より良き保育環境実現のために
2011年10月13日 木曜日
杉並区役所の区長室に一年ぶりに行ってきました。年に一度、区長に杉並区私立保育園連盟として、「杉並区の保育関係予算および保育行政に関する要望書」を提出するために、区長との面談の場を設けています。
今回の要望ポイントは、
【延長保育関連予算の充実を要望】
延長保育の補助基準を見直し、実態に応じた年令別加算等の補助を行ってください。延長保育は委託を含む11園が実施 し、特に2、3時間延長においては民間保育園で担っています。食事の提供は1時間延長の補食と2、3時間延長の夕食とに分かれて対応しています。
特に乳児(0歳児)には人手が必要となりますが、運営の都合上0~5歳児合同保育を余儀なくされていますので、職員増員にかかる予算措置を是非検討してください。
【保育所面積の現行基準を維持・引き上げを要望】
厚生労働省が保育所面積基準の緩和を特例として認めましたが、杉並区私立保育園連盟としては容認できません。これは狭い保育室に子どもが詰め込まれ、保育士の増員も保障されておらず、劣悪な保育環境になる恐れがあります。杉並区は現行基準を維持し、将来に向けて現行基準の更なる引き上げを要望いたします。
【保育に関する安全・安心プラン(保育施設整備計画)の実現を要望】
「保育に関する安全・安心プラン」の施策によって、待機児が大幅に減少しましたが、他区からの転入や経済情勢も考えると保育需要まだまだ見込まれます。今後は0~2歳児施設からのスムーズな移行(転園)と様々な保育サービスの提供が求められます。国の保育制度改革も進められていますが、「すべての子どもと大人でつくる新しい杉並」が実現できるように公的保育の維持・拡充をお願いします。
【今後新設する認可保育園(分園も含む)は園庭のある保育園を設置する事を要望】
園庭は青空教室であり、第二の保育室でもあります。事実、園庭の使用は保育園では、天候不順の日以外は、多くの時間を過ごす重要な場所です。日常的に、子どもが生き生きと遊び込める園庭を確保してください。
現に園庭のない保育園については、屋上施設整備の充実及び近隣公園に出かけるルートの歩道整備等の安全対策を行ってください。
【乳児園から幼児園へのスムーズな転園の実現を要望】
保護者にとって子どもを安心して預けられる場の確保は大きな問題です。乳児園から幼児園に転園を保障する仕組みを実現してください。(卒園時期に第2子を出産して育児休暇を取得した場合も同様です。)
さらに今年は、3.11震災を踏まえて災害県連に関する要望もしました。
【災害対策の抜本的な見直しを要望】
区としての放射能対策の指針を明確にして、現在行われている放射線量検査の拡充をしてください。また、放射線量の高い場所については、除染をしてください。子どもたちが安心して過ごす為にも、全園月1回の園庭計測及び公園等も実施して下さい。
給食食材の産地公表を行っていますが、全ての食材・産地において放射線量の検査が行われていない為、牛肉の汚染にも見られるように後に汚染が判明する結果となり保護者の不安は増大しています。杉並区において予算化をして今後、食材検査を公立保育園・小・中学校で実施する準備を進めている事を新聞等の報道がされましたが、全ての乳幼児施設を対象に実施して、安全な食材が確保されるようお願いいたします。
災害時の緊急連絡体制及び防災設備の見直しを至急整備して下さい。ITを活用した行政と各施設及び保護者との緊急連絡体制を至急整備して下さい。東京都の災害対策に対応した杉並区の災害態勢の整備(備蓄品等)を要望します。
【耐震補強整備の予算確保を要望】
私立保育園にはまだ耐震補強が必要と予想される施設が残っています。耐震を調査する耐震診断にも費用がかかります。子どもたちが安心して過ごせる場所を確保する為にも耐震補強整備に係る予算の検討をしてください。
以上です。区長からは杉並区独自の保育室の拡充を図ってきましたが、利用者が望んでいる認可保育園を増設することを模索しています。保育者の増員についても関連部署と確認検討していきたいと思いますと、述べられました。
今後とも区内の保育園が連携して、子どもにとってより良き保育環境を設定できるように活動していきます。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ