予測する能力
2013年04月25日 木曜日
子ども総合研究所主催の「子ども発達基礎講座」が行われました。
子どもの発達を確認する方法として、おおむね7ヶ月の子どもに座ってもらい、両手に1つづづ積木を持たせます。その後に顔にタオルをかけてみると、積木を手放してどちらかの手でタオルを取ろうとしますから、相手との結び目は一つだけ成立している時期です。
おおむね9ヶ月になると片手の積木だけ手放して、その手でタオルを取ろうとします。この段階になると相手との結び目を2つ持てるようになります。この頃にはいはいをして、両手と好きな相手に近づくという2つのことを結び目にしています。運動機能は発達しているのに、はいはいを行わない場合は他者との関係づくりが十分に発達していないことが想像されます。
おおむね11ヶ月になると積木を持ったまま、タオルを取ろうとします。3つの結び目を大切にしているのです。7ヶ月では指だけてつまめませんが、9ヶ月で親指と人差し指が別々に動き始め、11ヶ月で確立し、自分でスプーンが持てる準備が整ってくるのです。
自分でやってみたいという自我が芽生え始めるこの時期ですが、子どもの握力や肘を肩より挙げているかなどを見極めていきます。
研修の振り返りでは、参加者が6人グループになって学んだことを発表しあいました。保育養成校で学んだ内容をさらに深めた今回の研修は、子どもの発達診断を長年行っている講師さんが体験した事例に基づくものです。たとえば手指のうち、親指以外の指をつかんでみて親指が手のひらからどれだけ外側に離れるかが、手指の発達の目安になるのです。大好きな玩具を見せて動かしながら画用紙などで見えなくして、反対側から玩具が出てきた時の子どもの目線がどう変化するのかも興味深いものでした。
おおむね7ヶ月までは出てきた玩具の方だけを見ますが、11ヶ月になると玩具が出てくる前に出てくることを予測して視線を変えるのです。右側のものと左側のものをスムーズに認識し、すでに予測する能力を発揮しているのです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ