欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅⑭
2012年10月05日 金曜日
講師さんは、特に子どもは頭で学ぶのではなく、体を通して体感して学んでいくのです。保育環境設定や保育実践についても、グループで学ぶことが重要であると考えているので、自発的に学ぶようにするためにはテーブルの上に何かのヒント・きっかけを保育者は置いておく必要があります。
保育者の仕事は子どもたちが登園してからではなく、子どもたちが来る前に、クラス全体を構築・オーガナイズすることです。その準備の良し悪しでその日、その週の保育の質は変化していくのです。
たとえば、単に子どもたちが好きなディズニーのビデオを与えるのではなくて、ベーシックな素材を用意するだけでよいのです。その中から子どもたちは創作しディズニーの世界を造りだしていきます。子どものために大人がするのではなく、子どもの世界は子どもが自ら造り出していくのです。
子ども一人ひとり、自分の個人的な興味について学ぶことができます。私たちが信じていることは、簡単なことから難しいことへと進んでいくのではなく、年齢で限定せずに子どもに全ての保育素材を提供することを大切にしています。全ての子どもにまんべんなく良いというプログラムを与えるのではありません。子ども一人ひとりのリズムを尊重し、子ども一人ひとりの学習プロセスは違いますから。
ところでその家庭において第1子はとても有利です。第2子は、第1子よりも社会的関係付がしやすいですが、第1子の方が学習能力は高いと考えています。なぜならば第1子は模倣対象が無いので、自分で歩き始めたりしゃべり始めますが、第2子以降はそれをマネすればよいのです。
子どもたちの活動に重要なこと、プロジェクト学校や環境プロジェクトを立ち上げることから始まります、子どもたちが活動するときには保育者は観察者になります、子どもたちの言葉や作品などを集める役目です。そして代弁、言い換えてあげるのです、なんでそうしたのだろう、なんでそう言ったのだろうと感じることです。保育者は判断者ではないのです。ここを勘違いしない事、間違いないことが重要です。(文責:園長)
話を伺って感じたことは、全ての子どもに同じ保育教材を提供し、子ども自ら自分の発達過程に応じて取捨選択し遊び方も違っていく。という視点は日本の保育現場も刷り込みを無くして提案として考え直す点ではないでしょうか。その上で保育者は子どもの発達過程を見極めて、興味を引くようなそこから遊びと学びが発展していけるようなヒントを、何気なく子どもに見えるようにしておくことが子どもの可能性を引き出すポイントだと再認識しました。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ