本当は何がしたいんだろう?
2013年04月24日 水曜日
子ども達は、何でもおもちゃに変えます。
ただの木でも、ただの角材でも。
「ただの」と思うのは個人の意見でもあります。
今日はこんな姿が見られました。
オセロを出してオセロの駒で遊ぶのです。
どう遊んだかといいますと、オセロを積み重ねたりオセロを立たせて見たり…。
私自身小さい頃十円玉を立たせられるかやった事がありましたので、この瞬間にそんな事を思い出しました。
すると、「見て~!たった!」っとオセロを立たせてこちらを見ています。
その子は勿論大喜びです。
すると、じいっと立っていたオセロがいきなり動き出したのです。(きっと傾斜があったのでしょう)
それを見た子は「あ~歩いた!歩いたよ今!」っと言うのです。
歩いたという表現がとても意味深でした。
ただ可愛らしい例えだっただけではなく、その子は、物が動く様全てそう例えるのだろうかと気になりました。
その後、その子の姿を見守る事にしてみました。
すると、オセロをコロコロ転がすその子の姿が見られました。
これは耳を澄ませなきゃ…っと近づいてみると「転がっているね~!」っと言いました。
さっきは歩いたという表現だったのに何故だろうと考えてみました。
どうやら動く現象にそれを例えていた訳ではなかったようです。
その子は、オセロに対し「立たせた。」そして、止まった。なんと!動いた。
立たせた、までは本人がやった事ですが止まった、動いたはオセロ自身の意思の様にも見えました。その光景を見て、その子はオセロが勝手に歩いて逃げたと表現したのかもしれません。
今回のようなつぶやきを集め解読するのは非常に楽しく、これは保育士だけのご褒美でもあります。
本題の子ども達は何でもおもちゃに変える。
それよりも、何でもオリジナルで遊びだす。という表現の方があっているのかもしれません。
私達は子ども達の想像性を膨らます為にどんな遊びが良いのか・どんな素材が良いのか日々考えています。
今回は、このオセロの駒で遊ぶ子どもの姿を見て、今この子達はどんな遊びを欲しているのか?それを考えてみた結果、机上遊びZONEにカードゲームや塗り絵がセットされてありますがそれを使ってオリジナルで遊ぶ子ども達にはそれ以外の何かを求めているようにも見えました。
そして、机上遊びZONEに箱庭遊びのような物を設定してみることにしました。
まずは、動物や魚や恐竜だけを用意してみました。勿論それだけで楽しそうに遊ぶ子ども達の姿はありましたが、ジェンガの積み木を使って庭のように囲んだり立ててみたりしだす姿が見られました。
子ども達は、動物や恐竜、魚達の形の違いだけでは無く「仲間ではない」っとその三つを分けて会話をしていました。
「恐竜さんに豚さんが乗ったんだよ!食べられないね!この恐竜は優しいんだよ?」
「こっちはティラノサウルスだから豚さん食べられてるよ。うわーっ。」
「魚は水の中じゃなきゃ生きられないから氷が必要!」
「何か石があればいいな!」
そんな会話が聞こえてきましたので、今度は造形ZONEから発泡スチロールを頂き子ども達に提供してみました。
「イエーイ!乗せよう!」
一先ず岩や氷に恐竜や魚達を乗せようとします。
中には、空いた隙間にわざとはめ込み「取れませ〜ん。引っかかった。助けて〜!」という子も。
次第に、子ども同士のGroupが分かれてきて一人で遊ぶ子・二人で遊ぶ子・三人で遊ぶ子に分かれていまいした。
「恐竜スタジアムで闘っているんだ!」っと年長児二人組。
「ここは恐竜博物館!あっ動物博物館!いや…。」っと島のような場所を作った三人組。
(ペンギンもいるし蟹もいる!恐竜もライオンも!何の博物館だろうっと保育士が言いました。すると…)
「スペシャル博物館!」っと一言。
今回、提供した箱庭遊びで沢山の会話が聞こえました。
子ども達の言葉は面白い表現でもありますが、それ以上に不思議や発見の要素が含まれています。
保育士として改めて子ども達の声に耳を傾ける大切さが必要だと感じた一日でした。
k☆Y
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