韓国でも「見守る保育」
2013年02月01日 金曜日
「見守る保育」の研修会に参加しました。今回は韓国でも見守る保育を進めていきたいという講演会でした。
烏山大学児童保育科の先生から韓国の保育事情を伺いました。今回は韓国から4人の園長先生も同行しています。冒頭、「見守る保育」書籍を韓国語翻訳する予定があると発表されました。韓国でも保育園、幼稚園があります、保育園は保健福祉部が統括し「子どもの家」という名称になっています。教育科学技術部が幼稚園を統括しています。韓国でも幼保一体化の議論が進んでいます、韓国では0~6歳の保育料が無償化されました。
見守る保育の素晴らしさをどのように韓国で実践していけば良いかと考えています。韓国は民間保育園が多く、自己資産を投じた個人経営が70%です。人口変化の特徴として、高齢化と低い出生率で、韓国は日本よりも出生率は低いのです。理由は子ども養育期の女性経済活動の増と離婚率が高くなっていること、結婚したカップルの40%が離婚しています。
韓国では2000年に高齢化社会、2029年に超高齢化社会を迎えます、日本と同じ道を歩みます。
出生率は1970年代4.5人、2002年1.17、中でもソウルは0.9人、2011年1.2人に留まっていますが、国は子育て支援予算を投入しても増えないので保育政策に対するパラダイムの転換をしなくてはなりません。保育政策の究極的な目的は、人口を増やすことではなく、子どもの最善の利益のためにあります。
2004年の育児支援政策法は、未来人力養成及び女性の経済参与拡大のための育児支援政策のビジョンと目標は生産力増加優秀な児童育成、親の育児費用軽減、女性就業率の増加、新規の職場創出です。
民間園が多いので、多様な保育理念で行われていますが、2004年に保育園の評価認証制が導入され、国が管理監督しています。保育教師という国家資格制度施行され教師の待遇改善、補習教育を行っています。多様なプログラムの開発、質管理がこれからの課題ですから、見守る保育をひろめる上では日本との交流が盛んになっていくことでしょう。(文責:園長)
各国の保育政策はその国の歴史、文化や慣習によって多様性がありますが、子どもの発達という視点では一致するのですから、保育現場から子どものことを第一優先に考えた政策を提言していくことが我々保育に携わる者の役割だと思います。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ