花が飾ってある家に空き巣は入りづらい
2012年03月05日 月曜日
TBSラジオ・読売新聞で東京都杉並区内(育子園のある地域)の空き巣被害が激減した、と報道されていました。
地域住民がが区立公園や河川沿い、路地で草花の世話をする行動でで都市部の空き巣減少に効果があると分析されています。その効果が大きかったのが、『杉並区フラワー作戦』、今や国際的にも注目が集まっているそうです。昨年12月に韓国の報道局が取材に訪れ、今年はオーストラリアの州議会議員が遠路はるばる視察に訪れました。
この「杉並フラワー作戦」は、公園や緑道の花を地域の人が育てることが目的で始まりましたが、その副産物として不審者への「監視の目」が増えたのです。杉並区は花を植えたり、お世話をするボランティア「花咲かせ隊」に、2006年頃から地域の見回りも合わせて行うように要請てきました。区内空き巣件数は、2002年1,711件もありましたが、2011年には141件にまで減少しました。
インターネットで世界各国の防犯活動を検索していて活動を知ったというオーストラリアの元警察官の議員が、区内で活動しているボランティアから日々の活動状況を聞き、「オーストラリアでも犯罪撲滅に向けて、ぜひ参考にしたい」と大絶賛していました。この取り組みは海外だけではなく、全国の自治体から視察や問い合わせが相次ぎ、静岡や沖縄、福岡県などから約20自治体の担当者が視察に訪れ、今年も視察希望が寄せられています。
23区内でもワースト上位だった空き巣発生に危機感を抱いた区は2003年に自主防犯パトロール隊への支援策などを盛り込んだ「安全美化条例」を施行しました。警視庁OBによるパトロール隊も結成するなどした結果、被害は何とか1,000件にまで減りました。
区の調べによると、空き巣に入られた100軒への調査で歴然とした結果が出ました。それは玄関先や庭先に花を飾っている家の被害は2軒しか無かったという事実です。
そこで区は、「花咲かせ隊」を公募するなど以前から行っていた「フラワー作戦」を2006年以降、本格化させました。人通りの少ない路地裏の花壇や玄関先に草花を植えてもらうために年間600万円の予算を計上し、花の苗や種を地域住民に配布しました。
その結果、花咲かせ隊は現在109団体約800人の住民が登録するまでに成長しました。今では小学生などの手も借りて、区内で300か所の落書きを消す活動も進めています。
花は人々を和ませ、犯罪も激減させる効果があるのです。犬の散歩を学校の登校園時間に合わせて、地域で子ども達を見守る活動を行っているところもあるように、日常の中で自分ができることをすることが地域の活性化や生きがいにつながっていくのでしょう。
そのためにも花を育てる心の余裕を持てる生き方をしていきたいものです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ