欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅(街歩き編)⑯
2012年10月10日 水曜日
レッジョ研修報告の途中ですが、ちょっとブレイクタイムです。
レッジョチルドレンで行われた研修の合間に、レッジョの街とその周辺を散策しました。レッジョのあるロマーニャ州は「食の宝石箱」と称されるほどグルメな地域です。初日はレッジョ旧市街にある老舗「Il Pozzo」へ出かけました、落ち着きのある店構でのイタリアンと地ワインは格別でした。
ここまで来たらパルマへ行かないわけにはいかない、ということになり翌夕は電車に揺られてパルマまで足を延ばしました。パルマには世界最古の大学とされているパルマ大学があり、サッカーの中田英寿選手がプレイしていたクラブもあります。駅から徒歩でパルマ大聖堂、パルマ洗礼堂を訪れて大聖堂から徒歩0分のレストラン『angiol d’or parma』でプロシュット・ディ・パルマ(パルマ・生ハム)と地ワインのランブルスコ(天然弱発泡性の赤ワイン)を堪能しました。
研修休日は駅南口のロータリーから路線バスに乗って、六角形の旧市街北側を走りオペラ座近くに到着しました。目的はレッジョアプローチの象徴とされている『ライオンの像プロジェクト』の現地を体感するためでした。公園に隣接したオペラ座「Teatro Municipale Valli」の前庭には路面噴水があり、暑い時期には子どもたちがはしゃいでいる姿が想像できました。
日本ではパルメザンチーズと呼ばれているチーズ産地として有名なレッジョ、旧市街は古い城壁に囲まれた16世紀、17世紀の建築物が数百年の歴史を経て佇んでいます。石畳の路面をかみしめながら≒10分歩いていくと『サン・プロスペロ聖堂』が見えてきました。聖堂までのいわゆる参道には昨日今日開店した店舗には真似できない、趣のある商店が続いています。聖堂前のピアッツァには露天商が軒を連ね、日用品から毛皮コートまで多様なジャンルを販売していました。
そして聖堂前には目的の「ライオン像」、台座を含めて高さ2.5mほどの像です。ここで子どもたちと行ったプロジェクトは、像を生きているライオンと見立て、自分との関係性や距離感、像にまたがったり、ライオンを描いたり、粘土造形をする中で、ライオンと一体感を感じたり、自分との違いを確認、模索したのだそうです。このように園の中だけにとどまらず、子どもたちが街に出て現地で体感、体験、想像、創造する取り組みは机上では得られない宝になっていくのです。
ライオン像で子どもの気持ちになった後は、参道にあるレストラン向かいました。立ち寄りたい店は未だ開店前でしたがオーナーは快く受け入れてくださって、路上にイスとテーブルを準備してくれました。店舗前の自転車には子ども用座席が据えてありましたから幼い子どもがいらっしゃるのでしょう。この日も快晴で日向は半袖で十分ですが、風が通り抜ける日陰通路は肌寒く感じられました。
オーナーが手にしてきたのは、北イタリア原産の蒸留酒『Grappa(グラッパ)』です。無色透明のグラッパは葡萄の果皮と、芳醇な実と果汁(ヴィナッチャ)を原料に作られ、アルコール度数≒40度、同じ蒸留酒ブランディより短期間熟成されるのだそうです。
そして日々の研修内容を振り返り深めるために毎晩語り合った、ホテルの隣にある中華酩店も忘れられません。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ