コンゴ共和国の子ども
2013年01月17日 木曜日
白梅学園大学カウンセリングセミナーで汐見学長からお話を伺いました。
最近では臨床という言葉がいろいろな場で使われるようになっていますが、臨床の語源はクリニック、ギリシャ時代から行われていることです。看護、治療はキュアーを訳したものです、キュアープラス、心のケアが大事です。病気は医者や薬が直すのではなく、自分自身で治すメカニズムがあります、それが免疫です。
免疫が衰えてくると外部からの侵入を許してしまうのです。薬は免疫力を高めるために投薬するのです、自分で自分をやっつけるのは自己免疫性疾患、アレルギー、膠原病、免疫を下げるための薬はステロイドです。患者のそばに寄り添って精神的サポートとして看護学があります。
人の気持ちのみを立て直す、メディカルソーシャルワーカーの役割はとても重要です。人間の治療は心身ともにおこなっていく、生きる意欲を引出し支えるのです。社会そのものが都市化し、自然性をなくしていますから、人工性の中で生きにくくなっているのです。
衝撃的な体験をしてPTSDになっている人のために、BPO委員長として、テレビに津波写さないでと提案しました。ベトナム戦争でおった米兵の心の傷はなかなか癒されませんでした。殺したくない人を殺してしまった心の傷は消えないのです、トラウマは消えたように見えてもフラッシュバックがおこります。日本では阪神淡路大震災で問題になりました。
発達障害、広汎性発達障害、自閉症、相手の気持ちを読むことが難しい、高機能自閉症、
昔は土着で生まれ生活していたので周りはその人の障害を認識していましたが、人々が往来するようになってその問題が表面化してきました。本校では子ども学部の中に家族支援学科を設けました、保護者の中にも愛された記憶が無い、頑張れと言われ続けた人が親になると子どもに厳しくなることが多いのです。自分の母親を憎んでいたことが自覚できるようになると解決の糸口が見えてきます。子どものころに「良い加減」で過ごせることが無かったことが大きな原因となっていることがあります。
コンゴ共和国の子どもの写真です、自分で鉈を持ってヤシの実を割って飲むのですが、何歳のこどもだと思いますか?
なんと生後11か月の子どもなのです。世界には日本のような手厚い離乳食が無い国もあるのです。アフリカの部族では赤ちゃんを抱いて地面につけます、そうすると足が速くなるのだそうです。
赤ちゃんの嗅覚は大人の40倍、赤ちゃん能力は優れているのです。(文責:園長)
コンゴ共和国の子どもの写真はとても興味深いもので、会場の受講者も11か月と聞いてどよめいていました。何歳だからこの段階の発達というとらえ方は、平均的な事例を取り出したに過ぎないのです。自分が生まれ育った環境の中で周囲の人々の真似をして自分のモノにしていくということがコンゴの子どもが立証しています。イタリア・レッジョ、ピストイアでも何歳用の玩具教具を子どもに提供するという考え方ではなく、様々なモノの中から子どもが選択できるようにしていました。自分が最も興味を感じるモノ、ことを決めるのは自身です、人から勧められたのでは満足しないことが多いのです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ