佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

  • 佼成育子園 トップページへ
  • 佼成育子園 お問い合わせ
  • 報告書関係
  • 佼成育子園の理念
  • 佼成育子園のこだわり
  • 佼成育子園の給食
  • 佼成育子園から地域の皆様へ
  • 佼成育子園からのお知らせ
  • 佼成育子園について

佼成育子園前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ
バックナンバー
  • 2014年3月
  • 2014年2月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月
  • 2013年1月
  • 2012年12月
  • 2012年11月
  • 2012年10月
  • 2012年9月
  • 2012年8月
  • 2012年7月
  • 2012年6月
  • 2012年5月
  • 2012年4月
  • 2012年3月
  • 2012年2月
  • 2012年1月
  • 2011年12月
  • 2011年11月
  • 2011年10月
  • 2011年9月
  • 2011年8月
  • 2011年7月
  • 2011年6月
  • 2011年5月
  • 2011年4月
  • 2011年3月
  • 2011年2月
  • 2011年1月
  • 2010年12月
  • 2010年11月
  • 2010年10月
  • 2010年9月
  • 2010年8月
  • 2010年7月
  • 2010年6月
  • 2010年5月
  • 2010年4月
園のこだわり

3.11後、杉並の保育園現場では…

2012年01月31日 火曜日

resize34417杉並区保育課主催の、「被災地からみえるこれからの保育と保護者対応」研修の続編です。

 DVD放映の後、杉並区内認可保育園に勤務している保育者がグループに分かれて各保育園の現状と課題抽出を行いました。

 

○避難ルートの課題があります、行政から示されたルートは住宅街の狭小道路があり擁壁倒壊などで通行できないことも想定され、第二第三のルートの確認が必要です。

○耐震補強がなされていない園舎の場合は園外に避難もしくは近隣の公施設に避難することになっていますが、一刻も早く耐震補強を要望します。今年4月からその園舎は使用しないことになりました。

○3.11当日は卒園式後の謝恩会中だったので、在園していた4歳児以下40人が歩いて公民館に避難しました。道中では近隣の人たちが誘導してくださり安全確保を手伝ってくれました。本当に有難かったです。

○震災発生後は実際に避難ルートを大人が先遣し、確認してから子どもを誘導することが安全確保になると思います。また、保護者に避難ルートを伝えること、避難訓練を増やすこともよいのではないでしょうか。

○散歩時に地震発生の場合、園に戻るのか、避難所に直行するのか決めておくことが必要です。

○備蓄品が不十分だと思います、3.11にはコンビニで食料調達しましたが、売り切れた食品が多くあり、乳幼児用の確保に苦労しました。

○園内に行政の備蓄倉庫があるのですが、園は関与できないシステムのようなので改善してほしいです。

○3.11は午後4時に大型スーパーは閉店していました。園によって備蓄倉庫がある場所とない場所があります。確認しておくことが大切です。3日間の備蓄が必要ですから、行政で緊急に確保をしてください。

○日ごろの安全教育として防災DVDや紙芝居、かるたを杉並区でも制作するとよいのではないでしょうか。

○子どもを保護者以外の人(在園の他保護者、知人等)に引き渡すことがよいのか、3.11には降園途中で亡くなった方がいたので、責任問題になるのではないでしょうか。

○職員の勤務体制を決めておくことも大切です、早めに帰宅する人、最後まで保育を行う人など、職員の役割分担確認しておくと腰を据えて勤務に専念できると思います。

○職員は2泊3日泊るつもりで宿泊セットを用意しておくが必要だと思います。

○地域との連携が重要だと思います。近隣の企業や商店が手伝いを申し出てくれている保育園もあります。日ごろから情報交換をすることも大切です。町内会や商店会と日ごろから付き合っておくことが大切です。

○保護者との連絡方法に対する不備があります、保護者へのメール配信を小学校でやっているのに保育園ではなぜできないのでしょうか、ツイッター、固定電話の活用、情報伝達としてラジオしかないので園にテレビが欲しいです。なかにはメールアドレスを園に教えてくれない保護者がいます、信頼してもらっていなのでしょうか。

○保護者に対して、急いで保育園に迎えに来なくてもいいですよ、安心しても子どもを預かっていますよ、という手紙を配布しました。お迎えに来れない親の気持ちを察して、子ども達をその間どう守っていくか、安心してもらえるようにしていきたいと思います。

○勤務中に職員が携帯を持てないようになっているが、緊急時は必要だと思います。園にテレビが無いので3.11だけは携帯ワンセグで情報を収集しました。モラルを守っていけば良いのではないでしょうか。

○園長が変わると地域との連携に変化があります。避難場所の中学校との顔合わせができていなかったので、避難訓練で門まで行っても中に入れなかったことがありました。

○杉並区保育室は月16日勤務職員なので避難訓練が難しいです。親が迎えに来れないことを想定した対応が大切です。

○地域資源として、井戸水、会社や企業、一時避難場所、備蓄品の確認、地域の人材活用など早急に確認すべきです。

 

以上のような保育現場で子ども達や保護者に対応しているから提案できる諸課題が抽出されました。

 

遠い未来のことではなくなった首都直下地震。災害情報入手困難、帰宅困難者続出、火災、停電など想定されることが様々あります。保護者は子どもに一刻も早く会いたいと思いますが、まず保護者はお迎えを急がずに、自身の安全確保をしてから、周辺状況が落ち着いて保育園に迎えに来ることが大切です。子どものお迎えを急いだあまりに、お迎え途中に被災した保護者が3.11に多数いたのです。

 

東京都は提案しています。3日間をどうしのぐか、保育園で出来る最大限の対策はどのようなことか。地域防災、井戸水や危険物場所を把握しておくことも大切です。避難しながら保育を行うことも想定されますから、子ども達の気持ちの安定を促す配慮も重要です。

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

みみちゃんの贈り物

2012年01月30日 月曜日

P1040941育子園のうさぎ「みみちゃん」は老衰で亡くなりました。約10年間、毎日子ども達囲まれて餌をもらったり、撫でてもらったりしていました。そして、みみちゃんから、子ども達も大人も安らぎを沢山もらいました。

 

みみちゃんが亡くなったことを子ども達はどのように受け止めているのでしょうか。

 

【3~5歳児グループの日誌】

『みみちゃん死んだことについて子ども達と話し合いました。死んでしまって悲しい泣く子ども、涙をこらえる子ども、死を理解して何も言えなくなる子ども、それぞれでしたが、一人ひとりがそれぞれ感じているようでした。命は一つしかないから大切にしようと子ども自ら次々と話していました。そのことを気づかせてくれた、みみちゃんに感謝します。』

 

『みみちゃんが亡くなって、何をしたら喜んでもらえるか子ども達に聞くと、手紙を書いてあげる、お花をあげると答えました。ある子どもが手紙を一つ書き終えると、一つだけだと寂しいからもっとたくさん書いてあげるといいね、と子ども同士が話し合いながらいくつも書いていました。冷たくなったみみちゃんを触って、いままで有難う、と伝える子ども。身近に起きたみみちゃんの死、子ども一人ひとりがそれぞれに命の存在を感じているのです。』

 

【1歳児クラスの日誌】

『朝の集まりでみみちゃんの話をすると、「みみちゃん、おそらだよ。」と子どもが言いました。親子の関わりが子どもの言葉から観えてきました。』

 

命は大切だ、命について教えなければ、保育・教育現場で聞こえてきますが、大人が悟ったような顔と態度で唱えるより、身近な死を経験することで子どもは大人の想像をはるかに超えた領域で生と死をかみしめているのでしょう。大人はそれを受け止めてあげるだけで十分なのです。

 

年長女児がつぶやいた、「みみちゃんは天国に行ったのかなー、そしたらパパとママに会えるね」そんな感性を悲しいかな大人はどこかへ忘れてしまっているようです。育子園では子どもから学ぶことばかりです。

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

「どんぐり」を握りしめて

2012年01月27日 金曜日

resize34409保育士が毎日書いている保育日誌、子どもの素晴らしさなどリアルに表現されています。

 

【3~5歳児グループの日誌】

『仲良しの年長○君と年少◇君。園庭で◇君は○君からどんぐりを一つ貸してもらい嬉しそうに握りしめていました。保育室に戻ってくると○君が、「どんぐりを返して」と言うと◇君が激しく泣き始めました。○君も多少困り気味で私に助けを求めてきました。

◇君はどんぐりを返すのが嫌がったままです、○君は◇君の「こだわり」を4月から何回も観ていて、そうなってしまうことを理解しています。泣いている姿も愛らしく思えたようで、どんぐりを返してほしいという自分の気持ちは、はっきりと伝えながらも、にっこりと笑顔をみせて、優しい対応をしていました。○君の対応を見て私も穏やかな気持ちで関わることができました。子どもに感謝です。』

 

園庭のシラカシやコナラの木、沢山のどんぐりを実らせます。子どもは競ってどんぐりを拾い集めて喜び、満足しています。そんな大切などんぐりを年下の子どもに貸してあげることができた○君の発達が感じられるやり取りです。

 ◇君は年上の仲良しから貸してもらえたのでとても喜んでいたのですが、本人はもらったつもりだったのかも知れません。ここでのポイントは保育者に助けを求めてきた○君の要望を保育者の力では行わなかったという点です。大人が子ども同士の問題をあえて解決してあげなかったことで、子ども同士の展開があったのです。

 

その後の貸し借りの展開で○君は自分の気持ちは相手に伝えつつも、相手の気持ちも受け止めて、相手の様子を観察しつつ対応を変えていいます。

他者理解を○君なりにして、自分の感情を抑えながらのやり取りは頼もしく思えます。それを見守っている保育者、○君の対応を見て自分の心も平穏でいられ、感謝しているのです。その後、どんぐりがどうなったかが問題ではありません、その時の○君と◇君の心、気持ちを保育者は観ていたのです。

 

問題解決型の保育だと、どんな展開になっていたでしょうか。保育者は◇君に対して約束したとおり返すように促し、○君には1つぐらいあげればいいのにと双方を変えようと指示して、大人主導で表面上どんぐり問題は短時間で終わったかのようにみえます。しかし表面上の対応に追われていると、次も同じ様な課題が発生し続け、子どもと保育者の気持ちは穏やかではいられないのでしょう。

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

首都直下地震の減災をめざして

2012年01月26日 木曜日

NHKクローズアップ現代で、3.11釜石の軌跡を放送していました。釜石小学校生徒は必然的に一人の犠牲者もいなかったというドキュメンタリーです。2:46は学校が終わって下校が終了した時間帯でした。子ども達は自宅や公園などで過ごしていました。

 

大地震が発生すると、机の下や布団をかぶって身の安全を確保し、津波が来ると予測して下の子を連れて逃げたり、祖父母を誘導して高台へ逃げました。他にも学校で習った50cmの津波でも人間は流されるという話を思い出し、家の前を流れ出した海水の中に入らずに、ビルの屋上へ急ぎました。公園で遊んでいた子ども達も自らの判断で高台へと急ぐのですが義足の子が遅れ始めました、すると同級生がおんぶして逃げてくれたのです。

「津波てんでんこ」を学び、主体的に実践した勇気ある子ども達、自分の命は自分で守る体験を次の世代へ語り部として伝えたいと語っていました。

 

首都直下地震に備えて東京都は各企業に対して、「むやみに移動を開始しないこと、翌日帰宅・時差帰宅の周知・徹底・促進」を要請し、さらに企業に対して備蓄品を整備の新条例準備を進めています。3.11の首都圏で当日帰宅できなかった人は515万人、そのうち都内が352万人にも達しました。職場待機や帰宅ルールが無いままに家路を急いだ群衆で、各ターミナルには人が溢れかえり身動きできない悲惨な状況に陥りました。

 

内閣府の資料によると、東京湾北部を震源とするM7以上の首都直下地震による帰宅困難者は、平日12時発生で665万人を見込んでいますが、都内の一時待機施設は9.4万人にとどまっています。

 

都が制定を目指す条例は、都心の交通機関がマヒするような大災害が発生した場合に、ライフライン(生活物資補給路)が復旧するまでに3日程度かかると見込んでいます。その間、従業員を帰宅させず、企業内備蓄の食料や水でしのぐこと、罰則はありませんが「努力義務を課す」ことになりそうです。

 

各企業でこのような対策が行われ従業員が企業内に待機することになれば、幼稚園、保育園、学校などは3日程度は乳幼児童が施設内で生活できる体制を整えなければなりません。特に幼い子ども達が生活する保育園の非常時保育体制を怠りなく整備することは喫緊の課題です。

 

報道によると、首都圏で4年以内に70%の確率でM7以上の大地震が発生すると修正されました。30年の内に発生と予測されていた大地震が4年以内にとなると、さらなる防災・減災を推進せざるをえません。保育園では「何よりも大切な子どものいのちを守る」ことが大命題ですから、都道府県と基礎自治体が基本整備を十分に行い、その上で各保育園独自で上乗せ充実整備を行うことが求められます。杉並区内保育園における対応・整備についても整備実施を急いで行うように私立保育園園長会でも活動しています。

 

★2011.7.1現在、育子園独自の災害対応:http://www.kosei-ikujien.jp/2011/08/news/10099.html

 

resize1500

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

新システムに対する保育現場の疑問

2012年01月25日 水曜日

東京都民間保育園協会主催の、「保育をめぐる国の動向と課題」研修が中野ZEROホールで行われました。講師は厚生労働省 雇用均等児童家庭局 保育課幼保連携室長、その続編です。

 

参加保育園からの質問は、

①【質問】現行の保育園が総合施設こども園に移行した場合、実務で何が変更されるのですか。

【回答】保育教諭(保育士資格と幼稚園教諭を取得)を配置しなくてはいけなっくなりま。保護者との直接契約事務作業が増えるので事務員の増強が想定されます。

 

②【質問】総合施設こども園の中で、4時間程度の子どもと長時間の子どもが混在するのですか。

【回答】施設の判断で4時間の子どもを受け入れない施設も存在することになります。

 

③【質問】新システムで少子化を抑制できる確証はあるのでしょうか、子どもをたくさん産んで安心して保育施設に預けられるシステムでないような印象を受けるます。

【回答】保育に欠けない子どもも施設を利用できるようになり、市区町村の待機児童解消義務も課すので、少子化を食い止めたいと考えています。

 

④【質問】株式会社等の参入要件の中に、本業への繰り入れや配当に関して法的規制は行わないとなっていること担っていますが疑問です。保育士の処遇改善をお願いします。

【回答】配当には一定の上限を課すことを考えています。

 

⑤【質問】子どもの幸せを考えると、親の長時間労働を無くし、子育てに専念できる社会を創生することが世界的潮流で、短時間勤務の国は少子化が止まっているがどのように考えているのですか。

【回答】新システムを成功させて、次の段階で検討したいと考えています。

 

(文責:園長)

 

新システム案では株式会社参入の場合、保育事業の黒字を株式配当や本部事業に繰り入れできる上限が示されていません。このことはこのイコールフィッティティングの見地から矛盾しますから、新システムの動向を保育関係や保護者とも注視していく必要があります。

 

resize34405

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

新システムには1兆円必要

2012年01月24日 火曜日

東京都民間保育園協会主催の、「保育をめぐる国の動向と課題」研修が中野ZEROホールで行われました。講師は厚生労働省 雇用均等児童家庭局 保育課幼保連携室長、その続編です。

 

こども園(総合施設、幼稚園、認可保育所、認可保育園基準を満たしている施設)は、保育の質の確保のための客観的基準を満たすことを要件として、認可外施設の参入を認め、株式会社、NPO法人等の法人格を有する運営母体としますが、撤退規制を強化し一時期儲けて逃げることを規制していきます。情報開示の義務化を課し、数年ごとに指定を更新、需給バランスを調整しつつ運用していきます。ただし、現行の幼稚園、保育園の認可を有している施設は、こども園の指定があったものとします。

 

株式会社が参入する場合には、現行の職員配置基準や面積基準を的確に順守することが求め、違反した場合にはペナルティを課され、保育の情報開示を周知徹底していきます。運営指導監督は都道府県・市区町村のいずれかが行うことになります。

 

保育料の負担額については、現行水準を基本とする所得に応じた応能負担としますが法律成立後に具体的になります3歳児未満の待機児童解消策として、小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育を拡充していきます。

 

子どものための現金給付に関する法律(検討中)、母子保健法(厚労省)、総合施設法(内閣府が児童福祉法体系‐厚労省・学校教育法体系‐文科省を統括)を推進するために、内閣府に厚労省と文科省から人事異動させ、内閣府特命担当大臣(子ども・子育て)を必置し、将来的に省庁再編の際にやっと、「子ども家庭省」へ移行することを想定しています。

 

現在、国が幼稚園・保育園に支払っている予算は約2兆円、新システム所要に1兆円追加が不可欠です。合計3.1兆円の予算を確保するために消費増税が必要不可欠です。 (文責:園長)

 

ある経済学者の試算によると、消費税率が上がった分の税収増は見込めず新システムは導入されても運用できなくなり、さらなる増税を余儀なくされる可能性もあるようです。

 

P1040895

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

子ども・子育て新システムを注視

2012年01月23日 月曜日

P1040882東京都民間保育園協会主催の、「保育をめぐる国の動向と課題」研修が中野ZEROホールで行われました。講師は厚生労働省 雇用均等児童家庭局 保育課幼保連携室長でした。

 

国の保育対策関係予算は、平成23年度に対して24年は、+270億円、5万人の保育園定員増加、家庭的保育ママ事業1万人増を想定しています。保育園におけるアレルギー対応ガイドラインについては、保育園におけるアレルギー疾患の実態、アレルギー失格各論、食物アレルギーの対応、エピペンの周知徹底が図られました。

 

今国会で審議予定の、「子ども・子育て新システム」の子ども指針ワーキングチームには、「見守る保育」主宰者の新宿せいが保育園藤森園長先生も参画しています。中間とりまとめのポイントは、保護者費用負担等のとりまとめを行い、消費増税とセットで進められる法案です。

 

消費増税の7,000億円を、子どもと子育て家庭を社会全体で支えるシステムに利用し、新たな一元化システムを構築する、市区町村が実施主体(子どもや家庭状況に応じた給付保障、地域ニーズに即した保育施策立案実施)、社会全体が費用負担、政府の推進体制・財源の一元化(将来的に子ども家庭省の創設など)、子ども・子育て会議の設置(地域のさまざまな団体、個人が子育て支援策に参画)を提案しています。

 

各市区町村の待機児童が50人以上になると、厚生労働省に解消案を提出することになっていて、東京23区はほとんど該当しています。新システムでは、市区町村の関与の下、利用者が自ら保育園を選択し、利用者と保育園が公的契約を行い(現在は市区町村と利用者との契約)、利用者が保育園に保育料納付(法的代理受領)します。待機児童が発生している地域は、市区町村が把握し解消に努めるとされています。

 

新システムになると児童福祉法が改正され、虐待事例など特別支援が必要な子どもに対する市区町村の保育措置、市区町村の保育責務を明確にしつつ、保育を必要とする子どもに対して、必要な保育を確保するための措置を講ずる市区町村の責務として行ないます。(文責:園長) 

 

このように国から提案によると、地域における学校教育・保育の計画整備、多様な保育事業の量的拡大、給付の一体化及び強化、施設の一体化(総合施設)を提案しています。現行の認定こども園は、幼稚園・保育園・認定こども園の認可が必要(縦割り行政のため)でしたが、総合施設では1つの認可だけになります。総合施設内には保育を必要とする0~6歳児の子ども(社会福祉)と、保育を必要としない満3歳以上の学校教育を受ける子どもが同居・混在することになります。

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

子どもは怒られても変わらない

2012年01月20日 金曜日

杉並区私立園長会・保育士会協賛で、『いい保育をつくる大人同士の関係 ~大人同士の共同を困難にしているものはなにか~』をテーマに、横浜市立大学教授の講演会が行われました。

 

家庭の中で大人が子どもに対して要求・要望事項を繰り返していると、子どもはそこから早く逃げ出したいと思うようになります。子どもが家に帰ってこないのは大人に問題があることが多いのです。親子が人権上対等な立場で、気を使わずに一緒に居られる家庭を取り戻したいものです。

 

東京多摩地域では父親の45%が午後9時頃に帰宅、子どもを預けてリフレッシュする時間がない母親が62%もいます。弱者優先原則を子育て中の親に当てはめると、育児に追われ一人の人間として扱われていないのではないでしょうか。職場では子育て中のハンディがありながら他者と同様に業務を任される、保育園でもお願いごとをされる、そのうえ家事などが覆いかぶさってくるのです。忙しい朝にいい加減な朝食の家庭がよくない家庭とは言えません、食事をさせているかいないかで判断するのではなく、どのような家族のかかわりがあるのかを考えることが大切です。

 

東京多摩地域では、ママ友の数2~4人が32%、5~10人が48%、情報収集の場、評判の良い病院や、一人目の子育ての悩みを多数子育て者に相談できるなどの貴重な情報源になっています。忙しい朝にいい加減な朝食の家庭がよくない家庭とは言えない、食事をさせているかいないかで判断するのではなく、どのような家族のかかわりになっているかが大切なのです。(文責:園長)

 

講師さんのお話を伺って、生まれてきたばかりの赤ちゃんは、怒るとか怒鳴るということを知りません。その後、周りにいる大人が怒ったりわめいたりする姿を見て覚えてしまうのです。また、怒るという言動は自分の感情をコントロールできない状態ですから、きわめて幼児性の高い言動ということになります。見た目は大人かもしれませんが、内面は幼児レベルといえますから、怒ったり怒鳴っている人を見る時は、幼児だなと思って見ていればいいのです。という一節を思いだしました。

 

子どもは怒っている大人の言葉の内容は理解できないことが多く、早くこの状態から逃れたいとか終わらせたいと思っているのでしょう。大人が子どもに対して感情的になって言い聞かせようとしてもほとんど効果が無いようです。大人同士のコミュニケーションを評価したメラビアンの法則でも、言語による伝達は7%に過ぎないのですから、子どもにとってはもっと低い%になることは明白です。

 

resize1501

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

自国肯定感へ

2012年01月19日 木曜日

杉並区私立園長会・保育士会協賛で、『いい保育をつくる大人同士の関係 ~大人同士の共同を困難にしているものはなにか~』をテーマに、横浜市立大学教授の講演会が行われました。

 

保育園という職場での保育者同士の関係はどうなっているでしょうか。公立保育園の50%は非常勤職員、派遣登録して保育園で働いている保育者が多くなっているので、同じ保育園で働く保育者のつながりが希薄になっていて、保育者同士が安心して一緒に居られない園の増加も課題です。

 

社会が発達すると人間は忙しくなり長時間労働が拍車をかけ、大人のゆとりなさが子どもに悪影響を及ぼしています。住宅ローン、教育費を払い、自動車を持つ普通の家庭に見えるのですが実はギリギリ生活、全国で25%の家庭がその状態です。就学援助家庭は足立区で50%、大阪府は30%を超えています。

 

小学校で英語がとりいれられてから、3歳から英語を習わせたい親が急増していますが、6歳まで覚えた英語が効果的だという証拠はないと分析されています。

子育ての中に競争が激化し、社会に出てからも優秀な人材を優遇する風土が拡がっているの大問題です。各職場で是非考えて頂きたいのは、その人(従業員)の業務能力が低いことを責める時間があるなら、一緒になって課題を考えていける職場環境にしていきましょう。(文責:園長)

 

お話を伺って、いったい日本は何を追い求めてあくせくしているのか、その先のゴールは何なのかを根本的に考え直さなければいけないと思いました。まず育子園の全従業員が居心地の良いと思える職場、全員が優先される職場であることが、園で生活する子どもが安心して過ごせ、自己肯定感を育む場所になるのです。自己肯定感が基礎となって、自家庭肯定感が生まれやがて自国肯定感(造語ですが)へと繋がり、他者や他国を尊重できる人になっていくのでしょう。

 

resize1502

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

見守る保育の仲間

2012年01月18日 水曜日

resize1503埼玉県、東京都の「見守る保育」会員保育園の準備会議を育子園で開きました。

 

全国300園の見守る保育会員園では、全国単位の学習会の他に、各地域単位で子ども主体・子ども中心の保育実践学習会を行っています。首都圏では埼玉県、神奈川県、栃木県など県単位で活動が行われていますが、東京都は本家-新宿せいが保育園があるということもあって、活動は行っていませんでした。

 

都内にも20園以上の会員園がありますので2012年から活動を開始しようということになり、第1回目の見学会と会議が開かれたのです。9保育園から理事長、園長、副園長、保育主任などが参集して子どもが居心地の良い保育環境について学び合いました。見学をした先生方の育子園の印象は、大人も子どももゆったり過ごしている。職員が楽しそうに自分の得意なことや好きなことを保育に活かしている。子どもが遊びを選択している。子どもが次の行動に自ら判断して自然に行われている。など、無理のない「良い加減」の保育環境だと感じられたようです。

 

職員の所作振る舞いがゆったりしていることは子どもにとって何より大切なことです。大人がゆったりしていれば子どもは自然とゆったりした気分で安心して過ごせ、自ら環境にはたらきかけて発達していけるのです。

また、ハード的にも国が定めた基準以上の広い園舎と園庭は特筆で、今後の園庭改造計画が楽しみだとおっしゃっていました。育子園では2年前から0歳児保育を始めましたが、子どもの発達過程から考えると0、1歳児は発達に応じて一緒に過ごすことが効果的です。今のところは別々の活動や生活になっていますのでやっと2012年度から0、1歳児枠で子どもにとって過ごしやすい環境設定を行おうと考えています。

 

9:30~16:30まで活発な学び合いができ、次回6月には世田谷方面の保育園で学ぶことになりました。「井の中の蛙 保育園」にならないためには、様々な保育園・幼稚園と交流して保育力の向上をはかっていくことが効果的です。

 

【ちょっとリラックスタイム】海外から「ゆったり・のびのび」しているメールが届きました。東マレーシアのリゾートへダイビングに出かけている職員からのメールでした。コバンザメと一緒に泳いているそうで、添付された南国の南シナ海・スールー海方面の綺麗な海の写真を見ていると、真冬の日本から抜け出したくなります。

resize1504

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

Pages: 1 2 Next
  • 報告書関係
  • 佼成育子園 お問い合わせ
  • 佼成育子園 トップページへ
このページの一番上へ
立正佼成会附属 佼成育子園
〒166-0012 東京都杉並区和田1丁目16番7号 TEL:03-3381-0398 グリーンFAX:050-3737-1849
http://www.kosei-ikujien.jp/ E-mail ikujien@iris.ocn.ne.jp
Copyright (c) Kosei ikujien. All Rights Reserved.