クラス対抗リレーは協同的遊び
2011年10月20日 木曜日
年長児にとっては育子園最後の運動会です。最終種目の年長クラス対抗リレーは毎年涙と笑顔のリレーになりますが、保育日誌に職員がこんな記録を書き留めていました。
『リレーのアンカーを決めるのに、「アンカーはどんな人がいいか」を子ども達と話し合いました。その結果、「速くて、あきらめない子がいい」と決まり、アンカーを決めました。その日のリレー練習でアンカーになった子がレースで負けて泣いている子のそばに行き、「一緒に部屋に帰ろう!」と声をかけ、泣いている子をねぎらっていました。それ以外の言葉は交わさなかったが、その一言で気持ちが通じあったようで二人で寄り添っていました。』
『園庭では年長がリレーの練習をしました。回を増すごとに、速く走れるようになってきて、「勝ちたい」という気持ちが強くなってきているようです。そんな姿を年中、年少児も観て運動会への関心が高まってきてグループのチームワークも良くなっています。子ども達の意欲を大切にしながら、見守っていきます。』
保育園の保育・運営について国が示している、『保育所保育指針』の第二章 子どもの発達には、
【おおむね6歳の発達】
全身運動が滑らかで巧みになり、快活に跳び回るようになる。これまでの体験から、自信や、予想や見通しを立てる力が育ち、心身ともに力があふれ、意欲が旺盛になる。仲間の意思を大切にしようとし、役割の分担が生まれるような協同遊びやごっこ遊びを行い、満足するまで取り組もうとする。様々な知識や経験を生かし、創意工夫を重ね、遊びを発展させる。
思考力や認識力も高まり、自然事象や社会事象、文字などへの興味や関心も深まっていく。身近な大人に甘え、気持ちを休めることもあるが、様々な経験を通して自立心が一層高まっていく。
と、記されています。まさに、運動会などの活動によっておおむね年長6歳児は、運動能力が巧みになると共に子ども同士で何かを達成しようという意識が高くなります。 特にリレー競走は、チームの中の一員という意識とみんなで一つの目標に向かってバトンをリレーして、もっと早く走りたい、勝ちたいという満足を求めるる協同遊びの典型です。
リレーチームが勝った喜びと負けて涙する悔しさは、個人競技の勝敗では味わえない仲間と一体感を子ども達はすでに味わっているのです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ