子どもを見守ると、職員も居心地がよくなる
2012年03月26日 月曜日
職員朝礼では毎日のようにとても心温まる話し合いが展開しています。
ある職員の話です。
平成23年度も残りわずか、今のクラス・グループで過ごす時間もあと少しになりました。担当していた子ども達も卒園や進級をしたりします。また、チーム保育(複数担当者で子どもを見守る)で一年間一緒に子ども達を見守った職員ともお別れです。職員同士が助け合い、得意なことや気付かなかった部分をフォローしあえる職場環境がとても楽しくて、有り難かったと思っています。
保育大学に通っていた友人達の話を聞くと、夢と希望を抱いて保育園に就職したのですが園によっては職場環境が整っていなくて入職してわずか1年で退職する人もいます。育子園では職員同士がそれぞれの得意分野を発揮できて、「子ども主体・子ども中心の見守る保育」ができるので本当に有り難いと思います。
働きやすい職場で子ども達と過ごせていること、そして命をいただいていることに感謝して過ごしています。
他の職員達も、自分が気がつかないとことを他の職員がフォローしてくれたり、日々の課題を気軽に話し合っていける雰囲気は大人もすごしやすい環境だと思います。
自分を生んでくれた親に感謝です。
自分の子どもから、「生んでくれて有難う」と言われる親になりたいです…。と語っていました。
このように、職員が働きやすいと皆の前で発表し合える職場環境は本当に有り難いと思います。「子ども主体・子ども中心の見守る保育」を実践して実感することは、子どもの存在を丸ごと信じ切って、その子どもの発達過程にあった保育を展開していると、みんな違ってみんな良いと思えるようになり、子どもを一色に染めないことがいかに大切なことかがわかってくるのでしょう。そして、大人と子どもが平等に存在すること(平等な人権)が自然に出来るようになってきます。
そこまで保育理念を実践してくると、次のステージが自然に現れてきます。今度は大人同士もお互いに、「見守れる」ようになっていくのです。この境地まで達すると職場人間関係は理想的な次元になります。そういう雰囲気になっていくると職員それぞれが自分の持ち味を自発的に発揮できるようになります。職員一人ひとりが安心して、周りから認められながら仕事ができるようになっていきます。
このように職員の自己肯定感が高まると、さらに「子どもの存在を丸ごと信じきる」保育が展開されるので、子どもが安心・安定して自分を素のままに表現でき、幼年期に最も大切な自己肯定感(自分は自分のままで良いのだ、自分の気持ちを受け止めてくれる人がいる)が深まり高まっていく、プラスのスパイラルになっていけるようです。
日本型保育(年齢別一斉保育)の保育園は職員同士が競い合うことが常態になりがちですが、子どもを見守り始めると、「学び合う、助け合う」職員関係になっていくようです。もしも職員間がそうなっていなければ、子どもを見守り子どもの気持ちを第一番に考えるよりも、上司の顔色を見て仕事をしている保育園と言えます。
「見守る保育」の主宰者、新宿せいが保育園の藤森園長先生も、保育学校に通っている学生さん等が夢と現実のギャップで夢をあきらめないように、大人主導ではない子ども主体の保育が日本にもあるということを知ってもらうために、「オープン保育」を提案しています。育子園も賛同し登録してあります、大人と子どもが共に居心地の良い保育園生活がそこには存在するのです。
世間には顧客満足度をあげるために従業員を叱咤激励し必死になっている企業が未だにありますが、その目的を達成するには従業員満足度をあげることが近道のようです。そうなれば、従業員は自発的に顧客満足度向上の取り組みを楽しんで行っていくようです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ