欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅(終)29
2012年10月30日 火曜日
2012秋、「欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅」ブログも最終回を迎えました。イタリアの保育現場で学び、語り合い、楽しみ、とても充実した時間を過ごしました。レッジョでは保育理念と実践の研修を受けた証に修了証をいただきました。
日本各地から子ども主体の保育を学びたいと自発的に集まったツアー参加者、一人ひとりの保育を見つめ、変えていくきっかけになったことでしょう。成田から始まった旅はイタリア・ローマ、フィレンツェ、レッジョへと移動し、6日間一緒に過ごした参加者ご一行とは、レッジョ・エミリア駅でお別れの時がやってきました。我々男4人は東へ向かう電車でベネチアへ、ご一行は西へ向かう電車で世界のファッション発信地、ミラノを目指します。総勢十数人から男4人になり、一抹の感がありましたがいよいよ自分たちで考え判断し、行動する男旅の始まりです。
今回も移動手段は欧州鉄道(ユーレイル)を中心にして、数カ国縦断の旅になります。≒2カ月かけて訪問地候補のガイドブックを読み、ホテルと鉄道はインターネットで予約し諸準備をしました。行ってみたい所は山ほどあるのですが、訪問できる場所を絞り込んでいきました。十年までは不可能だったネットでの欧州鉄道の運行状況、所要時間とチケット予約購入ができるようになったので、旅行会社に頼らずに自由旅を設計できるようになりました。
まずは、レッジョ・エミリア駅からボローニャ・セントラル駅で乗り換えて、水の都ベネチア・サンタルチア駅へ向かいます。ボローニャセントラル駅もターミナルで、ベネチア行の電車が何番線から出発するのか駅舎を工事していた方に聞きながらホームを確認しました。4番線から発車したベネチア・サンタルチア駅行インターシティの車内はコンパートメント車両(空間区分)で、車両の端に廊下があり向かい合わせ3人掛けのドア付き6人部屋です。先に乗っていたスペイン人男性2人はとても気さくな方で、スペイン語の喋くりが止まりません。文脈は日本は素晴らしい国だという讃嘆語を重ねて述べていらっしゃいました。
イタリアの鉄道はストライキが多く定刻運行は稀な状況ですが、サンタルチア駅にはほぼ定刻どおり到着しました。広々とした駅前広場には太陽が燦々と照りつけ、陽気なベネチア滞在の始まりです。ネット予約したホテルは駅から徒歩5分の場所、ここはレセプションが日本で言う2階(1階)で、エレベーターがありませんでした(ここでも20歳代の保育士にスーツケースを運んでもらいました、毎回有難うございます)。
ベネチアは≒180もの島で形成されていますから橋の数は≒400、海面ぎりぎりに路面がある場所も多いので、ゴンドラ船などの運航上、橋はアーチ型になっています。ある橋を渡ろうとしたとき、車椅子を持ち上げるのに苦労していた方を見かけました。すかさず若男3人が車椅子を抱えてアーチ橋を渡り、ベネチアでの「一日一善」、思い出に残るシーンです。
迷路の街並みをさまよいながら、サンマルコ広場まで歩くことにしました。道中は色鮮やかなディスプレイの店舗がいたるところにあるので、4人それぞれの探索活動が早速始まりました。子どもが自分の興味のある遊びのゾーンを選ぶようなものです。10月後半になるとアフリカ大陸からの風、シロッコの影響で海面上昇が発生し、海抜0メートルのベネチアはアクアアルタ(水没)する日があります。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ