幼稚園の中にある保育園
2012年01月13日 金曜日
珍しい場所にある保育施設の見学に行ってきました。杉並区阿佐ヶ谷にある認可外保育施設「Kangaルーのへや」で、対象年齢は0歳児(生後57日~)から2歳児まで、定員は10人です。園名の由来はディズニーのプーさんに登場するカンガルーの親子、やさしいお母さんのカンガ、おしゃまな息子のルーです。
珍しい理由は、幼稚園園舎の中にあるという点です。東京都内ではここだけのようで、約3年前にオープンしました。事の起こりは認可保育園に勤務していた保育士3人が、自分達で子ども一人ひとりの個性を大切にする家庭的な保育をしたいと発起し、夢を実現を目指しました。当初は都内マンション等の1室で開園しようと模索しましたが、避難経路の不適合や実績もない3人に部屋を提供してくれるオーナーもいませんでした。
そんな折、縁あってJR中央線の阿佐ヶ谷駅からほど近い、世尊院幼稚園の園長先生が趣旨に賛同し幼稚園内の保育室を提供して開園する運びとなりました。保育時間は月曜から金曜日の8:30~18:00まで、給食も用意され月極と一時保育を行っています。保育室内の保育用備品(机、椅子、玩具等)のほとんどを世尊院幼稚園の園長先生が提供していらっしゃいます。
利用者にとっては幼稚園の中にある保育室ということで安心感があり、上の子どもを同幼稚園に通わせているご家庭もあります。
幼稚園の園庭も使用できますから、認可外保育施設としてはベストな保育環境といえます。3人の保育士は保育者であり同時に経営者でもあります。自ら始めた事業に対する思いを活き活きとした表情で我々に語り、子ども達を見守る姿勢もたいへん勉強になりました。事例のように保育現場からの自発的な柔軟な発想によって、幼稚園と保育園の壁を越えた融合や棲み分けが行われていくことが本来的な、幼稚園・保育園の将来像を描く最もスムーズかつ有効な方法の一つだと改めて考えさせられました。
世尊院幼稚園の園長先生には、昨年7月に育子園で行った見守る保育主宰の新宿せいが保育園藤森園長先生の研修会にご参加いただきました。柔軟かつ先見の明がある取り組みは見習うところが多く、今後とも交流を図っていきたいと思います。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ