信仰心は神々へのお供物に込めて
2012年08月02日 木曜日
バリ島の東南の海岸ヌサドァに5日間滞在したあと、車をチャーターして山間の街ウブドへ移動してきました。運転してくれたのはヌサドァのホテル従業員の友人メデさん、旅行会社を経営している青年でした。約2時間弱の道の途中で、手書きのバティック工房で車を止めてもらいました。
シルクやコットン地に手書きや型押しを使って染色をした生地を、ドレスやシャツなどありとあらゆる製品に加工して製造販売しています。後述のようにせっかく神々の宿る島に来たのですから、数ある布製品の中から我が家の神仏の前にある経机用に金と黒色の飾り布を購入しました。
ウブドで滞在しているバンガローは水田に囲まれたのどかすぎるほどの場所です。朝は鶏の鳴き声と小鳥のさえずりと、神々に祈りを捧げることから始まります。島民の90%がバリヒンドゥー教徒で、一日三回(日の出、正午、日の入り)にお祈りをします。街を歩いていると感心するほど、神と鬼神に捧げるお供物がいたるところにあります。その多くはヤシの葉を織り込んだ一辺10㎝ほどの正方形皿に、数種類の花々を散りばめて神様の前や地面置かれています。
よく見ると花の上に動物クッキーも捧げられ、お線香も灯されお香の香りが漂い、隣にはヤシの葉の上にご飯が一口だけ盛り付けられています。朝7時前にホテル従業員の女性がお祈りをささげながら、お供物を捧げていました。滞在しているホテルの中だけでも数十ヶ所のお供えを毎日欠かさず行っているようです。
お供物の種類は地域によって様々ですが、大きく2種類あるようです。ひとつは天界にいるとされる神や祖霊神に捧げるもので、台や祭壇の上に置いてあります。もう一つ鬼神(下界の神々)に捧げられるもので、必ず地面に置かれています。街を歩いていても歩道上に一見無造作に置いてあるので戸惑いながら避けながら歩いています。
このように信仰心の高い島であるバリ島、その名は供物・供犠・いけにえを意味するサンスクリット語のwali、baliに由来するという説もあるようです。
3日間過ごしたウブドを後にして、バリ島最大の繁華街でインド洋に沈むサンセットが有名なクタへ向かいます。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ