【福島の保育園リポート】ヤッホーマウンテンからの眺め
2012年06月27日 水曜日
幼稚園だった園を昨年度から認定こども園に移行した学校法人立の大規模園です。認定こども園は全国に≒700園あり幼稚園、保育園の機能を持ち合わせた施設です。保育時間が異なり勤務体制や職員処遇も異なりますが、職員室はあえて一つにして双方の交流を意識した造りにしているそうです。文科省と厚労省の管轄下にあるので運営面も複雑ですから、現場の課題を反映した制度に改善されていくことを期待しています。
新園舎もさることながら、この園の目玉は何と言っても園庭に隣接している小高い丘、「ヤッホーマウンテン」です。雑木林だった丘を数十年かけて子ども達が散策できる小路を手作業で作り、園に居ながらにして森林浴ができる自然環境は滅多にありません。
我々も丘のちゅうふくまで登り、手作りのウッドデッキから近くを走り去る東北新幹線を見渡せる眺めは子どもにとっては楽しい場所に間違いありません。ところが福島原発事故後は、保護者の判断で緑豊かな丘で遊べない子どもがいるのが現状です。
福島県の3つの園を短時間でしたが見学し現場のお話を伺うことができたことは、同じ保育者としてこれから先の長い期間におよぶ放射能問題を、共に考えていかなければならない使命を再確認できた旅でした。
現地の現状と保育現場の課題を東京にも発信していくこと、そして全国の保育者が同じ気持ちで支え合える取り組みを長期間にわたって続けていく努力を惜しまないことだと思います。来年も同悲同苦の精神で東北地方のどこかの園へでかけたいと願っています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ