園長から転身
2013年01月25日 金曜日
園では保育士・幼稚園教諭を目指している学生さんの保育実習を受け入れています。約2週間の実習期間中に各学校の先生が学生さんの様子を伺いにいらっしゃいます。先日もある学校の先生が来園されたのでご挨拶させていただこうと玄関お迎えしてみると、昨年3月まで公立保育園の園長をされていた先生が、定年を迎え新たに講師として再就職していらっしゃったのです。思いもよらない再会に時間を超えて話し込んでしまったのですが、保育現場経験豊かな立場の方が学校現場で活躍できることは学生と子どもにとって良いことです。園長時代にも増して活き活きとなさっている先生にお会いできたことはうれしい限りでした。
保育実習に来ている学生さんの中には、毎年のように育子園を卒園した方が含まれています。先日も実習5日目の学生さんに園の保育理念と保育実践について学び合う時間がありましたが、自分が通っていた当時と様変わりしていることにびっくりしています。子どもが大人からさせられているというと雰囲気がないことがスゴイと感じています。ホームページに毎日、職員が各クラス・グループごとに9つの保育エピソードを掲載しているのを見ていて、本当にその場面の様子がリアルに伝わってきます。園に来てうれしかったのは、どの保育室に入っても職員さんが温かく受け入れてくれて職員同士の仲が良いことです、と話してくれました。
保育実習先で多くの学生さんがショックを受ける事柄に、職員間の雰囲気が良くないということがあります。先輩らしき人が高圧的に指導・指示する様子を見るにつけ、自分はここでは働けないと感じてしまうのです。子どものことを第一に考えようと保育の道を目指しているのに、大人同士のことが課題になって前向きな取り組みなどできないのです。その職場で代々受け継がれた伝統には良い部分とそうではないことがあります、自分がされて嫌だったことは将来に引き継がない風土づくりを本気で行っていくことで、慢性的な保育士不足は改善されていくことでしょう。
保育実習を終えた学生さんからお手紙をいただきました。
…育子園での実習は自分にとって新たな視点が開けたものでした。子ども達が自ら遊びを選択し子ども同士の関わり合いを通して、子ども達の優しさ、好奇心、素直さなどたくさんのことが学べました。このように子ども達が活き活きと過ごせるのは子どもの自発性を尊重し、保育者が主導しない、子ども主体・子ども中心の保育だからだと実感しました。保育者が子どもの成長を喜び、子どものことを深く信頼している姿勢にふれて、「見守る」ことを保育の根底にしていこうと気づくことができました。育子園での2週間の貴重な体験を今後の学生生活、さらには進路選択に活かしていきます…
この学生さんのように、自ら感じて思考し実践していこうとできていることは、20年間の人生を「見守られて」いたからでしょう。見守られている人の特徴は、前向きな人、勇気のある人、チャレンジできる人、のようです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ