宇宙飛行士は怒らない
2012年08月07日 火曜日
バリの人は世界一怒らない人々と言われています。周りとの協調を重んじているので、人前で感情をあらわにすることは人格的に未完成だと考えられているようです。
バリ島のタクシー初乗り運賃は約50円、今日乗ったブルーバートタクシーのドライバーシモンさんは、クタ市街に入って渋滞が激しくなって、ほとんど車列が動かなくなったので、何とメーターをストップしてくれました。この気持ちが嬉しくて、降車した際に、感謝の気持ちを込めてチップを多めに弾みました。
怒らない人に関連する興味深い話を聞きました。宇宙飛行士の候補者になる人材は優れた方々です。どういう点が優れているいでしょうか。宇宙飛行士としての技術や知識的なことはもちろん、体力、健康状態等いろいろな条件が揃った素晴らしい人が選ばれます。
しかし最終判断は、「感情的にならない人、自分の感情をコントロールできる人」であることが重要なのだそうです。技術的にも科学的に優れているという点では、宇宙飛行士の候補者は優秀な頭脳の点数では、大きな差が無い人材が世界各国には沢山いるのです。しかし、最終的に重視するのは、訓練の過程において、絶対に感情的にならない人物であるかどうかが、最終判定の基準になっているのです。
いわゆる、「瞬間湯沸かし器の様な人」は、それをどんなに自分の意思で抑(おさ)え込もうとしても、いざという時に我を忘れて必ず出てしまうのだそうです。ですから宇宙飛行士に選ばれた人は、イライラしたり、怒りたい気持ちを我慢して押し隠している人ではなく、もともと感情的にならない人、エモーショナルでない人材なのです。
周りの人からすれば、知識・技術面や健康面に申し分ない人が、選ばれない理由はそこにあるのです。地球とは全く異なる宇宙という環境下で様々なな実験をしたり、乗船員同士のチームワークや、万が一の事故や事件が起こったりした時に、冷静に対処するには、感情的にならない人、周りに気配りできる人、マイナス発想ではない人、淡々とできる人です。それは自分を含めた乗組員の生命と、将来の宇宙開発事態に大きな影響を及ぼす宇宙飛行士としての基準なのです。
子どもは生まれた時には、「怒る」という感情を持ち備えていないそうです。その後そのような言動を見たり聞いたりして子どもは「怒る」ということを学習するのですから、我々大人の責任は重大です。
バリ島の人々のような大きな心を備えることがきれば、自分も幸せ、周りの人も幸せな毎日を過ごすことができるのでしょう。そんな優しく、おおらかな人々が暮らすバリ島からマレー半島の南端の国、シンガポールへ向かいます。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ