保育園ふやし隊@杉並 シンポ③
2013年04月03日 水曜日
保育園ふやし隊@杉並主催の「これからの杉並の保育園」、待機児童問題から認可保育園不足を考えようというシンポジウムが開かれました。
ジャーナリストの猪熊さんは保育園での事故を長年取材しています。都内認可外保育施設での死亡事故、保育実態は劣悪で、利益を得るために総支出の35%しか人件費に使われていません。認可保育園はおおむね総支出の70%以上が人件費に充てられています。保育施設を選ぶときは人件費に投入している割合を調べることも必要でしょう。
親は1人目の子どもを産んで初めて親になるのですから、どんなに保育園の役割が大切なのかわからないのです。1人目の子どもは幸い認可保育園に入れ、その園は質の高い子ども中心の保育で本当に素晴らしかったです。認可保育園に入れない場合は、ワンルームの保育環境、4歳以上になると居づらくなる雰囲気があり、少人数なので子ども集団としての育ちは難しいと思います。
認可保育園に入れないと保護者にとってのデメリットは、子育ての知恵が得られないことです。認可保育園の質の高い保育理念や実践とノウハウは初めて親になった保護者にとって重要です。認可保育園の園庭で子ども自ら走り回ることがどれほど身体発達にとって良い影響を与えているか、0歳から6歳までの連続した保育環境が発達がどれだけ影響をおよぼすか計り知れません。
全国の保育児事情を取材する立場にありますが、杉並区は子育てに力を入れていると思っていますが、世田谷区は国有地を保育園にし、町田市は20年限定の保育園を設置しました。
調布市は保育課に地図を貼りだして、地域別の待機児童数を視覚化していますから保活中の保護者にとってはとても親切な対応をしています。
単に待機児童解消のために保育園を増やすことは避けて欲しいと考えています。危険な保育園を増やすのは本末転倒で、その取り組み方を見ていると基礎自治体の力量が判定できるのです。良い保育園が沢山ある地域には住民が増え、子育て世代が増えることで地域の活力が増すのです。(文責:園長)
人件費率が35%という施設では不動産賃貸料などの負担もあるのでしょう、人的余裕がなく連続勤務などの劣悪な労働環境が想像できます。何よりも大切な子どもの「いのち」を一番に考えること、常にブレないことが保育現場の使命です。3月に行われた杉並区私立保育園園長会でも、区内マップ上に実待機児童がどれだけいるのか見えるかして欲しいと、杉並区保育課に提案したところでしたから、調布市の事例を参考にして早急にマップ作製に取り組んで欲しいものです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ