佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

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佼成育子園前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ
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園のこだわり

歌って、語る、ピアニスト

2011年10月31日 月曜日

resize33489全国保育士会研究大会の記念公演は、全盲のピアニストで歌手の北田康弘さんでした。軽妙なトークを交えて約1時間のコンサート、童謡からクラシック、ポピュラーまで歌ったり、演奏したり、あっという間に時間は過ぎました。未熟児網膜症でこの世に生を受け、医療ミスで全盲になり、そのあと家族は離散し施設13年間も幼少期を過ごした体験を語る北田さん、目頭を押さえる保育者が多くいました。

 

音楽に対する情熱だけは持ち続け、筑波大学、武蔵野音楽大学に入学し現在では、「歌って、しゃべる、ピアニスト」としてコンサート活動を通して、諦めないで努力することがどんなに大切なことかを伝えていらっしゃいます。自分の夢を現実化した北田さんの人柄に触れ、保育者1,500人が集まったホール全体が温かい雰囲気包まれました。

 

大会初日の締めくくりは、来年度の大会開催地鳥取県の保育士が舞台に登場し、鳥取県の観光PR映像や踊りを披露し早くも心は鳥取に飛んでいました。全国輪番制で行われる大会を通じて、各地の文化や人々に触れることができ、自分の働いている園だけでなく全国の保育者の発表を聞くことで、明日からの保育力が向上していくのでしょう。

 

夕刻には育子園から参加した職員と一緒に、鹿児島の名物「黒豚」料理を堪能しました。夕食後ホテルに向かう道中、空からは桜島名物の噴煙が小雨の様に舞い落ちてきました。この噴煙は暖かい季節は鹿児島市内に、冬になると対岸の大隅半島に降り注ぐのだそうです。

 

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食器を運ぶ0歳の子ども

2011年10月28日 金曜日

本ホームページ、「園のこだわり」にドイツ・ミュンヘンから、保育主任の現地レポートブログが掲載されています。「見守る保育」を主宰している新宿せいが保育園の藤森園長先生と、全国から集まった20人が1週間かけてミュンヘンの保育園、幼稚園を視察見学するツアーです。

 

私も昨年6月に参加しましたが、ミュンヘン市も最大限のバックアップをしてくれるツアーですから大船に乗った気持ちで参加できます。今年も限定20人でしたから、キャンセル待ちがでるほどでした。10月末のミュンヘンは最低気温が5度になることもあるそうです。昔、ビール会社のテレビコマーシャルに、「ミュンヘン、札幌、ミルウォーキー」というキャッチフレーズがあったとおり、緯度が同程度のビールの街。この季節は暖かいビアホールで白ビールといったところでしょうか。

 

参加しているメンバーは、「見守る保育」を実践したり理解している方々ですが、海外の「見守る」理念や職員実践を目の当たりにし、まさに目からウロコでしょう。その象徴のような0~2歳児の食事場面が、10月26日の藤森園長先生のブログに掲載されています。

 

このブログのような保育を現在の日本の保育現場では、考えることができる保育者は少ないのではないでしょうか。国際的には子どもの基本的人権、生存、成長、発達の過程が示された、「子どもの権利条約」が示されていますが、その解釈は国ごとに違い、子どもに対する考え方それに基づく保育実践も様々です。

 

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厚労省の予測を上回る待機児童数

2011年10月27日 木曜日

resize33486鹿児島市で開催された保育大会で、厚生労働省保育課長の講演会が開かれました。平成23年4月の保育所定員は220万4千人、ここ3年間で8万人分の定員を増やしていますが、待機児童はいまだに25,000人を超え深刻な状況が続いています。

 

厚労省は10年前は現在のように待機児童が継続的に存在するとは予想できなかった、予測が甘かったと厚労省は分析しています。各市区町村でもそれぞれ努力はしていますが、社会構造の変化のほうが上回っているのです。

 

厚労省は毎年5万人の定員増を予算化して対応するとしています。具体的には、グループ型小規模保育事業を拡充や諸君配置基準を満たす認可外保育施設の開所等を強化することになっています。また、3.11による保育事業復旧・復興予算として25億円を計上していますので、迅速な保育所施設再建が進むものと期待されています。被災地では仮園舎で保育を行っている幼稚園・保育園も数多くありますから、一日も早い新園舎の建設が切望されています。

 

「子ども・子育て新システム(案)」は、保育園、幼稚園、在宅保育の子ども達すべての保育支援を目指しています。0歳から就学前の子どもを保育している大多数の認可保育園を「総合施設(仮称)」、3歳未満までの子どもの保育をしている保育園引き続き、「保育園」、現在の幼稚園のまま「幼稚園」と名乗る施設の他にもさまざまな施設が存在すると提案しています。新たに各自治体で「子ども子育て会議」を開催し、その地域の実情に応じた子育て支援体制を模索していくことも提案しています。今後とも新システムの動向を注視しながら、全国で保育現場の意見を提案していくことが大切なことといえます。

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3.11後の変化

2011年10月26日 水曜日

3.11以降に行った、「保護者が園に求める対策」というアンケートが発表されました。0~5歳児の子どもを持つ保護者(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡)を対象に、約3,000人を対象に行った結果は、

 

①園の設備の安全対策を高めて欲しい。 

②緊急時の園としての対応方針を保護者と共有して欲しい。 

③緊急時に電話以外(メール・ツイッター等)でも連絡が取れるようにしてほしい。 

④水や食料の備蓄を充実させてほしい。 

⑤園からの情報提供にインターネットやツイッターを利用してほしい。 

の順番になっています。

 

それに対して、全国200カ所の幼稚園、保育園側のランキングは、

①防災訓練、避難訓練の進め方。 

②防災を意識した園児への教育・保育 

③災害時の家庭との連絡手段 

④園の施設・設備の安全点検。 

⑤災害時の職員の役割。 

の順番です。

 

園と保護者の立場・役割の違いがランキング結果となってあらわれています。保護者は子どもの安全確保と安否確認を重要視し、園は訓練や子どもへの啓蒙を第一義に考えているのです。子ども達の「尊いいのち」をお預かりしている園では、安全に避難誘導することが最も重要な使命です。災害はどんな規模で何時に発生するのか予測できませんから、保育者一人ひとりが多様な角度から災害場面を想定して話し合い、日ごろの訓練を重ねておくことも災害に対する視点が重層化して保育力としても高まっていくのです。

 

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『焼酎天国』でお出迎え

2011年10月25日 火曜日

resize33487鹿屋市を後にして、車で垂水市を走り桜島の東側から南側から西側にある桜島フェリー乗り場へ向かいました。途中、有村溶岩展望所で遊歩道を歩き錦江湾と噴火炎に煙る桜島をまじかに見上げました。観光バスが3台止まっていましたが、すべて中国観光客でした。桜島フェリーターミナルから対岸の鹿児島港へはわずか15分の乗船で、日中は10分間隔で24時間航行しています。3階展望デッキからは360度のパノラマが望め、さわやかな風を感じることが出来ました。

 

フェリー乗り場から10分で鹿児島市民ホールに到着しました。大会のオープニングは、鹿児島県保育士会の保育士さん20人の「焼酎天国」という歌と踊りでした。さすがは焼酎の本場だけあって明るいリズムの曲に、会場は手拍子に包まれ舞台と客席の一体感に包まれました。

 

全国185,000人の保育士のうち1,460人が参加したこの大会では、子ども子育て新システムに対してさらなる議論を提言しました。新システム案では3歳未満児は保育、3歳以上は教育と保育とされ0歳からの連続性が保障されていません。また、子ども一人あたりの面積基準を緩和しようとする方向についても、保育の現場の意見を国に対して意見を述べていくことが確認されました。

 

ここ数十年間の日本の保育は、他の子よりも早く発達の階段を早く登らせようとする子育てや保育になっています。この現状をいかに変えていくか、子どもが望まない子育て競争はいかがなものか、早期教育等で学習教育に尽力させても、なぜ天才がたくさん誕生しないのでしょうか。という提言もありました。

 

鹿児島県保育連合会では、「子どもの心を育てよう」を基に保育を展開しています。子ども自身が、「私は私」といえる、自尊感情を芽生えさせる保育によって、他者をも認められ尊重できる、「私は私達」といえる社会になっていくのです。保育士は子どもに何かを教え込むのではなく、子どもに寄り添うことが最も大切です。

 

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小学生も遊ぶ園庭

2011年10月24日 月曜日

resize33483訪問した鹿児島県鹿屋市にある社会福祉法人では保育園、児童センター、学童育成クラブ、グループホーム、デイサービス等さまざまな事業を精力的に展開され、益々の発展が期待されます。特に保育園と同敷地に老人施設と、学童施設があり園庭で小学生が一緒に遊び異年齢の交流が日常的に行われているのです。

 

保育園も学童ともに19時が閉園時間ですから、保護者は一緒にお迎えできるので便利です。鹿屋市は全国的にも珍しく、公立保育園を全て民営化し認可保育園は私立だけで構成されています。

 

鹿屋市は人口約10万人、海上自衛隊鹿屋航空基地があり、約8,000人の自衛隊関係者が居住しています。基地内にある鹿屋航空基地資料館を見学すると、2階展示場には”零式艦上戦闘機52型”が翼を広げていますが、これは平成4年2機の零戦が鹿児島県の錦江湾と吹上浜の海底から引き揚げられ2機を補い、1機の零戦が復元されました。修復には隊員や三菱重工業の熱意と、多方面の協力が注がれました。当時、狭いコクピットに乗り込む時、どんな思いだったのでしょう。

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さらに鹿屋市には、国内唯一の国立体育大学があります。約700人のアスリートが豊かな自然環境に抱かれながら、明日の日本スポーツ界を担うために日々励んでいます。今年開学30周年を迎え、記念講演会は、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんや卒業生でアテネオリンピック水泳金メダリストの柴田亜衣さん、バルセロナオリンピックバレーボール銅メダリストのヨーコ・ゼッターランドさんが登壇したそうです。

 

「バラの街、鹿屋市」のキャッチフレーズどおり花が咲き誇る街、鹿屋。この時期、街道沿いには南国らしくブーゲンビリアやハイビスカスの花が風に揺れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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満席の鹿児島行き

2011年10月21日 金曜日

resize0045鹿児島県にやってきました。「子どもが豊かに育つ保育の実践」をテーマにした全国大会が今年は鹿児島市で行われます。大会の前に鹿児島市と桜島を挟んだ大隅半島の鹿屋市にある、保育園を訪問してきました。なぜ、鹿児島にある保育園を訪れたのかというと、昨年のドイツ保育視察ツアーのメンバーだった園長先生を訪ねたのです。

 

品川駅から京浜急行で羽田空港国際線ターミナル駅の次が今は国内線ターミナル駅になっています。今年7月には国際線ターミナル駅からマレーシアにフライトしたので京急は3か月ぶりになりますが、9:40の便なので空港までは通勤ラッシュ時間で山手線、京急共に込み合っていました。

 

鹿児島便の搭乗口に到着すると、こんなアナウンスが流れていました、「9:40発鹿児島行きは座席が足らな可能性がありますので次のフライトに変更できる方を若干名募集します。是非お申し出ください。その場合は○円差し上げます。」という案内でした。

 

確かに機内は満席で、秋の旅行シーズンなのでしょうか、旅行会社のバッジを付けた団体客が大勢いました。ローコストキャリアの影響でしょうか、おしぼりも無くなり、ビール等も有料で販売しています。来年からは羽田-福岡便が○千円で運行するそうですから、他社もさらなるコストカットが急務のようです。

 

鹿児島上空に近づくと桜島がその雄姿で出迎えてくれました。鹿児島空港の気温は26度、半袖で十分な日差しでした。ターミナル外には「足湯」もあり旅の疲れを癒してくれます、予約しておいたレンタカーで、一般道を約80㎞南下し鹿屋市を目指しました。晴天の日向街道・国道220号線は鹿児島湾沿いの風光明媚な道路で、さんさんと降り注ぐ太陽が水面に反射し、のんびりと釣り糸を垂れる人影が見られました。右手にそびえ立つ桜島を北側から、東側・南側へぐるりと180度角度眺めながら走りました。

 

目的地の鹿屋市は、本土最南端へと伸びる大隅半島のほぼ中央に位置し、大隅地域の交通・産業・経済・文化の拠点となっています。北部には、日本の自然百選にも選ばれている壮大な高隈山系が連なり、笠野原台地や肝属平野が広がり、市域中央部にかけて平坦地が続いています。市域西部は、錦江湾に面し、美しい海岸線が見られます。

 

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クラス対抗リレーは協同的遊び

2011年10月20日 木曜日

resize1429年長児にとっては育子園最後の運動会です。最終種目の年長クラス対抗リレーは毎年涙と笑顔のリレーになりますが、保育日誌に職員がこんな記録を書き留めていました。

 

『リレーのアンカーを決めるのに、「アンカーはどんな人がいいか」を子ども達と話し合いました。その結果、「速くて、あきらめない子がいい」と決まり、アンカーを決めました。その日のリレー練習でアンカーになった子がレースで負けて泣いている子のそばに行き、「一緒に部屋に帰ろう!」と声をかけ、泣いている子をねぎらっていました。それ以外の言葉は交わさなかったが、その一言で気持ちが通じあったようで二人で寄り添っていました。』

 

『園庭では年長がリレーの練習をしました。回を増すごとに、速く走れるようになってきて、「勝ちたい」という気持ちが強くなってきているようです。そんな姿を年中、年少児も観て運動会への関心が高まってきてグループのチームワークも良くなっています。子ども達の意欲を大切にしながら、見守っていきます。』

 

保育園の保育・運営について国が示している、『保育所保育指針』の第二章 子どもの発達には、

【おおむね6歳の発達】
全身運動が滑らかで巧みになり、快活に跳び回るようになる。これまでの体験から、自信や、予想や見通しを立てる力が育ち、心身ともに力があふれ、意欲が旺盛になる。仲間の意思を大切にしようとし、役割の分担が生まれるような協同遊びやごっこ遊びを行い、満足するまで取り組もうとする。様々な知識や経験を生かし、創意工夫を重ね、遊びを発展させる。

思考力や認識力も高まり、自然事象や社会事象、文字などへの興味や関心も深まっていく。身近な大人に甘え、気持ちを休めることもあるが、様々な経験を通して自立心が一層高まっていく。

 

と、記されています。まさに、運動会などの活動によっておおむね年長6歳児は、運動能力が巧みになると共に子ども同士で何かを達成しようという意識が高くなります。 特にリレー競走は、チームの中の一員という意識とみんなで一つの目標に向かってバトンをリレーして、もっと早く走りたい、勝ちたいという満足を求めるる協同遊びの典型です。

 

リレーチームが勝った喜びと負けて涙する悔しさは、個人競技の勝敗では味わえない仲間と一体感を子ども達はすでに味わっているのです。

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言わなくても子どもには伝わる

2011年10月19日 水曜日

resize0001園庭では今月22日土曜日に行われる運動会のリハーサルが始まっています。オープニングを飾る年長クラスの鼓笛演奏は、子ども達が演奏したい楽器を自ら選んで、音楽教室の時間を中心に行ってきました。また、年長児は自分達の出番の他にも司会役や、用具係など運営面にも関わっています。先週行われた職員会議では、自分が担当しているクラス・グループ以外の職員が率先して用具準備やコーナーポスト役など自発的に申し出てくれるので運営がスムーズに進みます。

 

幼児グループの日誌に職員がこんな記録を残していました。

『運動会のリハーサルで自分の出番が終わり応援をするk君とT君、「○○グループ ガンバレ! あっ、次は2歳だ、2歳も応援してあげようよ!」と、自分のグループはもちろん全ての子ども達の応援をしていた。運動会のテーマをが細かく伝えなくても、自然と心ひとつになろうとする姿に感動しました。』

 

職員自らが運動会のサブテーマ、「心ひとつに」を実践している姿を見て、子ども達に伝わっていったのでしょう。言葉はコミュニケーション力の7%に過ぎないと言われていますから、大人の所作振る舞いが子どもに大きな影響を与えるのです。

 

朝礼でも職員が、年長クラスの子ども達を観察していると4月から運動会のリレーの練習を自分達で始めたり、鼓笛が思うようにできない子は自分で日常的に楽器の練習をしていました。子ども主体・子ども中心の見守る保育を導入してから職員自身が自然体で保育が出来るようになり、運動会だから気合いを入れてやらなければいけないという気負いも無くなったので、自然と子ども達が自発的に活動に取り組むようになったと思うと、話していました。

 

このように大人が子どもをコントロールして何かをさせようとしなくても、「大人が子どもを丸ごと信じ切って待っていれば良いのだ」と実践して学んだ職員の言葉には力があります。

 

 

 

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いくら言っても伝わらない理由

2011年10月18日 火曜日

全日本私立保育園連盟主催の保育カウンセラー講座で、「メラビアンの法則」のロールプレイング体験をしました。心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した法則ですからちょうど今年が40年目になります。一般的コミュニケーションにおいて、相手に伝わる度合いを、「言葉」、「話し方」、「態度」に分けて分析すると、

 「言葉」…7%
 「話し方」…38%
 「態度」…55%

 となるのだそうです。驚きなのは言葉・言語は全体のたった7%にとどまっているということです。たとえば電話対応の場合は言葉だけの対応ですが同じ%になるのか知りたいところです。このように、いくら巧みな話術で相手を説得しようと思っても、言葉だけでは相手に伝わらないのです。

 

話す速度、声の大きさ、抑揚、間の取り方等で約40%を占めています。態度は、笑顔や表情、服装等はTPOに合っているか、信頼できそうか、姿勢はどうか、しぐさやジェスチャーは好ましいか等でしょうか、それが半分以上を占めているのです。話した内容よりも、耳と目からインプットされる情報が93%にもおよぶのですから、日ごろの所作振る舞いがいかに大切かということが解ります。

 

また、信頼関係を構築できるかを大きく左右する第一印象は、一説によると初対面の15秒間で決まるというのですからもっとシビアです。15秒間で印象が決まり、メラビアンの法則でさら判断されるのですから、一瞬一瞬の出会いをいかに大切に丁寧にできるかがその人の人生までも左右することになるのでしょう。

 

「目は口ほどにものを言う」という、ことわざにいたっては喋らなくても考えていることが相手に通じてしまうというのですから、人間の心理状態を知ると、保育の現場でも子どもにどのように接することが大切かおのずと答えが見えてきます。ある保育者の足音がするだけで、子どもが静かになるということを聞いたことがありますが…。

 

さらには、「子どもは大人の言ったとおりには育たない、大人のやったとおりに育つ」と言われます。大人同士でも7%の影響力しかない言葉を、語彙が未熟な子どもに対して言葉で伝えようとしても無理があります。残り93%を占めている大人の声や態度がどのように子どもに映っているか大人は考えるべきではないでしょう。子どもに伝えたいことは優しく、穏やかにゆとりを持って接することが最も効果的なようです。

 

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