祖母が教えてくれたアフリカへの思い
2012年04月20日 金曜日
南スーダンで「衛生教育」に取り組むNGOスタッフ梅田直希さんのインタビューで印象に残ったのは、現在の彼女があるのは子どものころに体験した一つの出来事が基になっていることでした。
愛知県出身の梅田さん、祖母が支援していたアフリカの里子からの手紙や写真を傍らで見ていました。自分の近くに居る人のために尽くすことも大切なことですが、遠く離れたアフリカの大地で暮らしている会ったこともない子ども達に思いを寄せる祖母の心が、知らず知らずのうちに梅田さんの心に沁みわたりました。
日本の中だけに留まらず、他国・他地域の文化を肌で感じるためにイギリス・ロンドン大学留学中に内戦で家族を失ったスーダン反政府軍元少年兵と出合いました。その出会いが梅田さんを、「難民を助ける会」へと導いたのです。濁った川の水を平気で飲んで病に倒れる子ども達、スーダンの衛生教育を一から見直すために井戸を掘り、きれいな水の管理方法を伝授しています。
梅田さんの話を伺って、2005年に植林ボランティアで訪問したアフリカ・エチオピアの子ども達のことを思い出しました。最貧国のエチオピアは平均年齢≒42歳、教員給与≒1,500円、コーヒー1杯≒7円で暮らしてます。今でも忘れられないのは、現地通貨ブル・Birrの紙幣を不用意に財布入れバッグに入れておくと、バッグ中が何とも言えない臭さになったことです。
訪問したエチオピア北部のティグレ村では、市場に行くのに岩だらけの山道を5時間かけて歩いている親子の足元は裸足です。育子園の法人本部も参画している、「アフリカへ毛布を送る運動」で日本中の善意で集められた毛布を大切に使っていらっしゃる老人のお話を聞くと、一枚の毛布が標高2,000メートルに照りつける日差しを避ける日傘になり、極端に冷え込む夜間の家となるのです」。
地球上の知らない人々のため、未来の人々のためにできることを考え実践しているときは、不思議と小我・我欲へのとらわれが消滅した爽やかな気持ちになれるのは、元々人間が持ち合わせているプログラム、「他者が喜ぶと自分も嬉しくなる」という証なのでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ