思い通りにならない人
2012年08月28日 火曜日
子どもが親を親らしく成長させてくれるというとらえ方は、子育てに悩んでいる親の気持ちを楽にさせてくれます。子どもが生まれた時に初めて親になったのですから子どもと親は同級生、気を張ることはないという考え方です。子どもが自分で生きる力を育むために、親がしてはいけないことはなんでしょうか。
それは子どもに対する、「指示」、「命令」、「支配」、「強制」、「管理」などでしょう。身の危険や人に危害を与えるなどの場合を除いて、慎むべき言動です。親が管理した子どもは自立出来なかったり、自らの可能性を狭め、無表情で消極的、親の顔色をうかがうようになっていきます。
子どもは幼稚園、保育園などの子ども集団の中で発達過程にしたがって、傍観遊び、並行遊び、連合遊び、協力遊びなどへと変化していきます。おおむね小学校に入学するまでに、個々の遊びをあじわいつつ、子ども集団の協力遊び・共同的学びへと発達していきます。友達と遊ぶこと一緒にいることが楽しく感じられるようになるには、それまでの期間に親が子どもを認めて、自信を持たせてあげることで子ども集団の中で自分を表現できるようになっていきます。
親の価値観や物事の見方を押し付けず、子どもの気持ちを理解してあげること、親が変わり成長した分だけ子どもは成長すると考えれば子どものせいにできなくなります。このように子育ては他者や周りの環境のせいにしない生き方を習得できるチャンスです。母子一体・父子一体、親にとっては自分の分身のように思いがちな子どもという存在も、個別の人格を有する存在、親の思いや願いどおりにならない人の代表です。
子ども自身の課題なのに親が自分のことのようなに考えて言動をおこすことが、じつは子どもの成長を妨げる要因になっていることが多いものです。子どものためと意気込んでいる時こそ、その思いが子どもに対する「指示」、「命令」、「支配」、「強制」、「管理」になっていないか、一呼吸おきたいものです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ