保育園の相互交流
2012年04月18日 水曜日
最初に訪問したのは、杉並区松庵にある、学校法人アルウィン学園「野のはな空のとり保育園」です。区画整理された閑静な住宅街にある敷地に、保育専門学校、幼稚園、保育園が複合的に配置されています。保育専門学校は1学年60人で、現在は男子学生も大勢受け入れています。お邪魔した時は体育の授業時間でしたから、体育館で縄跳びの指導方法を学んでいました。
近年、各幼稚園・保育園ともに新卒の保育士・幼稚園教諭2級資格者の採用募集をしても応募者が集まらない状況が続いています。保育学校の先生に聞いたところ、すでに1年生の時点で就職先が仮内定している学生が多いのだそうです。その就職内定先は人材派遣系の株式会社が多いそうです。
従来の就職活動は、保育実習先の園や保育理念に賛同して就職先を学生自ら見つけていたのですが、今は大きく変化しているようです。新卒者の離職率が高くなっている理由の一つに前述の就職方法があるといわれています。派遣先は自分で選べませんから派遣された園が自分の理想とする保育と全く違っている等、夢を抱いて保育道に入ったにもかかわらずに短期間で挫折してしまうです。
園庭には築山風の芝生ゾーンがあって、ウッドデッキテラスの屋根には藤棚が設置されています。その奥には大きな桜の木が3本、江戸彼岸桜、しだれ桜、山桜と開花時期の違う種類の桜の木を植えて長期間に渡って桜の花を観賞できるようにしているそうです。あえて3種より開花時期が早いソメイヨシノを植えなかった理由は、新入園の子ども達が桜の花を楽しめるように、との配慮だそうです。
次に訪問したのは杉並区桃井にある、「聖心保育園」です。この地域は杉並区内でも特にきちんと区画整理がされ、東西南北におおむね6m道路が碁盤の目にようにきちんと整備されています。数人の大地主がいらっしゃる場所ですが、皆さんで地域のために話し合って道路整備をされたそうです。自欲にとらわれず利他のために尽していらっしゃるので大地主になられたのでしょう。
夕方に訪問しましたので保育室では、お帰り会が行われていました。保育者のピアノ伴奏が始まると子ども達が三々五々整列し、1~5歳児まで一緒に行っているのです。異年齢の関わりは大人が指示しなくても子ども達は自然と行っているようです。園庭にはチューリップの花が満開で、芝生の手入れも行われて子どもを大切にしている様子が感じられました。
このように杉並区は各保育園の連携が良好な地域で、今月20日にも区内公私立保育園園長が一堂に会して学習会を行って、子ども達が活き活きと過ごせる保育環境を提供していきます。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ