佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

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佼成育子園前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ
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園のこだわり

学生さんの目のつけどころ

2013年03月29日 金曜日

育子園には年間を通して実習生が来園します。将来保育者になりたい保育養成校の学生さん、看護専門学校実習生などです。保育者になりたい学生さんは保育園、幼稚園、児童養護施設などへ2週間連続で通います。児童養護施設は泊まり込みで実習するので実習を終えた後は家族と別れるような気持になるようです。

 

最近育子園に実習にいらっしゃた学生さんの保育実習の感想は、子どもを見守っていく大切さを実感した様子が述べられています。

「2週間の実習で一番の学びは、見守るという保育者の姿勢で成り立つ異年齢保育の良さを知ることができました。保育者は子どもを見守っているので言葉がけやかかわりが過度に行われません。子どもたちが考えて自分で行動する保育です。私はこのような保育は初めて体験したので、保育者の動きや言葉がけをよく観察して実践するようにしました。おもちゃを片付ける時間なのに片づけない子どもがいると、今までの自分だったら片づける時間だからと、言っていました。しかし育子園の保育者は違います、今は何の時間かな?と問いかけます。すると子どもは自分で考えて自分で片付け始めました。

 

ケンカが始まっても保育者はすぐには仲裁しません。まずは子ども同士のやり取りをよく観察していて、手が出そうになったりすると介入します。保育者が問題解決しても表面上のことであって、本当に子どもが納得してすっきりしたのか、子ども同士で解決する力を妨げることにもなります。異年齢保育では年齢に関係ない子ども同士で遊ぶ場面が数多くありました。発達の異なる子どもが一緒にいることで手伝ってあげたり、発達が促されたりしていました。こんな場面がありました、園庭のトランポリンで4歳児が遊んでいるところに1、2歳児がやってくると「小さい子が来たから小さくジャンプしようね」と気遣っていました。

 

この学生さんは発達の異なった子どもたちが一緒に過ごす保育環境を初めて体験されたようです。2週間という短い間に、そのメリットを感じ取っている様子が伝わってきました。保育者主導でない保育になっていくと、保育者が事前に用意した保育環境で子どもは自分で遊びを選択して遊び始めます。そうすると保育者が大声で子ども集団に対して支持する場面が少なくなってきます。自分の力で遊びこんでいるところに保育者が介入することは子どもにとって迷惑なことでしょう。保育者は援助を求めている子どもとかかわれるようになりますから、一対一の保育が可能になります。

 

子ども集団が動かないとか保育が回らないという保育者サイドの言い方がありますが、それは大人主体で子どもをコントロールしよう、予定通りの保育カリキュラムをこなそうとしているのでしょう。長年保育現場にいらっしゃる先生から日本の保育は「保育者は4月に髪ふり乱し、5月に変声期」と伺ったことがあります。このような保育を見直して世界標準の子ども主体・子ども中心の保育へ変えていきましょう。

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Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

子ども服の襟首ひも危険

2013年03月28日 木曜日

読売新聞に日本工業規格(JIS)が子ども服の安全性に関する素案を取りまとめた、という記事が掲載されていました。「7歳未満対象の服は襟首部分のひもを禁止する」、フードについても窒息の危険性があることを認識するように促しています。子ども服の襟首部分のひもやフード部分が遊具などに引っかかる事故が多発していること現状をうけて、経済産業省が子ども服の安全性に関する検討を重ね半年かけて取りまとめたものです。 

 

学者や消費者団体などが中心になって話し合い、欧州連合(EU)規格を参考にして策定されました。平成25年度には規格内容を確定させる方向で進んでいますが、メーカーに対する強制力はありません。製造、輸入、販売に対して共通指標になることが期待されます。今まで子ども服に関しては規格認証機関そのものがないので、製造業者が適合性を消費者にアピールをしていくか企業努力が求められるでしょう。

 

素案では7歳未満用は上着・腰回りのひもを14cm以下に制限することになります。滑り台にひもが引っ掛かって息ができなくなったり、車のドアに引っかかったのを知らずに発進してしまうという痛ましい事故が起こらないためにも大人が選別していくことが大切です。

 7歳未満など、子どもの年齢に「つ」がつくうちは親は十分に甘えさせて、スキンシップを大切にしてあげることが必要です。

 

「つ」がつく大切な子どもたちが事故に巻き込まれないように、育子園でもフード付きとひも付き衣服は禁止していますので、今後も再確認していきます。子どもだけでなく保育者自身も保育中はフード付き等は着用しないようにルールを定めています。

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二つの保育方法

2013年03月27日 水曜日

中京大学の鯨岡教授が「自己肯定感を育む保育実践」コラムで、日本の保育には二種類の方法があり、一つは子どもに力をつけさせる保育で、子どもが嫌がっても保育者主導で次々に課題を与え、結果的に課題が達成できれば子どもの自身につながるという考え方です。この保育を疑問に感じる保育者でさえ、一日のカリキュラムに沿ってクラス集団を動かすことを第一に考えている園では、集団の流れに乗れない子どもが「気になる子ども」として目につきます。保育者は集団の流れに乗れるように、子どもの負の行動を抑えたくなるのです。

 

このような力をつけることを優先する保育は、集団に視点を置いて子どもの行動に目を向け、負の行動は抑え、保育者の願う行動は頑張らせて褒める、保育者主導で子どもたちを動かす「させる保育」、「頑張らせる保育」、そして保護者の関心を買うための「保護者に見せる保育」になっていきます。

 

と述べていらっしゃいます。日本の多くの幼稚園、保育園で伝統として行われているこの方法は、どこを向いて行っているのでしょう。疑問を抱えている保育者がいても、組織の中に埋もれ変えたくても変えられず、流されているようです。負の行動といっても大人の都合上の「負」であり、子どもにとっては必要不可欠なことがたくさん含まれていることがあるのです。私たち大人も幼いころたくさんの「みちくさ」経験したから今があるのです。負を抑え強制することで本当の意味での社会性を身につけた子どもになっていくのでしょうか。保育者と保護者に都合の良い保育で、一人ひとりの子どもの心を育むことはできず、望む子どもにならなければ子どもと自分を否定することになりかねません。

 

鯨岡教授は、子どもの中には体中からエネルギーが溢れ、元気いっぱい、、意欲いっぱいに遊び、集団の流れに乗り、保育者の指示をしっかり聞き分けて行動する一群の子どもがいます。また、一見聞き分けが良く、要求も激しくない子どもの中には、充実感や満足感を感じず冴えない表情の子どもがいます。これらの子どもは前述の力をつけさせる保育では見逃してしまう子どもたちなのです。

また、周囲の子どもに乱暴な振る舞いが多く集団の流れに乗れない子どもは、力をつけさせる保育では保育者からいつも注意を受け否定的に見られますが、その内面に目を向けてみると心の悲鳴が聞こえてこないでしょうか。乱暴な行動はその子どもの個性や特性から導き出されたものではなく、その子どもの心が負のかたちでしか表現できないためにそのような行動になっていることが多いのです。

 

先生がおっしゃっているように、集団で子どもを動かそうとする保育では子どもの表面的な行動が大人にとって都合が良ければ問題ない子どもと見がちです。しかし心の中をのぞいてみると表面だけでは見えなかった、見逃していたことが見えてくるようです。子どもは自分の本当の気持ちや願いを大人に受け止めてもらい、信じてもらうことを繰り返していくことで自己肯定感が育まれていくのです。子どもの行動を変える保育から子ども一人ひとりの心の育ちを理解しようとする方向性が子どもにとって居心地の良い場所になるのです。

園が居心地の良い場所であることも幸せですが、なんといっても家庭が安心基地として心地よく感じられること、自分が自分のままで存在して良いと認めて信じてもらえることが最も幸せなことです。

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新宿の無料塾

2013年03月26日 火曜日

幼稚園は1840年、ドイツの幼児教育者フレーベルが世界で最初に始めました。日本では1876年に東京女子師範学校幼稚園、現在のお茶の水女子大学付属幼稚園で始まり、その後に保育園ができました。今回の子ども・子育て関連3法において「保育とは児童福祉法に規定する保育」、「教育とは教育基本法に規定する学校において行われる教育」に切り分けられてしまいました。

 

関連3法で子どもは日本のどこに生まれ育っても等しい保障、園の設備や運営に関する基準は、国の統一基準であるべきです。保育者の労働条件をはじめとした保育環境の抜本的な改善が不可欠です。

新宿区立母子生活支援施設「かしわビレッジ」には、退所した子どもたちが年間延べ2,000人も遊びに来ています。最近ブログでたびたび登場する無料学習塾「かしわ塾」も行っていて、26人が登録し毎週水、土曜日に実施しています。塾の理念は「大切な自分」と「大切な他者」との出会いです。DVや虐待を受けた子どもたちがほとんどで、大学生ボランティア15人が活動を支えています。

 

血縁関係がある大人によって傷つけられた子どもたちを救うのは、第三者の大人だと思います。日本は子どもの貧困率も高まっていますから、5年前ほど前から全国で無料塾が立ち上がっています。さらには「チャーハンの会」も行っていて、毎週月曜日に15~22歳の不登校やひきこもり、虐待を受けた子どもたちが集まって語り合います。ある子どもは数年間ひきこもっていましたが、かしわ塾やチャーハンの会に居場所があるということを誇りに思って通ってこれるようになったそうです。

 

自宅か学校かという2者選択ではなく、中間の場所として存在している意義があるのです。子どもたちが今まで出会ったことがない、優しい大人に出会える場所が児童福祉施設です。つながりのない「自立」はただの「孤独」ですから、人と人とのつながりを大切にしていきたいと思います。

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楽しい小学校②

2013年03月25日 月曜日

年長保護者と年中保護者を対象に和田小学校の校長先生に学校生活についてお話をしていただきました。

1年生は黄色い帽子とランドセルで登下校し、8時10分に校舎へ入ります。机に平仮名で名前が貼ってあります、8時35分から朝の会を行い、引き続き授業が始まります。1年生の教室は1階で、玄関近く保健室が近い場所にあります。給食は4人グループで食べ、牛乳を飲めない子どもは返金します。最初は6年生が給食配膳、遊び相手をしてくれますから安心してください。

 

学校には今でも和便器がありますが使ったことが無い子どもが大勢います。洋式便器は大人用なので、トイレを我慢する子どもがいます。全校様式に変えることは多額の費用が掛かりますので徐々に変更しています。水筒持参可能の学校もありますので確認してください。休み時間は外で遊ばなくてもよいことになっています。発熱の場合は37.5℃で保護者に連絡しています。

 

1時間弱の時間でしたが、パワーポイントを活用し解りやすく解説していただきました。給食の牛乳が瓶入りだと再認識しました。昭和の時代も瓶入りを何秒で飲めるかを競い合ったものです。その後テトラパック容器に変わったのを覚えていますが、現在も1本45円のコスト面とリターナブル瓶の環境配慮面から採用されているのでしょう。

 

都市部では保育園の待機児童問題が解消できずに苦慮していますので、小学校の空き教室で保育ができないかという議論を杉並区でもしているようです。園舎の建て替えに伴い和田小学校の校庭に堀ノ内東保育園が仮園舎を建てて保育を行っています。学校給食を園児用給食に活用できると考えたようですが、保育園で提供しているきめ細やかな給食への配慮、調理方法は学校では対応できないそうです。それだけ保育園の給食は子どもにとって至れり尽くせりなのです。人は今の環境に居ると当たり前で有難さが解らなくなるものです、小学校に通うようになってやっと園がしていた配慮、支援が手厚かったかがわかる保護者が多いのです。

 

平成25年度から幼保小連携のプログラムが充実され、職員間の交流や訪問が行われる予定です。お互いのことを知り、園に小学校の先生が保育体験で来ていただけるようになると新1年生の受け入れ態勢の参考になることでしょう。育子園では3月初めから年長児だけで生活していますので、保育者も小学校体験をして1年生の様子を確認した上で、年長児とのかかわり方を 見直していくこともあるでしょう。

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楽しい小学校生活①

2013年03月22日 金曜日

年長保護者と年中保護者を対象に和田小学校の校長先生に学校生活についてお話をしていただきました。校長先生は和田地域をとても大切にしてくださる先生で、毎月の学校便りは自ら地域をまわって手渡しをされています。今年は近隣のむさしの保育園と育子園合同で、新しい園舎になったむさしの保育園で開催しました。

 

校長先生からは、杉並区は教育環境向上に力を入れていますから、30人程度の学級編成です。例えば1学年78人だと他区は2クラスですが、杉並区は3クラスになります。学級増に伴う補充教員は区採用教員です。新1年生の保護者は11月に学校希望を提出し健康診断等を受け、1月に就学指定校変更を行えます。

 

幼稚園、保育園単位で2月頃に小学校校内ツアーを開催し、子どもたちに小学校生活をイメージしてもらっています。1年生の教室の椅子は園で使っているモノとあまり違いはありませんが、6年生の椅子は足が届きません。6年間の間に平均で身長が30cmも伸びますから。小学校生活で初めての行事、入学式は義務教育のスタートです。入学式を円滑にすることが子どもにとって大切です。式典会場は体育館の場合がほとんどです、広い場所へ慣れるためにも前日に入学式会場を下見することは可能です。

 

幼稚園、保育園は遊びを通して学び、環境を通して発達し、ゆったりと生活していましたが、小学校は時間に沿って生活し教科書に従って学習し、授業を通して指導していきます。新1年生にとって大切なのは安定して学校に通えることです。4月はとても大事ですから、4月1週目を緊張期として位置づけて1クラス3人の教員で対応します。2週目は習得期で2人体制、3週目定着期で担任と学生ボランティアです。

 

入学と共に子どもも環境が大きく変わりますが、保護者にとって大きな変化があります。小学校では幼稚園、保育園のように保護者との連絡が密で亡くなります。学校からの情報が少なくなり心配する保護者がいますが、保護者側から学校へアプローチしてください。

子どもは親の影響を一番受けて育ちますから、

①    子どもは良いことも悪いことも見て学んでいきますから、親は普通の行動を繰り返して当たり前に。

②    子どもの前では教諭のことを否定せず

③    挨拶と片づけができる子どもになるために、挨拶は人、片付けはモノを大切にする。

④    自分の名前が平仮名で読めること。

⑤    遠慮しないで発言できる子どもになる、トイレ、体調不良を教諭に言えること。

⑥    親の不安や心配は子どもの不安と心配をうみます。「夢と希望」にしていきましょう。

(文責:園長)

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頭髪を剃っても野球は上手くならない

2013年03月21日 木曜日

私の母校野球部の『監督とキャプテンが中心の「やらされる野球」ではなく、自分たちで考えて行動する「やろうとする野球」を目指す』を紹介しましたが、以前のブログにも記したとおり、30数年前は超ピラミッド組織、絶対服従、長時間練習、根性づくり、飲水禁止が基で、その影響による委縮したプレーが存在していました。

 

当時の伝統として1年生は頭髪を剃っていました、真っ青な頭が並んでいましたが、野球の上達には何の影響力もありません。監督・先輩への挨拶は絶対的で、数百m先に居るのを発見すると大声で挨拶しなければなりません。常に管理・監視されているのですから気が抜けません、試合中も監督の機嫌を伺いながらプレーするという有様です。

 

今振り返ってみると、野球は大好きでしたが部活は自発的・主体的ではなかったのです。10歳代後半の当時はそのシステムしか知らず、逃げることもできずに耐えていたのですが、練習を1日も休まずに退部もしなかった理由は、上手くプレーできた喜びやチームメートと本音で語り合って支え合えたからです。

 

人は自分が育てられた経験、成育歴が人生全般の判断基準に影響します。「育てられたように育ち、育てられたように育てる」ことが輪廻していくことがおうおうにしてありますが、母校野球部が誰の発案によって、どのようにして、どれだけのエネルギーを使って選手主体の部活に大改善できたのか、確認したいところです。

 

組織の風土やしきたり、伝統は経年と共に硬直化していきますから、改善していくには相当なエネルギーが必要です。50年前、保育園に通っていた頃を思いだすと、お寺の境内にある仏教保育園で、誕生会にはご住職の園長先生が聖水を子どもの頭に数滴垂らしていました。お弁当持参でしたから、薪ストーブの上に金属製のお弁当箱をのせて温めていた時代です。食べることが嫌だったという記憶は全くないのは、おそらく母が嫌いなものは入れなかったのだと思いますが、今となっては確認できません。

 

楽しい保育園で唯一嫌いだったのが昼寝です。時間になると一斉に電気を消して、眠たくないのに寝かされるという苦痛な時間が嫌でたまりませんでした。育子園に入園希望で見学にいらっしゃる保護者に質問すると、幼稚園に通っていた方はお弁当なので食べることに対する嫌な思い出はないのです。現在でも幼稚園では食べられるメニューを食べられる量だけ持ってきてください、となっています。

 

一方、保育園に通っていた保護者の嫌な思い出、№1は給食で「嫌いなものを大人の都合で強制的に食べさせられた」というはっきりとした理由です。家庭では子どもが親に甘えて嫌いなもの食べないので好きなものだけを食べさせて、保育園で嫌いなものを克服させて欲しいと望む親が増えているそうですが、食を含めた子どもの成長発達、生活習慣など全ての中心基礎は家庭です。このことは離乳食時期の子どもの園での給食提供のやり取りと同じで、家庭で食べられたモノを園でも提供してみましょうという方法が基本です。

 

仮に親の前で食べない食材を園なら食べることがあるのなら、いくつかの理由が想像できます。①保育現場であってはなりませんが大人主導の服従型保育によるもの。 ②楽しい雰囲気の中で、子どもの目線と気持ちを共感できる有能な保育者が食材に感謝し、美味しそうに食べたからでしょう。 ③楽しい雰囲気の中で、②に加えて友だちも食べているのを見て食べてみた、などでしょう。 ①は論外ですが、②のような結果があるの場合は、保護者は保育者に秘訣を聞いて家庭で実践してほしいと思います。

 

№2は昼寝で「寝たくないのに寝かされた」という嫌な苦痛だった思いです。どちらも子どもの意向は無視された状態ですから、楽しいはずがありません。昔の部活のように無理やりさせたことでプラスになることはありません、保育も同じです。今日の子ども姿のだけに囚われず、執着せず、コントロールしようとしないことこそが、その子がその子らしく輝けていけるのです。

朝顔の種からバラは咲かず朝顔が朝顔らしく咲くのですから。

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やらされる野球から、やろうとする野球へ

2013年03月19日 火曜日

P1060965日本高等学校野球連盟は、第85回記念選抜高等学校野球大会の出場校決定しました。出場校36校が3月22日から13日間(雨天順延)、阪神甲子園球場で一心にたたかいます。我が母校も甲子園出場が決まり、元野球部員としては嬉しい限りです。野球部全員が地元中学校出身で野球留学者がいない生粋の地元代表チームです。

 

地元に住んでいる同級生チームメイトが野球部OB会長をしているので、選抜されるかもしれない前からメールを何度かもらっていました。そして1月25日、高野連から校長室の電話に朗報が届いた時も、同席していた喜びと地元新聞記事の添付ファイルを送ってくれました。30年以上前の卒業時に野球部から贈られた硬式球を久々に握ってみると、当時のことが瞬時に蘇ってきました。

 

さらに地元にいる他のチームメイトは東京出張時に育子園に立ち寄ってくれて、ある地元新聞記事を持ってきてくれました。その新聞記事を見て「これだ!甲子園に出場できた理由はここにある、自分たちの時代とは全く異なる野球部になっている」と感激しました。よくぞここまで進化改善できたものだと脱帽です。

 

記事のタイトルは「仲間のため一人一役」、昨秋の県大会三回戦の直前に○○選手は、エースの◆◆選手と、1番打者の□□選手に「今日は練習から外れて、グランドの草取りをして」と告げました。体重が増えない2人に対する体力強化委員リーダーとしての指示でした。

 

昨夏から野球部には体力強化のほかに、風紀、データ、環境整備、学習の各委員会がつくられ全部員がいずれかの委員会に所属し主将以外の選手がリーダーになる仕組みにしました。『監督とキャプテンが中心の「やらされる野球」ではなく、自分たちで考えて行動する「やろうとする野球」を目指しています』

 

○○選手は体力強化委員長を任され、「食べる意識強化」に乗り出しました。スポーツでのエネルギー燃焼を踏まえ、大会期間に体力を消耗し体重減少から貧投・貧打等に陥らないように、身長から100を引いた体重をチーム皆が維持することになりました。3日毎に体重を測り全員のグラフをベンチに張り出し、皆で確認し合います。

 

監督も県大会時期に練習に参加させないのはどうか、と迷いましたが「体重を増やす意識が低いままで次のステージに行っても力負けしてしまう」という○○委員長の意見に納得しました。練習から外された□□選手は、挨拶や身だしなみを徹底する風紀委員長、監督からは常々「人柄についてきてもらえるような、リーダーになるように」と教えられていました。草取りをしながら悶々としていましたが、自己を見つめ直し終わるころには「あいつ(○○)のために、俺はやる」と気持ちを切り替えていました。

 

県大会の逆転勝利、大接戦。「あいつに任せれば大丈夫!」、それぞれの役割に責任を持つチームメイトのプレーをお互いに信じ切りました。監督は「一人ひとりに日々の役割があって、意見を言い合えるのがチーム。自分以外の人のために頑張ることは、苦しい時の力になる」と。

□□選手は2カ月で7㎏増加、目標体重に近づいているそうです。 

 

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親が楽になると子どもも楽になれる

2013年03月18日 月曜日

観測史上最も早い東京の桜開花宣言の日、育子園第64回卒園式を行いました。昭和24年、先の大戦の爪痕が残る時代に育子園は仏教精神を基盤とした認可保育園として杉並区和田に誕生し、今年で卒園児数は≒3,300人になりました。65年前に建てられた木造2階建て旧園舎は現園舎から200mの場所に現存していて昭和の趣が漂っています。耐震補強も完了し和田町会などの集会場として今でも現役で地域のために貢献しています。

 

卒園式の最後に子ども一人ひとりが家族への思いを贈ります。

「ごはんを作ってくれてありがとう」、「洗濯してくれてありがとう」、「送り迎えしてくれてありがとう」、「いつも優しくしてくれてありがとう」という、家族への感謝の思いが込められるメッセージが続きます。

ある子どもは「お仕事がんばってね、いつも応援してるからね」、子どもが自分が親を応援しているという気持ちが伝わってきます。きっと親が一生懸命働いて子どものことを見守っているからこそ、子どもが親を応援しようと思えるのでしょう。親の立場になってみるとこれほどうれしい言葉はありません、子どもが自分のことを支えてくれていると思うだけで大きな勇気が湧いてきます。

 

一人目の子どもが生まれた時が親としてのスタート、0歳の親が子どもと共に人間として成長していけるのです。ともすると親や子どものことを自分の所有物と勘違いして、親の思うとおりの子どもになってもらいたくなるようです。子どもがいるおかげさまで、思い通りにいかない育児の中から親は自己中心性に気づき、自分を変えていくきっかけが芽生えてくるのです。「目の中に入れても痛くない子ども」が言うことを聞かないことになっているのですから、道理が解らないと育児は「大苦」になってしまいます。

 

育子園の卒園式でお話しした小林正観さんの子育てに関するとらえ方は、自分以外を変えたくなっている人々の心に一点の光が差し込むことでしょう。

 

「子どもは親が教育をして育てるんだ」っていうふうに、ほとんどの親は、意気込んで頑張っていますけど、どうもそうではなくて、もうすでに子どもは自分自身のシナリオとしてプログラムを組んで生まれてきているようです。

子ども自身は朝顔の種のつもりなのに、親は「バラよ、咲きなさい」って一生懸命「バラよ、バラ」って念じてるんですね。でも、朝顔の種ではバラは咲かないんです。その種でしか、その花は咲かないのに「種と違う花になりなさい」っていうのは、どんなに頑張っても、力を入れても、無理というものでしょう。

親にできるのは、その植物の鉢植えを枯らさないこと。周りの人間は、剪定作業をするのではなく、とにかく無事に育てるだけなんです。親は、子どもに食べさせること、身の安全を保つこと、生活に適した環境をつくること、そうした役割だけなんだ、ってわかってしまえば、すごく楽になります。

このように気持ちを切り替えれば親が楽になれます。親が肩の力を抜けば、子どもは自分がそのままで存在していいんだと思えるようになり、持ち味を思う存分に発揮できるようになるのです。当然のことですが、育子園でも剪定作業はしません、一人ひとりが固有の持ち味を発揮して存在することの素晴らしさが、お釈迦さまの教え「薬草の喩」に解かれてるからです。

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卒園、卒業のとき

2013年03月15日 金曜日

卒園式、卒業式などの節目を迎えると、育てていただいた親への感謝あらためて感じられます。今ここに居られる自分の存在を思うと、「親」無くして今この瞬間はあり得ないのですから、親へはいくら感謝しても足りることはあり得ません。

 ある学校の卒業式に参加してきました。立腰、先祖への感謝、ハイいう返事、挨拶、履物をそろえる、大自然と共存するを大切することを日々大切にしてます。

さて、人格完成とは、不可能なことなのでしょうか、人格完成がなり得なくてもそれに向かっていることがよい、それぞれの特性を伸ばし、周りの人を寛大に許せる人格こそ人格完成にほど近い人格を言えるのではないでしょうか。

 

人格未完成なもの同士が切磋琢磨しながら、お互いの不完全さを悟り、他者を叱責することをせずに人生を送ることを目指す人は最も崇高な人格といえるでしょう。人を受容・認受することが常にできなくてもそれをしようとすることを怠らない人になることを卒業式で教えてもらいました。 

 上智大学デーケン博士晴れるとアーメン、雨だとハレルヤとおっしゃっています。三寒四温でだんだんと春が近づいてくるのですが、天気に良い悪いもないニュートラル、人間が良い・悪いを勝手に判断しているというとらえ方です。たとえば写真はその瞬間を切り取ったに過ぎず、自分も社会も世界も宇宙も常に変化しているのですから、それを認識することが調和の世界を作り出していくのです。

 

このような気持ちで過ごし、人と調和して過ごすことができて自分も楽しい、人も楽しい世界になっていくのです。モノの見方をしっかりとしていくこと。今の自分の境遇が今の自分にふさわしいものという受け取り方を習慣化しを身につけたいものです。 

自分の苦しみは自分以外に原因があると思っている間は、苦しみは永遠に続きます。「幸せはいつも自分の心が決める」という、相田みつをさんの詩はどんな状況であっても物事の受け取り方、見方で人生はどのようにでも変化できるのですから「不幸はいつも自分の心が決める」ということもあるのです。 

 

ある学校の卒業式の最後に『仰げば尊し』が斉唱されました。昭和の時代の卒業式といえばこの歌が定番でしたが、ほんとうに久々に聞き入りました。

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