み仏さまに手を合わせる心
2012年08月20日 月曜日
世界中の仏教保育園には「み仏さま」がご安置されています。育子園でもみ仏さまが、皆のことをいつも見守ってくださっています。家庭にも仏壇があると思いますが小さなお寺ということになりますから、み仏さまとと一緒にその家のご先祖さまがいらっしゃいます。自分の両親、祖父母、曽祖父母…、私たちが生まれてくる前に数えきれないご先祖さまがいらっしゃったから、今ここに自分が生きていられるのです。
そのことを考えると、毎日かかさずみ仏さまとご先祖さまをお参りすることが自分のいのちの確認になるのです。育子園では子ども達が朝・夕の会にみ仏さまにお参りをしています。ご宝前には毎日、お花、お水と給食をお供えします。み仏さま、ご先祖さまは生きている私たちのことを温かく見守ってくださっていますからお線香を焚き、お経をあげてみ仏さま、ご先祖さまに報恩感謝を捧げています。
日本のお寺の保育園や幼稚園の始まりは、法均尼(ほうきんに)さまがお寺で子どもたちを育てたことがきっかけだったといわれています。奈良時代に戦で被害をこうむった子ども達、父や母が戦で亡くなったりすると、残された子どもは食べるものもなくなり生きてゆけなくなりました。保育園などない時代でしたから誰かが残された子ども達を育てていかなければなりません。
そんなとき、法均尼という女のお坊さんが困っている子ども達を集めて面倒を見ることにしました。木の下や家の軒先で泣いている子どもを見つけると、お寺へ連れて行って育てたのだそうです。
このように仏教園は困っている人を無条件に救うことから始まりました。見返りを求めない慈悲の心で人が喜ぶことが自分の喜びだという精神で通ってくる子ども達に接しています。この気持ちは園に通っている子どもだけが対象ではありませんから、地域の子ども社会全体の子どもたちにも同じ気持ちを持って接する、大きな志をもっているのです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ