欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅⑬
2012年10月04日 木曜日
講師さんは、チルドレンでは0~6歳までのプロジェクトを策定しています。市の人口は20年間増加しています、特に6歳児までの子ども人口比率はレッジョでは6%、イタリア全土では5.6%です。レッジョの0~3歳児4,493人の内40.2%が通園しています、入園希望者は100%入園できています。28園の内、公立12園、15園が補助金有りの民間経営、残る1つは保護者が経営しています。
4歳以上になると86.7%が入園しています。65園の内、公立25園、カソリック系21園、国立14園です。0~3歳児幼児園は7:30~16:00まで、保育者と子どもの比率は3~9か月は子ども12人:2.5人、3歳児以上は子ども26人:2人とアトリエスタを配置しています。
レッジョでは、テーマを設定することを重要視しています。たとえば3歳児が自発的に学べる空間を設定し、発達に応じた環境設定がとても大事です。
現在実験的に行っているのは、6~10歳小学校5年生まで3~9歳までの子どもを教育している場所がこのレッジョ研究所の中にあります。建物は地域の方が提供してくれた、地元名産のパルメザンチーズ製造工場跡という地域密着型です。
レッジョチルドレンは会社組織で1994年設立、直接保育現場ありません。レッジョチルドレンの経営権利の内51%は市が有しています。半官半民の利点を生かして硬直化せずに、英知を出し合って子どものためのプログラムを開発している世界的にも稀有なケースといえます。
最も大切なのは子どもに対する哲学です、どの子どもを対象に保育をしているのかを問いながら進めることです。では、子どもはどんな可能性を秘めているのでしょうか。私たち一人ひとりの頭の中にそれぞれの「子ども像」があるでしょう。我々大人同士にもそれぞれの「人物像、大人像」があるように、頭の中の「子ども像」をはっきりさせることで、私たちの立ち位置が決まり、保育の方向性が見えてくるのです。
子どもにも一人ひとりそれぞれ独自の考え方や行動が存在します、そして我々が大切にしていかなくてはならないのは、「全ての子どもは自発的に学び、自ら成長しようという可能性を持っている」という絶対的な考え方です。
元来子どもたちは、自発的に学ぶ力を持って生まれてきている、生まれてきてから学ぶものではないということです。(文責:園長)
世界から熱い視線をおくられているレッジョ、半官半民のバランス感覚で保育・教育の理念を研究開発しているのです。一人ひとり個性を持った子どもの存在を丸ごと信じて、「全ての子どもは自発的に学び、自ら成長しようという可能性を持っている」という絶対的な考え方からブレない力強い理念を学びました。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ