子ども預かり所
2011年11月30日 水曜日
国が導入しようとしている幼保一体給付制度は、年齢に応じて給付基準額が異なり、行政が保育の必要性を認定します。また、公的保育契約が導入され各園は応諾義務が発生します。また、今以上に保育業界へ株式会社やNPO等の多様な主体の参入を促進しようとしていますが、経営難を理由に23区内でもいきなり閉園したことがありました。
さらには保育事業で得た黒字分を他の事業に流用できるなどの危うさもあり、ここは注意していかなくてはなりません。待機児童が100人以上の市区町村の保育室面積最低基準を引き下げ、子どもにとっての環境が悪化していることも見逃せません。
新システム案のポイントは、保育の必要性の認定、利用者と事業者間の公的保育契約制度導入、使用者補助が応能負担から応分負担にしようとしている点です。その世帯の所得による保育料の金額決定ではなく、保育時間で保育料を決める制度は社会福祉事業との整合性に課題があります。
たとえば、保護者の就労形態等により子どもの保育時間がバラバラになりますから、保育者の配置も大きな課題になります。子どもの連続性発達も保障されないシステムでは、子どもを仲立ちにした保護者と保育者との信頼関係の構築ができるのか大きな疑問が生じます。
このように新システム案は保育園等が子どもを預かるだけの施設になってしまい、保護者と保育者が共に子育ての話をしたり、悩みを解決する等のコミュニケーションが希薄になくなってしまうことも予想されます。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ