「どうせ無理」を無くすと世の中は変わる
2012年03月16日 金曜日
アイスブレイクの後は、【育子園の実践】を促進するための研修教材として、『致知 2011年9月号』の特集・生気湧出「諦めなければ必ず道は拓ける」、東大阪市の一つの町工場が地域の中小企業を巻き込みながら、人工衛星「まいど1号」を開発したアオキの青木豊彦社長と、子ども達に諦めない大切さを伝えるためのロケット開発に挑んだチャレンジャー魂を学ぶ研修でした。
記事の中で植松さんは、
中学生のころNASAの実験用飛行機に心を奪われ進路相談で、「将来は飛行機やロケットの仕事がしたい」と胸を張って答えたら、先生から散々言われ続けました。「お前の成績で、しかもこんな北海道の田舎ではとても無理だ」と。
そんなことにへこたれなかった植松さんは三菱重工業の飛行機製造部門に就職しましたが、社員は飛行機に関心が無い人ばかりで言われたことしかやらない。「もういいや、自分で飛行機をつくろう」と帰郷し植松電機に就職しました。あるとき青年会議所仲間とボランティアで児童虐待を受けていた子ども達に会って、親から殺されそうな目に遭っていながらも、なお親と暮らす日を夢見ていると知ったとき、「どうして親は裏切ったのだろう」、そのとき思い出したのが自分自身の人生でした。「強制したり暴力をふるったりして、他人の可能性を奪おうとした人がたくさんいたな。」、そして、その背景にあったのが、『どうせ無理』という言葉だと気づいたのです。
この言葉が連鎖して、可能性を奪われた人が今度は他人の可能性をも奪ってしまう。そしてその方向は自分よりも優しく、弱い人に向かう。それが児童虐待の大本だろ。だったら、この世から、『どうせ無理』という言葉を無くそうと思ったのです。
この節を読んで、育子園に通ている子ども達を見ていると、子どもには、『どうせ無理』という発想は無いと再認識しました。子ども一人ひとりが自らの意志で生きることを保障するのが園の役割ですが、保育園や幼稚園に通っている全ての子ども達の、小さな胸の中はどんな、「気持ち」で日々過ごしているのでしょう。
大人の都合や大人主導で子どもに接していないでしょうか、単に長く生きているというだけで高圧的に接し、子どもの無限の可能性を、「摘み続けて」いないか、ユニセフ「子どもの権利条約」に掲げられた4つの柱を大人は決して忘れてはいけません。
「子どもの権利条約」-4つの柱
①生きる権利…子どもたちは健康に生まれ、安全な水や十分な栄養を得て、健やかに成長する権利を持っています。
②守られる権利…子どもたちは、あらゆる種類の差別や虐待、搾取から守られなければなりません。紛争下の子ども、障害をもつ子ども、少数民族の子どもなどは特別に守られる権利を持っています。
③育つ権利…子どもたちは教育を受ける権利を持っています。また、休んだり遊んだりすること、様々な情報を得、自分の考えや信じることが守られることも、自分らしく成長するためにとても重要です。
④参加する権利…子どもたちは、自分に関係のある事柄について自由に意見を表したり、集まってグループを作ったり、活動することができます。そのときには、家族や地域社会の一員としてルールを守って行動する義務があります。
何人であっても、この権利を侵害することはできません。ですから、子どもに対して強制的に○○をさせるということはありえない言動で、大人が手本を示せばよいだけのことです。大人自身も、他者から強制的に○○させられるのは嫌なことですから、嫌なことは他者にはしないでしょう。とりわけ子ども達はターゲットになりやすい存在です、そのことを肝に銘じて保育を展開しています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ