欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅22
2012年10月19日 金曜日
レッジョ研修の続編です。
一日の講義が終了しました。同時通訳を介しながらランチタイムを挟んで延6時間様々な学びを得ました。一日の学びを深めるために参加者からの質問時間が始まりました。
質問①:全ての年齢の子どもに玩具等の環境を平等に与えるということと、年齢別保育との整合性について再度教えてください。
回答①:良い質問です。私たちは注意しなければいけないのです。それは子どもたちの学習の仕方についてです。その盲点は人生が複雑化していくという点です。子どもの発達過程は無視できませんが、年齢で固定的に考えないこと、光のインスタレーションでたくさんのことを気づくでしょう。生後6か月から大学生までが同じ素材でそれぞれの発達過程で楽しめるものです。日本の文化は素敵です、見た目重視、外見の環境を整えることです。
質問②:保育者は日常のことを大切に考えて保育をするが、アトリエスタは非日常的なことを考えていると思いますが、両者はどのように融合しているのですか。
回答②:保育者にささやく、助言を与えてあげるような存在がアトリエスタです。大切なのはいつも主役であることです。
質問③:子どもに対する保育者の言葉がけはどのタイミングで行っていますか。
回答③:まず、自由と見離すという考え方があります。自由に子どもをさせるということであって助けてあげないといけません。保育者は子ども自身の代わりをしてはいけません。答えを与えないこと、子どもに答えを考えてもらうように関わります。保育時間中を録音して後日振り返ることはとても有効です。あとで振り返ると保育者は「あの時、話さなければよかった」と感じることが沢山あることに気付くのです。
質問④:素材を乱暴に扱ったり、周囲との協調性に欠ける子どもはいませんか。
回答④:始め方が大切です。スタートは少しの素材を使ってみて様子を観察することです。各種コーナーを設けたとして、初めの4カ月は規律を学ぶこと、民主主義のルールを学ぶ時期です。保育者がルールを教えなくても子ども同士がルールを設定していきます。子ども同士の共同的学びが構築されます。乱暴に扱ったりほかの子どもの邪魔をする子どもは、その素材はみんなとの共有物して使うということの意味をその子に理解させていなかったからでしょう。
質問⑤:レッジョの基本的考えかたは、子ども同士の共同的学びを引出し、見守ることですか。
回答⑤:詰め込むのではなく、引き出すことを大切にしています。26人の3歳児はそのままにしておいても自発的には学び始めません。子どもの興味を引き出す取り組みとして、アトリエを設定しています。子どもがその日発見したことを発表し合います。
(文責:園長)
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ