東京ディズニーリゾートの「ひじきご飯」
2011年11月10日 木曜日
東京都社会福祉協議会の研修会に参加してきました。テーマは3.11に学ぶ危機管理のについてでした。講師は、今年3月末まで東京都総合防災部情報統括担当課長を務められたエキスパートでした。
冒頭、3.11の東京ディズニーリゾートの様子が放映されました。従業員の90%がアルバイトにもかかわらず、7万人の来園者をいかに安心させたか、ショップで販売品として陳列されていたぬいぐるみを来園者に渡して、防災ずきん代わりに渡したり、ショップのお土産袋を提供して寒さをしのいでもらったり、ショップのお菓子を配ったりとマニュアルには無い対応をした記録映像でした。
とにかく来園者の最善の安全・利益を最優先に全従業員が働くという理念の下、キャスト一人ひとりが考えて行動できる力です。特に11日の夜間に提供された、「温かいひじきご飯」に来園者は感動しました。施設内には5万人の来園者が4日間過ごせるだけの備蓄食料を備蓄し、ひじきご飯はお湯を注ぐと食せるタイプの食材でした。TDLでは地震発生後30分後に対策本部が立ち上げ、それまでの間はキャストが理念の下、自己判断で素晴らしい行動をしていたのです。それが最高のサービスを提供するディズニーリゾートたる由縁でしょう。
各事業所も早く事業継続計画(BCP)を策定し、優先順位をつけ短期間で事業再開できるよう取り組むことを提案されています。3.11をうけて改めて問われているのは事業側の、「自助(利用者、従業員の生命は事業者が守る)」と「共助(地域の一員として地域を守る。事業継続のためのサプライチェーンを守る)」を第一義に策定することです。防災対策から「減災対策」という発想で被害を最小限に食い止めることも重要です。
「助け上手と助けられ上手」な事業所になりましょうとも提言されました。東京都で大災害が発生すると、環状7号線以内には車両が進入できなくなり、ボランティアの活動開始は4日目以降になるでしょう。育子園でも2泊3日は子ども達が寝泊まりできるように対策を講じました。来年の3.11前後には発電機などを駆動させて訓練をおこないます。また、地域住民の一時受け入れも視野に入れておくことも地域に根ざした保育園として必要なことだと思いました。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ