保育園はあいまいさが不可欠
2011年11月29日 火曜日
今月は入園希望者や保育園関係者の見学もあり、たくさんの方々が園にいらっしゃいました。先日も、埼玉県で「見守る保育」を行っている保育園から、見学にいらっしゃいました。複数の認可保育園と認可外保育園を多角的に経営している法人で、約200人の職員で構成され、「見守る保育」発達経過ソフトやコンサルタントも導入されて保育の質の向上に積極的に取り組んでいらっしゃいます。
各保育室の見学に際しては、そこに居た職員に環境設定の特徴を説明してもらいました。前もって指名してありませんので、その場での対応力が必要になりますが、どの職員も自信を持って楽しそうに特徴を語ってくれます。
見学を終えての質問では、午前中に園庭で遊んでいた子ども達が自然に園舎に入ってきて給食が始まったが、職員が合図や指示を行っているのですか、という問いがありました。育子園では給食当番の子どもの準備が整うと、ハンドベルを鳴らして皆にお知らせします。園庭に子ども達が居るときは、ベランダに出て聞こえるように鳴らしています。子ども達はその音を聞いて判断しています。
お腹が空いた子は直ぐに保育室に戻ってくる来ますが、遊びに集中している子どもはキリがついてから入ってきます。
職員も急かしたりはしません、最後の一人が園舎に入るまで、ゆったりと見守っているのです。我々大人も仕事に集中している時にイキナリ仕事を止めて食事と言われても困るように、子どもも同じ思いでしょうから緩やかな時間は必要です。このような、「あいまいな時間」は給食の時間に限らず、園の生活全般や家庭においても必要不可欠なことです。
複数園を運営していると、法人の保育理念の共有が難しくなってきます。同じ園に居ても時差出勤やそれぞれの保育室での業務によって、全職員が一堂に会することは滅多にありません。育子園では保育理念を共有するツールとして、保育者同士が交代して自分の担当以外のグループやクラス、保育室で保育をする取り組みや、ホームページのブログ、理念設計図や理念ハンドブックを作成して学びあいを重ねています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ