永田町の階段
2012年08月09日 木曜日
2012年度保育所長専門講座に参加して来ました。会場は地下鉄永田町から徒歩1分の砂防会館でした。永田町出口4から地上に出る階段の道幅1m程度で、2人がすれ違うのがやっとという狭さです。その階段へ向かう通路には整然と並んだ≒30人の列ができていました。
保育園における人材育成、人材マネジメントについて考えていこうというテーマでした。物事を時間軸で発想(不易流行:松尾芭蕉の俳諧理念)、過去(培てきたもの) ⇒ 現在(進行形) ⇒ 未来(可能性)で分析していくことで、過去を継承し、未来を描いて、今を実践することです。未来はマネジメントとして開いていくこと、保育マネジメントとは未来の出来事を予測し、未来に適合することです。変えない方が良いこと、変えていった方が良いことを見つめることで今やることが見えてきます。
保育界も様々な規制改革が行われていますので、保育者不足時代における良き人材の確保と育成をデザインする研修体制の整備と推進が重要です。毎日のように行われている外部研修と内部研修を充実させることが、車の両輪となって職場を活性化していけます。園の経営理念と保育理念の明確化と、研修担当者を配置して全職員参加型で行うと自発的なモノになっていくのです。
園が求める人材像、行動指針の到達イメージを明確にしていくことでそれぞれのステージでの目標が明確になっていきます。職務として受講すべき研修と自己啓発行う研修を区分すること、研修テーマを話し合って計画することがやる気につながっていきます。
専門性と組織性、個人とチーム力の向上という中でもチームワークの良し悪しが園の総合力には不可欠です。保育界では長年にわたって保育の専門性を個人レベルで向上させていこうとしていましたが、その人の宝だけに留まってしまって職場全体のレベルアップに繋がりにくかったことは反省すべき点です。園で働いている保育者は組織人だという視点、他を受け入れない得意技を持った職人ではないという観点を醸成することが求められています。
成長(学習)曲線は職業人生や組織存続にも当てはまります。
時間の経過で見てみると、①模索期⇒習得事項の明確化(チィーチング) ②伸長期 ③高原期⇒啓発課題の明確化(コーチング) ④成熟期 ⑤限界期へと達していけます。
模索期の職員に対するティーチング:仕事の教え方4段階は、①習う準備をさせる(気楽にさせる、何の仕事をやるか説明する、その仕事に対する力量を確かめる、仕事を覚えたい気持ちにさせる) ②仕事の内容を説明する(主なステップを1つずつ伝えてやって見せてる、急所を強調する、ハッキリと根気よく能力以上の無理強いはしない) ③実際にやらせてみる(やらせてみて修正する、やらせながら説明させる、もう一度やらせながら急所を言わせる、分かるまで確かめる) ④教えた後を見る(仕事に就かせる、分からぬ時に聞く人を決めておく、たびたび調べる、質問するようにしむける、だんだん指導を減らしていく)
職員のやる気を引出しながらスキルアップシステムを構築していくことが常に求められています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ