育子園園庭のモデル
2012年08月21日 火曜日
読売新聞新聞朝刊に、教育ルネサンス保育新時代2「森の園庭 夢中で遊べる」という記事が掲載されていました。その園庭とは横浜市郊外にある「川和保育園」で、6年前に杉並区私立保育園連盟園長会で園を訪問したことがありました。その後、育子園の園庭も川和保育保育園をモデルとして改造を始めたのです。その後も数人の保育者が川和保育園を見学して、様々な園庭環境のアイディアを描くことができました。
川和保育園の寺田園長先生の理念を具現化した園庭デザインや設計施工を担っているのは、㈱アネビーで育子園にも遊び心一杯の提案をしてくれます。
川和保育園にある石垣の上にはログハウスがあります、子ども達は自らの力で石垣にへばりつきてっぺんを目指します。中には泣きながら登っている子ども、やっと登れて満面の笑みを浮かべる子ども、まさしく今を生きているという表情です。寺田園長先生は入園説明会で保護者に、「骨折までは許してほしい」と了解を求めています。現在の保護者の中には過干渉、過保護な人たちが増え、少しでも危険な遊具や場所を避ける傾向があります。世界の保育では「怪我は子どもの権利」と唱っているとおり、権利を奪うことは何人にもできないと考えることが寛容です。ただし、その子ども自身の発達を超えた危険な高さなどに登れないように遊具等を設定することが大前提です。
育子園にもクライミングウォールやダイビング台などチャレンジ意欲を掻き立てる遊具を設置してあります。大人の顔色をうかがうことなく、子ども自身がやりたいことを見つけ出し失敗を重ねてチャレンジする権利を保障しています。ただし、その権利を保障するための大切なルールがあります。それは、その子どもの力量で自らチャレンジするという約束で、大人や周りの子どもはけっして手伝わないことになっています。
青山学院大学の青木久子講師は、五感が優れた幼児は、自然に触れ体験して学習するのです。外遊びの場所が地域からなくなる一方で、保育園で過ごす時間は長くなっていて、自然環境と優れた遊具のある園庭について真剣に考える必要があると提言しています。育子園の園庭にはさらに樹木を植えて、ターザンロープで園庭から園舎まで戻れるダイナミックな遊具を設置する計画です。ほんの数十年前まで野山を駆け巡り、わくわくしながら大人が知ない秘密基地を作って遊んでいた大人達は、現在の子どもにもその楽しさをあじわってもらうしくみを造ることができるのです。
さらに、川和保育園の園庭には犬やヤギが共存しているのです、東京都と神奈川県の保育担当部門の考え方の違いを確認してみたいものです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ