園の行事は何のためにあるのでしょう
2013年01月21日 月曜日
園での行事は何のためにあるのでしょう。まず、仏教では人間は社会的存在としてとらえています。言い換えれば一人では生きていけず、環境やお互いに関わり合いながら生きているということです。仏教保育園ではお釈迦さまを理想像として、一人ひとりの保育者と子どもがお釈迦さまの教えを敬い生活しています。
園では年間をとおして仏教行事や様々な行事を行っていますが、子どもの発達を見える化することも大切ですが、本来の目的は縁あって園に共に居る人々の関係を深めるために行なうのです。一つの行事を行うための話し合いや諸準備には、他者の意見も受け止めながら力を合わせて行い、後片付けも共に行うことになります。
その中で相手を知ることができ、自分を見つめ直せるのです。特に行事担当者は行事の意義・目的を明確にし、各保育者の役割分担や諸調整などを日常保育と並行しながら行うのです。そうした取り組みをお互いに行っていく中で、仲間意識や連帯感がうまれます。保育者同士の仲が良いことが、子どもが安心・安定して園で過ごせる基本ですから、行事は保育者と子どものコミュニケーションを深めるために行っているともいえます。一人の保育者だけで行える行事は何一つないのです。
行事の諸準備には保育者にしかできないこともありますが、子どもたちの参画やお手伝いは不可欠なことです。園の行事で子どもを対象としない行事はほとんどありませんから子どもが主体的に参画する姿勢を大切にしています。
保護者と共に保育をするということからすると、本来は保護者も単に行事に参加する受け身だけではなく、参画することが望ましいのですが、現在のような長時間労働下でどうしていくか各園の課題になっています。育子園でも取り入れている、保護者の保育士体験で日常保育の様子と懇談を深めながら次のステージへのヒントが見えてくることを期待しています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ