大人の所作振る舞いと子ども
2012年02月29日 水曜日
育子園の各クラスやグループの保育日誌には、日常の子ども達の様子が活き活きと表現されています。
ある日の保育日誌です。
【3~5歳児グループ】
『保育室で遊んでいて、「○」・「×」が変わるとすぐにそのことをみんなに伝えたり、走っている子に声をかけたり、私が掃除を始めると、「手伝いたい」といってくれる3歳児の○○さん、声のかけ方も私たちの声かけを良く聞いているなという声かけです。保育者の言動一つひとつが、子ども達に繋がっていくのだと改めて実感しました。』
保育所保育指針解説書のおおむね5歳の発達には、他人の役に立つことを嬉しく感じたりして、仲間の中の一人としての自覚が生まれる。大人に指示されなくとも一日の生活の流れを見通しながら次にとるべき行動が分かり、手洗い、食事、排泄、着替えなどを進んで行おうとします。また、共有物を大切にしたり、片付けをするなど、自分で生活の場を整え、その必要性を理解するようになります。
また、自分のことだけでなく、人の役にたつことが嬉しく誇らしく感じられ、進んで大人の手伝いをしたり、年下の子どもの世話をしたりするようになります。こうした中で相手の心や立場を気遣っていく感受性を持つようになります。と記されています。
保育室の様々な遊び(絵本、パズル、ゲーム、積木、塗り絵、折り紙など)の「○」・「×」を他の子どもに伝えたり、掃除を手伝う喜びを感じている3歳児はこの発達領域においては、おおむね5歳児の発達に近いのでしょう。声のかけ方、掃除の仕方などの立ち居振舞いが子どものモデルとなり、子どもに大きな影響を及ぼすことを自覚して保育を行っている様子が短い文章の中から十分に伝わってくる記録です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ