット、バッグ、財布は元々物価の高い北欧ですからとても手が出る金額ではありませんでした。

 

P1080709P1080744P1080748静かな山間に警笛が何度もこだまし、フロム鉄道山岳列車が入線してきました。1940年開通の鉄道で世界中の鉄道ファンに知られる山岳ルートです。ダークグリーンの車体、内装は温かみを感じる無垢材にオレンジのシートです。シート配列は左右2列席と3列席になっていて、事前に調べておいた風景の良い3列席窓側に座りました。

 

オスロ行の急行列車乗り継ぎ駅、ミュールダールまでのわずか20キロメートルを標高差≒900mの山道をゆっくり60分かけて走っていきます。万年雪を頂く山々、凍結した湖、P1080813ヤギなどの牧場、渓流に注ぎ込む断崖から流れ落ちる無数の滝など常にシャッターを切ってしまいます。

 

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2013欧州の保育を学ぶ前旅④

2013年05月30日 木曜日

P1080319P1080322思い出に残る出来事に出合ったベルゲンを後にして、フィヨルド奥地へと向かいます。ベルゲン駅はノルウェーの駅舎の中で最古だそうで、石造りの重厚な建物です。ソグネフィヨルド観光は鉄道・バス・フェリー・鉄道を乗り継いでの周遊で、ベルゲン駅からベルゲン鉄道ヴォスまで乗り、バスでグドヴァイゲンへ移動しフェリーで≒130分のフィヨルドクルーズ、フロムからは山岳鉄道に乗り継ぎ、首都オスロまでの≒15時間の旅です。

 

P1080327北欧の鉄道も同様に駅構内に改札口はありません、8:40ベルゲンから出発する列車は満席状態で、車内で一人づつチケットを確認する車掌さんは大忙しです。多民族・多国籍の人々を乗せて定刻どおり出発し≒60分でヴォスへ到着すると、ほとんどの乗客が下車しました。

 

 

P1080352P1080362P1080377こじんまりとした駅前広場一杯に観光バスが6台待機し、順番に乗車していきます。ドライバーは人に優しい運転で、横断歩道でバスが通り過ぎるのを待っていた子ども連れを先に渡らせてあげます。 山間のフェリー乗り場まで≒70分のバスの旅の見どころは、4月から10月までしか通れない急こう配の坂道から見える景色です。傾斜のきつい坂道はまるで日光の「いろは坂」、坂の途中で何回も停車して両側を流れ落ちる数々の滝を見せてくれます。

 

P1080427P1080432P1080444そして、車内から歓声が上がりました、それは最も大きい滝に、ななんと虹がかかっていたのです。虹に出会えるのは太陽の光が差し方向と見る角度によるですから、この時刻にこの場所へ居られて重ねラッキーでした。曇天では決して巡り会えない美しい光景にまれにみる感動を覚えました。車窓からの眺めは、まるで△おむすびのような奇山やツーリングキャンプ場など見るものを飽きさせませんから、あっという間に目的に到着しました。

 

P1080481P1080473[1]P1080488グドヴァイゲンでバスを降りてフロムからのフェリーを待ちます。フィヨルドの水面は本当に穏やかです、いよいよソグネフィヨルドを2時間かけて航行します。スーツケースを持参しての移動なので、ここでも自転車用のチェーンロックが活躍します。特に列車の移動では、座席周辺に荷物が置けない場合が多いのでこれは必需品です。この後イタリアでの研修が終わって旅する育子園職員にも使ってもらうつもりです。 雲一つない快晴でしたから半袖で十分な気候でしたが、動き始めると甲板を吹く風はどんどん下がっていき、フリースの上にダウンベスト(持参して正解でした)、その上にゴアウィンドストッパーシェルと手袋、室内カフェでホットコーヒーをいただいて、やっと快適になってきました。

 

P1080674P1080571落ち着いたところで船上からの、FaceTime(ネットを介した動画・音声通話)は遥か遠くの育子園とつながった瞬間は、今年の園テーマ「つながる」を実感しました。

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2013欧州の保育を学ぶ前旅③

2013年05月29日 水曜日

P1080152ノルウェー・ベルゲン空港へ到着したのは23時過ぎでしたが、白夜の始まりの時季なのでしょう、早朝のような薄暮空でした。ベルゲンはノルウェー第二の都市、といっても人口≒24万人で12世紀頃にはノルウェーの首都だった港町です。現在ではソグネフィヨルドなどの玄関口・観光拠点として栄えています。

空港からバスでベルゲン市街に到着したのは24時を回っていました。時間を過ぎてもチェックイン可能だと事前に確認しておいたのですが、予約した駅前にあるホテルの玄関ドアはロックが掛かっています。何度もインターフォンを押しても応答しません、駅舎で一晩明かそうかと思案していたその時、2人連れの老婦人がホテルへ戻ってきたのです。

 

P1080155[1]いきさつを説明すると、にっこり微笑んでホテルに同じ建物内のバーへ案内してくれて、カウンターの中にいる女性にチェックインしたい旨を伝えるようにと教えてくれました。金曜日の晩とあって50席満員の客に酒をふるまいながら、私が差し出したiphone画面で予約書を確認すると愛想良く対応してくれて、やっとルームキーを手にすることができました。その間お2人は無事チェックインするまでそばで「見守って」いてくださいました。まさかこのような展開になるとは、丁重に御礼を申し上げるとお2人は安心した様子でホテルへ戻られました。

夜中のハプニングと嬉しい出会いに、眠気はどこかへ去っていました。

 

P1080271P1080188P1080206P1080161P1080246[1]P1080170翌朝の市内散策は、ベルゲン港の港沿いのユネスコ世界遺産、「ブリッケン木造家屋群」からです。カラフルな長屋風の木造三角屋根が特徴的な建物群は、14世紀当時は貿易事務所としてドイツ人によって建てられたそうですが、現在はお洒落なショップが入っています。時を重ねていますから所々修復作業をしていますが、連なった軒を横から見てみると各建物が前後に傾いています。隣接するレンガ造りの同じ様な三角屋根建物も1900年頃に建てられことが壁面に記されていますので、世界遺産の保存は待ったなしのようです。

歴史ある建物群の前で観光客を待つタクシーは新しいモノの代表、プリウスでした。

 

P1080301マリア教会、ローゼンクランツの塔やベルゲン大聖堂を巡り、町の中心部にあるオレブル広場ではなんと、「桜」が満開で出迎えてくれました。日本のソメイヨシノより少し色濃い八重桜風の桜が公園全体を彩っています、東京の桜は記録的な早咲きでしたから、2か月後にまさかノルウェーの地で「花見」ができるとは、本当にラッキーです。

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

2013欧州の保育を学ぶ前旅②

2013年05月28日 火曜日

P1080069最初の目的地はノルウェーの西岸、フィヨルドの玄関口ベルゲンですから、空路パリからオランダ・アムステルダムへ、さらにアムステルダムからベルゲンへのフライトが待っています。このルートだとほぼ一日かけて、3路線を乗り継いで移動することになるので飛行機・空港好きにとってはたまらない楽しい時間です。旅は目的地にたどり着くのも大事ですが、それまでの道のりが楽しく大切だと常々感じています。それは子どもの結果を重視しない育児・保育、子どもの発達過程こそを大切にしている世界標準の保育スタンスに似ているようです。

 

P1080076パリに着いて海外ルーターを接続してみました。今回も3年前から数回使っている海外専用WiFi会社を持参していますが、長期間利用だと1契約にルーター2個を用意してくれるので、何かのトラブルの際には心強い会社です。PCとiphoneにパスワードを入力するとさっそく育子園から連絡・相談メールが届いていました。園舎内の環境設定提案で1階0・1歳児用の掲示板取り付け位置と工事の内容が写真入りで送られてきましたから、一目瞭然で確認できました。

 

29番ゲート近くで待機していると、同ゲートから先発のニース行搭乗手続きが始まったのですが数名の人が搭乗を断られています。尋ねてみるとアムステルダム行が先に出発することになったというのです。掲示板はニースが先に載っているのに…、予定外の展開でしたが定刻より20分早くKLMオランダ航空は出発しました。

 

わずか70分のフライトですが夕刻とあって、お洒落なディナーが提供されました。ほとんどの乗客が飲み物を堪能できないままで着陸準備と相成りました。アムステルダムの空の玄関スキポール空港には先月、皇太子ご夫妻がウィレム・アレキサンダー国王陛下の即位式へ参列のため利用されたばかりの場所です。次のフライトまで90分、いつも代官山で利用しているコーヒーショップで一服、ロゴは同じなのですが緑色のあのトレードマークがないのが少し気になってはいました。

 

P1080099当日3回目のフライトはベルゲンまで100分、21時発なのに夕方のような明るさ、日没までにはまだ時間がかかりそうです。なんと本日4回目の機内食、ご丁寧なメニューカードを見て嬉しくなりました、なんと「そばヌードル&スモークサーモン&黒ビーンズ」、サラダ感覚の蕎麦プレートが出てきました。グラスもガラス製、ナイフ等も金属製を使用している「こだわり」はKLMに対してさらに好印象を感じました。

お隣の欧州人風の方はナイフ&フォークで音も立てずに召し上がっていましたので、ここでは欧州風に倣いました。

 

 

P1080132日本の常識では遅すぎる夕焼けの「なごり明かり」のおかげさまで、ノルウェー西岸の北海に大小さまざまな島々が手に取るように」浮かんで見えてきました。ながめていると、生まれ育った瀬戸内海の3,000島にもおよぶ島々の風景と重なってきました。

アナウンスが流れ安定したフライトで着陸態勢に入りました。これまで訪れた最北地、モスクワを更新しいよいよ北緯60度の街へ降り立ちます。

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2013欧州の保育を学ぶ前旅① 

2013年05月27日 月曜日

P1080051杉並区私立保育園連盟を主体とした、「2013年初夏 欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅」が始まります。今回の企画は昨年3月、杉並区私立保育園連盟園長会の有志で、イタリアのレッジョエミリアで学ぶ旅をしたいと発案したことが始まりでした。2012年に実行する予定で旅行会社と話し合いをしましたが、レッジョエミリアの受け入れ枠などの課題があり見送ることになりました。

 

その後、縁あって2012年9月にレッジョエミリアとピストイアの保育視察を体験する機会を得ました。そこで学んだ大人主体ではない保育のことを報告する中で改めて2013年に是非、実行しようという思いがつのり2年越しの旅が実現できました。園長会の中で核となるメンバー4人で話し合い、6月上旬実行とし、旅行会社は複数社によるプレゼンで選定することになり、3社の中から中野区にある旅行会社が選ばれました。日本の幼児教育海外ツアーの草分け的存在で、40年間で述べ400回のツアーを企画・運営した実績のある老舗です。

 

このような学びのツアーは20人程度が最適ですから、募集チラシを作成して参加者を募りました。結果20人のメンバーが集まり予定どおり旅の準備が始まりました。参加者は社会福祉法人理事、保育園園長、保育士、建築士の面々で説明会で初めて出合った方もいますが同じ目的で集まったメンバーはすぐに意気投合し、旅への期待が高まったようです。

 

本隊は6月1日出発ですが、一足先に北欧とベネルクスを巡りフィレンツェで合流することにしました。エールフランスのサイトからは出発時刻の30時間前からWebCheck INができますから、3路線の好きな座席を選択しておきました。こうしておくと成田空港ではスーツケースを預けるだけで搭乗手続きは完了です。

P1080031今回の旅はノルウェー、スウェーデン、デンマーク其々のクローネとユーロの4通貨を使用しますが、ノルウェークローネとユーロだけを両替し、クローネ同士は現地で交換することにしました。とりわけ北欧は物価が高くミネラルウォーターは500円する国もあります。

 

成田からパリ・シャルルドゴール空港へは、エアバスA380 で11時間30分のフライトです。世界最大のA380 は総2階座席で搭乗口も1、2階が別で見下ろしながら2階席へ乗り込みました。

後の階段で上下を移動できて、機内の静かさはハイレベルなので、長時間フライトも快適に過ごせました。定刻どおりのフライトで3年ぶりのシャルルドゴール空港、雨上がりで気温9℃、ダウンジャケットを羽織っている人もいるほどでした。トランジットでオランダ・アムステルダムへ向います。P1080077

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内向的遺伝子が日本人を形成

2013年05月27日 月曜日

新たな保育制度設計は消費税増税がセットで、保育関連予算を1兆円増やして3.1兆円にする計画です。各市区町村で保育ニーズが異なりますから、その地域で弾力的に取り組めるようにしていこうとしています。全国一律の保育制度ではなく、その地域ごとに設定できることが増えます。認定こども園、幼稚園、保育園に共通の給付と小規模保育等への給付を創設します。都市部の待機児童解消のために小規模保育施設も支援されますが、制度設計途中ですから面積や人員配置基準など変更になることも予想されます。

 

制度は簡素化が一番ですが、地域や施設によっての違いを反映していくため、どうしても複雑化してしまいます。認定こども園へ移行するかしないかは施設が判断できるのですが、幼保連携型認定こども園は、認可・指導監督の一本化、学校及び児童福祉施設と位置付け、設置主体は国、自治体、学校法人、社会福祉法人のみで株式会社等は参入できません。

 

各市区町村が保育の実施主体ですから、保育ニーズを分析し計画策定、給付・事業を実施ますので、市区町村ごとに「子ども・子育て会議」を設置し保育現場の意見を反映できるものにしていくことになります。

保育士の給与などの処遇改善をしていこうという取り組みに14億円投入し、保育士養成施設新規卒業者の確保、就業継続支援、潜在保育士の再就職支援を推進していきます。

 

日本の子どもたちは「孤独感が強く、自己肯定感が低い」く、保護者も「子どもの成長に満足できない」、「保護者も自己肯定感が低い」と分析されています。このように子どもも保護者も「自信がない」人が多いのですが、この背景にあるものは何なのでしょう。セロトニントランスポーター遺伝子が影響しているのではという研究があり、この遺伝子は民族等によって異なり、日本民族は内向的で従順な遺伝子保有者が欧米人に比べて50%も多く、社交的活動的な遺伝子保有者はたった3%しかいないそうです。

物事に耐えること素直なことは大切なことですが、自己肯定感が低いなどの不安心理の背景にはこのような遺伝子が影響しているのでしょうか。

P1070954

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杉並区が誇るエコスクール

2013年05月24日 金曜日

P1080002杉並区立天沼小学校を訪問しました。今年3月まで杉並区立和田小学校の校長先生が着任された小学校で、校長先生自ら校内丁寧に案内していただきました。最寄駅はJR荻窪駅で閑静な住宅地の中に2年前に新築された大規模新校舎は、杉並区初の小学校統合校で、杉並第五小学校と若杉小学校の歴史を融合したものになっているそうです。

 

環境共生型(エコスクール)学校の基本設計には両校の保護者、町会関係者、学識経験も招聘し、両者の想いを十分に活かした設計になっています。屋上や壁面緑化、太陽光発、風力発電、昼間の自然喚起と夜間の涼しい外気を取り込むナイトパージ、取り込んだ外気を地下に循環させ夏は涼しく冬場は温かいクールヒートトレンチなど最新の設備が施されています。屋上は劣化しにくいウッドデッキが敷き詰められていて、ガーデンパーティーなどに最適な空間です。

 

P1080004学校の中心には図書室、パソコン室、地下1階にはランチルーム兼用のセンターコート、アリーナと名付けられた体育館、広々とした和室もあります。校舎4階屋上にあるプールは3.11の揺れでも水があふれなかったそうです。アリーナと呼ばれる体育館は園舎と一体型で、2階部分は回廊になっていて観戦することができます。

 

近隣の公民館等は待機児童対策のためのこども園になったため、地下会議室は地域の公民館としての役割も果たすことになりました。見学者は近隣に留まらず、四国の行政・教育関係者もいらっしゃったそうです。

保幼少連携のモデル校として図書室の一角には、幼児用の絵本コーナーがありました。

 

敷地面積6,600㎡、延べ床面積8,700㎡、鉄筋コンクリート造地上4階・地下1階の校舎と天然芝のグランドは、新たな都市型学校モデルを杉並区が具現化した作品といえます。

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日本仏教保育協会の集まり②

2013年05月23日 木曜日

P1070939認定こども園「こどものもり」の園長先生は、乳幼児は生活(養護)と、なだらかな学び(遊びを中心とする集団による学び)の連続性の中で育ちあうことを大前提としています。「誰のため、何のため」の保育・子育てなのかを常に確認していく、次代を担う役割を持つ子どもたちに未来を託すことです。「子ども主体(子ども自らの育ちを支援)」で、生活体験の場としての園であることが求められています。園長の理念、ポリシー、意識一つで良い園になるかどうかが決まります。保育士は個人芸ではなくチームの一員として園に貢献する役目があります。

全国には50の学校法人・社会福祉法人を有する法人がありますので、認定こども園になるには1本化する必要があります。

 

平成12年に新築された園舎は、学校法人部分と社会福祉法人部分から成っています。質の高い保育・教育を目指すためのキーワードは、「3つの間」です。

①ホッとできる空間…園全てがホットするゆとりを感じる空間、保育者も子どもも安心して過ごせる空間づくり、テーマを活かした空間づくり、ケバケバしくない落ち着いたセンスのある空間、ノイズの無い穏やかな音の中での生活、「運動会のための園庭」から「自然感を育てる緑の庭」への改善。

 

②仲間との信頼関係…自分と相手(保育者)との関係づくり、保育は人なり、保育者の温かな人柄、笑顔、チームワーク、採用面接では2つの質問しかしません、筆記試験はありません、質問は (1)どんな母親に育てられましたか (2)自分の得意なことは何ですかです。人柄が全てです、保育技術は問いません。

 

③時間の保障…自己充実(満足感や達成感)、子どもが自主的に取り組む時間、子どもの納得を待つ時間を大切に保育者主導ではなく、任せて待つ保育スタイルです。異年齢で過ごしながら、子ども自らの意欲をいかす場と時間、保育者は余計なことは喋りません、上から目線のさせる保育ではない子ども主体の保育、各コーナーに保育者を配置し子どもが自己充実感でしてみたくなる保育で保育者が待つ時間の保障、3歳未満児は食べさせるのではなく食べたくなるような給食、3歳以上はランチルームでビュフェスタイルです。

 

「こどものもり」でも子ども主体の保育で職員が待つこと、焦らせないことを大切にしています。子どものことを信じ切って、チーム保育をしている様子は育子園に共通していると思います。

 

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日本仏教保育協会の集まり①

2013年05月22日 水曜日

P1070936(公益財団法人)日本仏教保育協会の社員総会・研修会に参加しました。会場は例年どおり芝の増上寺、今年も参拝させていただくことができました。最初に参会者一同が宗派を超えて「三帰依門」を唱和し、この一年間にお亡くなりになった方々へ黙とうをささげてから総会が始まりました。全国には1,166カ所の仏教保育教会に加盟している幼稚園、保育園があります。

 

平成24年度の事業報告では、①生命尊重の保育推進 ②活力ある日仏保 ③魅力ある日仏保 ④国際交流・社会貢献のできる日仏保 という基本理念に基づき活動を展開しました。④の活動では24年度もインド仏跡参拝・ブッダガヤ菩提樹学園35周年法要が行われ、育子園からも保育士が参加しました。

決算報告では財団法人から公益財団法人へ財務諸表が移行され勘定科目等が変更されていました。

 

平成25年度事業計画・予算(案)では、全国的に見ると園児が減少している園が多く、今後の活動に影響を与えることが予想されます。

宮城支部からは全国からの義援金の御礼と3.11からの復旧と今後の課題について報告がありました。

 

研修会では真言宗豊山派で幼保連携型認定こども園全国認定こども園協会長さんから、子ども子育て関連三法関連で国では第1回子ども子育て会議が5月8日に開催されました。埼玉県で幼保連携型認定こども園「子どものもり」を運営されている状況をお話しくださいました。文科省と厚労省を内閣府が取り持って推進しています。育子園にも調査書がきましたが、全国で3割の園を調査して基本資料を作成することになっています。

 

今後は基礎自治体で子ども子育て会議が開かれ、その地域に応じた保育を提供していくことになります。平成27年度以降に幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合し保育要録になり、幼稚園教諭と保育士を統合し保育教諭になるようです。さらに小学校教育との連携を強化していくこと相互理解を深めることになります。新成長戦略では、2020年までに女性就業率を高め、乳幼児施設の増設が必要と試算しています。保育料の無償化、保育者の給与改善など消費税増税と関連する事柄です。

 

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日曜日の職員保育理念研修会②

2013年05月21日 火曜日

P1070866子どもの発達過程をチェックしている自分自身を見つめて内省してチェックをすることが大切です。出来る出来ないのチェックではなく、自ら発達していく子どもを、見守ることができていた自分だったのかを振り返る必要があります。出来たことをチェックする刷り込み、カリキュラムどおりに子どもを動かす保育、大人目線の保育ではない見守る保育は、子どもを通して自分の見方を変えること、子どもが自発的に育つように見ていくことです。

 

 

見るとは発達をみること、この世界は自分が見ている世界、自分の都合で見ている場合が多いのです。内省的実践をすることで発達しやすいように環境を整えていた自分だったのか、発達を見ることは有難いことと思える自分であるか、子どもが自ら発達していることを素晴らしいと見える自分であるか、子どもだけが発達しているのではなく、自分も発達していると思える保育者であるかが問われます。

 

子どもを見ながら自分を見つめる、発達を見守ることを実践すること、発達をチェックしながら、自分がどう変われたかを内省する、子どもと同僚職員の発達・成長の邪魔にならない自分であること、自分の見方、接し方で相手や世界が変わるという考え方、謙虚さ、発達の邪魔をしない、相手中心で考えることです。

 

さて、子どもの発達を学ぶグループをファシリテーター役を選出する方法として、従業員による総選挙を行いました。オーケストラのコンサートマスターも団員が選挙をして選んでいる団も多いのです。組織の上位者がリーダーを指名するやり方もありますが、メンバーが自分たちでリーダーを選ぶことが最も民主的です。このように先輩後輩の序列を超えて総選挙ができる職場環境自体が風通しの良い環境に変化しているという証です。

 

年功序列になりがちな保育業界ですが、投票する上で次のことを実践している人を選んでもらいました。①園全体のために、いつも貢献している人。②見守る保育を熱心に取り組んでいる人。③理念の実践を真摯に取り組み楽しんでいる人。総投票数≒300票で選ばれた6人ですからメンバーの総意です。6人の平均年齢は27歳、まさにニューリーダーを皆が選んだのです。選ばれた6人の共通点は他者への要求・要望・依存をするのではなく、自主自立しながら、周りと調和することを重んじているメンバーです。

選んだ皆は選ばれた人を支え、選ばれたファシリテーターはメンバーのために貢献するという相互責任関係があります。

 

研修の合間に行われるアイスブレイク、今回もグループのメンバーが力を合わせて歓声をあげながら楽しそうに行っていました。通常の仕事の合間にも、仕事に関係ない話題や発想を取り入れることで、仕事の効率と他者理解が深まっていくのです。

P1070883午前中の研修会が終わってランチタイムになりました。当日は5月のすがすがしい日でしたから、㈱カグヤ5人の皆さんは園庭にある菩提樹の下でランチを召し上がり、社長さんを中心に話し合いをなさっていました。はるか昔に釈尊が悟りを開いた樹木下で藤森(藤森先生の理念に沿って、園の藤棚は森のように茂っています)を観ながら子ども主体の保育を語り合える皆さんと出会えたことに感謝です。

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