水たまりの水を飲んだ時代
2013年02月13日 水曜日
先日のブログで無料塾「八王子つばめ塾」のことを紹介しましたが、杉並区でも無料塾を始める予定があると聞き嬉しくなりました。無料塾のことを塾で教えている方に話したところ、こんな反応がありました。報酬を得て学生さんに教えていると、成果を出さなければいけない、合格してもらわなければいけない、それが自分の評価につながり、その塾の評価になっているのです。
ところが、無料塾では教える方もボランティアですから、マイナスのプレッシャーが無くなり結果や評価を気にせずにできるのではないでしょうか。
こんな感想を伺って、合格させること、合格することはもちろん大切なことですが、そこに自発性があるかどうかもポイントだと思います。自発性に関連し、スポーツ現場での体罰やパワハラの話題がクローズアップされていますが、元巨人軍の桑田真澄投手は体罰反対を明言しています。2歳から野球を始めた桑田さん、小学校3年生で6年生と一緒にプレーをしていましたが、このころから体罰をうけていました。度重なるケツバットで練習帰りは自転車のサドルに座れず、立ったまま1時間も運転して帰ったそうです。中学校でも1年生の時からエースでしたから、上級生からグラブを隠されるなどのいじめを経験しました。
PL学園時代は5回の甲子園出場、これは高校3年間で全て出場したことになり、2度の全国優勝を果しました。その桑田さんが体罰ではプレーは上達しないと明言しているのです。絶対服従的な上下関係において圧力をかけられて、上達する根拠はどこにもありません。選手は体罰を受けないように、失敗をしないようにと委縮し、監督やコーチの目ばかりを伺ってしまいます。
また当時は、練習中などに水分を飲んではいけないと信じられていた時代でしたから、桑田さんもきつい練習中に便器の中の水を飲んだり、水たまりの水を飲んだ経験もあるそうです。私自身も中・高校と野球部に所属していましたから、真夏の炎天下で連日のように猛練習をして、発汗しなくなるほどでした。当然水を飲めない時代でしたから、バックネット裏の水たまりの水を飲んだ経験があったので、桑田さんの話しは自分のことのように共感しました。今のスポーツ医学からすると絶対にやっていはいけないことを日本全体で信じて行じて根性をつけるためにやっていたのですから。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ