保育者の声がしない幼稚園
2013年02月27日 水曜日
東京都教育研究員の幼稚園部会研究発表会「子ども同士が認め合えるようになるための教師の援助を探る」が、文京区立の幼稚園で行われました。会場になった幼稚園は3~5歳児100人の園で隣には小学校と中学校があり、日ごろから交流が盛んに行われています。園は9:00から14:00までが通常保育で希望により17:00まで預かり保育が行われています。預かり保育は定員25人で、毎日定員一杯の利用があるそうで、平成25年4月からは18:00まで延長することになっています。14:00以降は預かり保育専任の保育者を充実させ対応するそうです。
特色ある教育活動として、①土と緑を活かし感性を育む ②多様な人とかかわり社会性を育てる、を柱にしています。平日の12:30に訪問しました、お弁当を食べ終わった子どもたちはクラスの枠を超えて廊下や階段も利用し遊び込んでいました。お雛さまを作っている子ども、コックさんの帽子をかぶったり、ドレスに着替えてごっこ遊びに興じている子ども、巧技台で体を動かしている子どもなど、好きな遊び「さっきの遊び、しよう」の時間帯です。
約2時間の公開保育でしたが、その間は保育者の声はほとんどなく、廊下の死角には保育者は配置されていません。子どもたちは子猫役に扮した子どもを追いかけて、保育室から廊下を走り抜けたり、四つん這いになって、玄関近くで溜まりこんでいます。常に保育者が子どもを管理しているという雰囲気はまったく無く、年齢別一斉保育を行っていない保育園に似た保育理念と実践です。文京区立の幼稚園は同じ取り組みを行っているそうです。
一日のプログラムは、午前9時登園、11時までの2時間は「いっぱい遊ぼう」の時間で園庭の砂場、築山、一輪車、鬼ごっこ、室内では制作、積木、ままごと、楽器遊びを選択しています。その後の11時から約40分間だけ、大人主導の一斉保育を行っています。子どもが自分で考えて自分で学ぶことを保障するようになると、この幼稚園のように大人の出番は保育が始まる前の「仕込み」が中心になっていくのでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ