首都直下地震で最も危険なのは自動車
2012年03月13日 火曜日
3.11杉並公会堂で行われた、「3.11を忘れない 南相馬市復興支援事業」の基調講演、池田元警視総監の講演会後半です。
さて、1万1千人が死亡すると想定されている首都直下地震、とりわけ火災死亡者が6千人も含まれると想定されているように、江戸から平成の時代になっても首都最大のリスクは火災だということに変わりがありません。
最大震度7が想定されていますが、ここ杉並区は洪積台地で比較的強固な地盤とされています。ところが山手通りや環状七号線沿い木造住宅密集地域の火災被害は計り知れません。地震発生時は我々が何をすべきでしょうか。まずは自らの命を守ることです、自分が死んでは他者の救援もできません。とにかく頭を保護すること、脱出口を確保しすぐに外に飛び出さない、火を消す、電源コンセントを抜く、阪神淡路大震災でも停電後に通電された電化製品から火災発生が多発しました。
自ら身を守ることと同時に全体のことも考えていきたいものです。皆が車を使って避難したらどうなるのでしょうか、数百万台の車が同時に動き出すと全ての道は大渋滞に陥り、緊急車両が動けず急を要する消火活動や救援活動の最大の妨げになります。また、自動車はガソリンを積んでいますから本来は危険物扱いで、現代社会で最も危険なのは実は自動車なのです。自分のことだけ考えずに首都全体の一人として行動しましょう。
物理学者、俳人の寺田虎彦先生は、日本人はいくたの災害にあいその中から素晴らしい国民性人格者が養われたとおっしゃってます。3.11から1年間で警視庁は約20万人の職員を被災地に派遣しました。現地から帰って職場復帰した職員の目と顔は活き活きとしていて、被災地での体験によって警察の仕事の原点を見つめ直すことができたと力強く語ってくれます、と述べられて講演は終了しました。(文責:園長)
講演を伺って、人間の習性として大災害が起こった直後は、様々な対策をみんな一致団結して講じるのですが、月日の経過と共に危機感が薄れていき自ら築き上げた防災対策を無し崩ている過去からの教訓を学びました。今年の3.11は日曜日でしたから育子園では3.9に震災訓練を行いました。東京地方は雨模様でしたから、予定していた起震車体験は中止しましたが発電機駆動や備蓄非常食の缶入りパンを子ども達や保護者と試食しました。また、2:46に地震発生ベルと放送を館内に流し、子ども達と共に被災地に思いをはせ、黙とうを奉げました。来年の3.11は平日ですから当日に震災訓練を実施します。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ