欧州で子ども主体の保育を学ぶ旅⑨
2012年09月28日 金曜日
☆同行職員のブログはどんどん進んでとっくにイタリアから他国へ旅立っていますが、私のブログはやっとレッジョ・エミリア保育の始まりです。
と言いつつも実際にこのブログを記しているのは、ハンガリー・ブダペストからチェコ・プラハに向かう国際列車の車中ですが…。
育子園ホームページ「園のこだわり」を見ていると、長袖の子どもや職員の姿が見られるようになりました。東京もやっと長い熱帯夜から解放されたのでしょう。
さて、フィレンツェの素晴らしい景観を堪能した我々は、電光掲示板の下から2行目、フィレンツェ21時発、レッジョ・エミリア22:14着の電車に乗ることにしました。とかくイタリアの鉄道は定刻通り運行されることは無いようですが、今回の旅ではおおむね順調でした。
ホテルに預けてあったスーツケースをゴロゴロと転がすのですが、欧州は石畳が多く、ちょっとした段差も気になります。足の不自由なかたやベビーカーも苦労が多いことでしょう。今回は女性参加者が多いので、同行若手男性保育士はスーツケースを列車に積み込んで差し上げたりと、ポーターとボディガード役といったところでしょうか。
ご存知のとおり欧州鉄道の駅には改札口がありません。さらに何番線に目的の列車が到着するかも、その時に決まりますから掲示板を常に確認することが賢明です。また、出発アナウンスも無く、特急列車も乗車ドアを自分で開ける方式なので(日本でも寒い場所などでありますが)黙って立っていると乗り過ごすことになります。海外へ出ると日本の普通が通用しないことを実感でき、自発的・自己責任の行動パターンが学べるようです。
今回の旅の参加者は保育養成校教諭、保育園園長、保育研究者、保育用品企画製造販売業者、大学生など、あらゆる角度の保育関係者の一行です。子ども主体のレッジョで学び、明日の日本の保育に活かしていこうということは共通しています。
レッジョ・エミリア(Reggio Emilia)は、イタリアのロマーニャ州の町、住民たちは単にレッジョと呼ばれています。ロマーニャ地方は、「宝の島」とも呼ばれるくらい農産、畜産品の豊かな地方で、特にレッジョはパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ産地として有
名で、レッジャーノとは「レッジョの」という意味です。
レッジョ旧市街は、古い城壁に囲まれたことから6角形で、16世紀ごろに建築された建物が数多く実在しています。モデナ。レッジョ・エミリア大学があり、レッジョは町をあげての取り組んでいる芸術教育と幼児教育で、欧米および日本でも大いに注目されています。教育実践を紹介する書籍やビデオも多数製作され、日本でも展示会や販売会も行われています。今回同行している育子園の職員もレッジョの話を知った後、原宿・表参道のワタリウム美術館でレッジョを学ぶ展示会と書籍とビデオも購入して1年間勉強して参加しています。
今回の旅の道中、平日は私も同行職員2人も現地からリポート(報告書・ブログ)を更新することで、その時・その場で感じたこと学んだことをできるだけリアルタイムで発信しています。フィレンツェからレッジョに向かう≒1時間の車中も、PCとスマホで育子園サイトにアクセスして2人で、その日の出来事を内省しながらブログを更新していました。良く学び・良く働き・良く遊べそのものだと感心しています。
22時過ぎ、いよいよレッジョ・エミリアの駅に到着しました。明日から3日間の研修が楽しみです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ