居心地の良い保育園
2012年08月23日 木曜日
夏休み期間を利用して育子園には様々な学生さんが保育ボランティア、保育士体験に来ています。職員の知人で将来は保育士になりたいという学生さんや職員が以前勤めていた園で担当した子どもが職員を慕って一日保育士体験に来てくれたりしています。
保育園には夏休みがありませんから、職員の確保するために各園では夏季アルバイトを雇います。今年も数人の方にお願いしていますが、そのうち2人は育子園を卒園して現在は保育養成学校に通っている学生さんです。十数年の時を経て園に戻ってきてくれて、働いている姿を見ると当時を知っている職員も嬉しくなります。
人が集うという条件はなんでしょう。こんな話を伺ったことがあります。ある旅館の主人の悩みは、お客さんが夕食会場で食事をした後、なかなか席を立とうとしないので後片づけができないことでした。早く席を立ってもらうように促すことはお客様の気持ちを察するとできないし…と悩んでいました。そのことをある方に相談すると、意外な答えが返ってきました。お客さんが席を立たないということは、その場所が居心地が良いところ、食事もおいしいところなのでしょう。そこにいつまでもいてくださるというのはマイナスではなく旅館にとって大きなプラスですね。
この答えを伺ったご主人はまさに目からウロコ、自分の見方や考え方を変えることができ、食後にお茶のサービスを充実するなど長居してもらう工夫までなさったそうです。このお話のように、人は居心地の良い場所に自然と集まってくるのでしょう。居心地が良いところとは、一人ひとりの居場所があり、それを保障されているところと言えるでしょう。自分の居場所が保障され気持ちが安定していると、他者のことを考えられる余裕が生まれ皆が居心地のよいところになっていきます。
育子園では人と人との距離感も近からず遠からず、ちょうど良いバランスが保たれている状態が常態化していて、誰かがSOSを発すると自然発生的にチームワークが発揮され、課題解決をしているのです。誰からも指示・命令されなくてもそれができる場所にいられることは、人と人との間で生きていく我々にとって最も幸せなことです。
このように、居心地の良い保育園は地域の「オアシス」になっていける素質を備えていますから、そのプローチを創造しています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ