子どもは大人の言うとおりには育たない
2011年10月11日 火曜日
保育園や幼稚園では大人が思いもつかない質問を子ども達がいろいろとしてきます、そのことに対して大人がちゃんと対応することがとても大事なことなのです。子どもは、親や大人の姿や言動をつぶさに観察していますから、いい加減な対応はできません、子どもを観察するのが大人や保育者の役割と言われますが、実は子どもに観察されているのが大人であり保育者なのです。
「学ぶ」ということは「真似ぶ」、親、先輩、学校の先生、保育者などが為すことを真似るのが、そもそも「学ぶ」ということの始まりだそうです。ただ知識を教わるのではなく、どのような生き方をするのかということを、子どもはちゃんと見て学んでいく、真似をしていくというのが、本当の「学ぶ」ということのようです。そして、その中で最も影響力が強いのは家庭で一緒に過ごしている親、そして長時間過ごす保育園であれば保育者です。親や保育者が実践し、後ろ姿で示すと、子どもはその姿を見て、真似ぶ、その積み重ねがとても大事といえます。
子どもは、発達の段階で自分の気持ちをコントロールできない場面があります。自分の思いどおりにならないことがあると、泣いて叫んだり、怒ったりします。ところがそもそも人間は、「怒る」という感情を生まれた時には持っていないのだそうです。いつ、どこでそれを覚えたかというと、親が怒ったり、子どもに命令したり、思いどおりにならないと大きな声を出したりするので、それを真似てしまったのだそうです。親、その親、そのまた親の代から人類は、それを繰り返してきたので、目の前に居る子どもも「怒る」ということを学んでしまったというわけですから、我々大人も真似をしていると言えるのです。
大人が自分の感情をコントロールして、怒りの心に支配されないように、いつも笑顔で対することができるようになっていくことが本当の大人になるということのようです。育子園は「子どもだから」という大人目線の発想ではなく、大人も子どもも平等な尊い存在という理念の下で、目の前に居る子ども一人ひとりと共に大人も成長していける環境であり続けたいと願っています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ