佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

  • 佼成育子園 トップページへ
  • 佼成育子園 お問い合わせ
  • 報告書関係
  • 佼成育子園の理念
  • 佼成育子園のこだわり
  • 佼成育子園の給食
  • 佼成育子園から地域の皆様へ
  • 佼成育子園からのお知らせ
  • 佼成育子園について

佼成育子園前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ
バックナンバー
  • 2014年3月
  • 2014年2月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月
  • 2013年1月
  • 2012年12月
  • 2012年11月
  • 2012年10月
  • 2012年9月
  • 2012年8月
  • 2012年7月
  • 2012年6月
  • 2012年5月
  • 2012年4月
  • 2012年3月
  • 2012年2月
  • 2012年1月
  • 2011年12月
  • 2011年11月
  • 2011年10月
  • 2011年9月
  • 2011年8月
  • 2011年7月
  • 2011年6月
  • 2011年5月
  • 2011年4月
  • 2011年3月
  • 2011年2月
  • 2011年1月
  • 2010年12月
  • 2010年11月
  • 2010年10月
  • 2010年9月
  • 2010年8月
  • 2010年7月
  • 2010年6月
  • 2010年5月
  • 2010年4月
園のこだわり

「ウサギ小屋」へ逆戻り?

2011年08月31日 水曜日

resize1399慢性的な都市部の待機児童を少しでも解消しようとする特例措置が、来年度から実施される方向で進んでいます。厚生労働省が今年4月の待機児童が100人以上かつ、平均地価が3大都市圏の平均以上の自治体を対象に、子ども一人当たりの保育面積を緩和しようという3年限定の措置を提案していますが、保育現場からは反対の声が上がっています。

 

国が定めている認可保育園の子ども一人当たりの保育面積は、たとえば1歳児は一人当たり3.3㎡ですが、年度途中で2.5㎡に減らせるという考えです。今回の方針について保育業界では、いまでさえ東京都内の認可保育園は待機児童解消のために定員数の弾力化でほとんどの園で定員より多く子どもを受け入れ、新設の園では園庭がない施設まであります。0歳児は寝返りや、ほふく、そしてつかまり立ちが十分できるような保育スペースが必要不可欠なのに、面積を減らそうとしているのです。この措置を育子園に当てはめてみると、現在1歳児クラス定員:30人(国が定めた面積以上を確保しています)の保育室に、約60人も入園できるのですから満員電車なみの状態になります。

 

さらには、子どもに対する保育士の人数をどのように措置しているのか明確ではありませんから、子どもの人数が大幅に増えても保育士の人数は現状のままということになると、子どもは狭い部屋に詰め込まれ子ども保育士は減るという劣悪な保育環境になりかねません。

 

今回の案が実行されると保育環境悪化の切り下げ、詰め込みに拍車がかかることを危惧しています。厚生労働省には1,000件以上コメントが寄せられ、賛成意見の一方で保護者からも子ども達を今より狭い部屋に詰め込めないでほしいという意見が多く寄せられています。

 

2009年に全国社会福祉協議会が保育大学教授、市区町村保育課、保育園長(育子園で導入している見守る保育の主宰者:新宿せいが保育園の藤森園長も参画)、建築士の代表を招集して研究提案した、「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業研究成果の概要」によると、

 

①特に乳児の発達過程を保障するためには、食事と昼寝を中断しない保育環境、「食寝分離」が必要不可欠である。保育面積が狭いと、速く食事を食べ終えさせてテーブルを片づけ、布団を敷かなくてはならない。

②建築設計の観点から子どもと保育者の動線や必要面積を計算すると、2歳児以下は一人当たり4.11㎡以上(現行2歳児:1.98㎡)、3歳児以上は2.43㎡以上(現行3歳児:1.98㎡)が必要である。現行の面積では狭すぎる。

③先進諸外国(フランス、ドイツ、イングランド、スウェーデン、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド)の保育面積と比較すると日本が最低で、特にスウェーデン・ストックホルム市は日本の4倍である。

④このような現状からして、現行の面積を引き下げることや引き下げられるような仕組みを導入することは、子ども一人ひとりの発達に応じた保育を今以上に困難にするもので、現行の基準を引き上げることを検討すべきである。

 

と提言しています。戦後、欧米は日本の住居を、「ウサギ小屋」と酷評し、やっと日本家屋にもLDKが取り入れられたにも関わらず、幼い子どもが起きている時間の大部分を過ごす保育園が今さら逆行するのは説得力がありません。現在、育子園では保育先進諸外国を参考に、3歳児以上は「食寝分離」をさらに向上させて、「遊・食・寝分離」を行っていますので、安易に今回のような特別措置が定められると、保育環境レベル低下をまねくことになりかねません。

 

今年度、杉並区の待機児童は70人ですから緩和措置には該当しませんが、来年以降の対応が危惧されます。さらには認可保育園の保育面積が引き下げられると、認証保育所や認可外保育施設も雪崩式に現行より狭くなる可能性が高まります。待機児童対策は喫緊の命題ですから、適切な予算を投入して保育所施設整備を推進することで保育先進国の仲間入りができるのです。

 

今回のような子育てに必要な費用をかけずに狭い保育室に子どもを詰め込もうとする制度に対しては、注意深く見守りながら杉並区私立園長会としても提言していきたいと思います。

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

男子学生70%の保育大学

2011年08月30日 火曜日

resize33462先週から保育大学に通っている実習生を2人お預かりしていますので、大学の先生が実習生の様子を見にいらっしゃいました。1つ目の大学は、3年前に保育学部を新設したところ、初年度は70%が男子学生だったそうです。今年度も40%が男子で、男性の保育業界志望は定着しているとおっしゃっていました。

 

お二人の先生と保育の沿革について懇談をする中で、日本の保育と世界の保育との方向性の違いを感じていらっしゃるという点では一致しています。特に、長時間保育と、保育者主導保育を考えていかなくてはいけないということです。長時間保育は保育先進国ではありえないことですが、日本だけが逆行しています。

 

たとえば園舎を新築する場合に、ほとんどの保育園(法人)は行政に補助金を申請するのですが、許可の条件として夜20時頃まで延長保育を行うことを条件にしているところが多いようです。その背景は、国が右肩上がりの経済活動を推進していくために、女性の労働力確保が必要不可欠で、女性の年齢別就労人口グラフのM字化、いわゆる子育て時期の就労人口減少を食い止めるための施策として長時間保育、病児病後児保育、休日保育等の子ども不在策を良しとしているのでしょう。

 

このような経済活動優先のために長時間保育等の保育施策を導入している国は、世界中見当たらないのではないでしょうか。子どもが起きている時間のほとんどを保育園で過ごすような国と、夕食の時間は家族そろって過ごせる国とどちらが豊かなのでしょう。家庭内のコミュニケ―ションがはかられ子どもが安心、安定して成長することは経済数値では測れない、子どもの未来の家族観、家庭観、人間観に大きな影響を及ぼすのです。

 

また、大人主導の保育については、保育者と子どもの距離感をどう考えるかという基本的な課題です。保育者が子どもに教えたりやってあげることを基本とするのか、子どもが求めてきた時にその子の発達過程に合った対応をすることを基本とするのかで、保育実践は180度違ってくるのです。日本は前者が主流ですから、世界的にみても子どもとの距離感が近いと分析されています。欧州の保育学校では、保育者はいかに子どもと離れるか、距離感を保つかを提言するそうです。

 

これは保育者の最大の役目である、子どもの自立を促すことの基本中の基本と言えます。

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

育子園に居るとお腹が空く

2011年08月29日 月曜日

resize1401給食の時間は3~5歳児グループのランチルームで食事をします。

 

ある日、にじグループのランチルームへ行って、手を洗い、給食のトレイを持って席が空いているテーブルで、「ここに座ってもいいですか」と聞くと、「いいよ~」と子どもが答えてくれました。手を合わせて、「食前感謝の言葉、み仏さま、自然の恵み、多くの人に感謝して、いただきます」と唱えると、正面に座っていた○君が、「ちがってる」。

 

もう一度、同じように唱えてみても、「ちがう~」。3回チャレンジしても結果は同じです。隣に座っていた年長の□ちゃんに聞いてみてもどこが違うのか解りません。OKを出してもらわないと、給食が食べられません、セリフはあっているのに、と考えていると、「早すぎる」と○君。

 

なるほど、そうだったのかとゆっくり唱えて4回目でやっとOKをもらいました。確かに、子ども達はグループ全員の給食準備が整って、みんなで一斉に食前感謝の言葉を唱和するので、大きな声でゆっくりとはっきりと唱えていますから、言葉と速度一体で覚え、大人一人が唱える速度だと違うように聞こえるのでしょう。

 

それを裏付けるように、うみグループでも大人の普通の速度で唱えると、◆君が、「早や!」とつぶやきました。ゆっくり言い直したら、にっこり笑っていました。すると、他のテーブルに居た☆君が、「どうして食べに来たの?」と質問してくれたので、「どうしてだと思う?」と聞くと、無言でした。

 

それを聞いていた◆君が、「お腹が空いたから来たんじゃない」、私が、「どうしてお腹が空くのかな?」と聞くと、「育子園に居るとお腹が空く、走ったり、泳いだり、歩いたりするから…」、「動くとお腹が空くんだ、じゃあ寝てる時はどう?」と聞くと、「寝てる時は眠たいからわからない…」。☆君も◆君もデザートのスイカを黙々と食べ始めました。

 

確かにお腹が空いて眠れないという体験をしないでいられる日本、そんなやり取りをしながら5年前に植林ボランティアで訪問した、アフリカ・エチオピアの子ども達のことが脳裏に浮かびました。2009年WHO加盟193カ国の乳児1,000人出産当たりの死亡率は、エチオピア67人に対して、日本は2人、世界平均は42人です…。

 

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

高次元のチーム

2011年08月26日 金曜日

resize1400育子園の近隣ある杉並区立和田小学校の校長先生からメールをいただきました。メールに添付してあったのは小学校の夏休みを利用して、3.11被災地ボランティアに参加されたレポートでした。校長先生は今年3月の卒業式で「未来の教科書」について話をされ、3.11を体験した日本に対する世界からの評価を自ら体験し、不測の事態に対応するための判断力、決断力を磨き、今後の啓発のために現地へ赴くことにしました。

 

最初は知人を尋ねて個人ボランティアを模索していましたが、ご縁があって、「GAKUVO]ボランティアに参加することになったのですが、学生中心のボランティアなので事務局あから、「若者の中に入っての活動ですが、本当に大丈夫ですか…」と再確認されたそうです。校長先生のバイタリティと行動力には、脱帽です。

 

岩手県陸前高田市、大槌町で学生30人と寝食を共にして炎天下で、朝6時起床、就寝23時の活動を経験されました。現地で出会った長期個人ボランティアの中には、阪神淡路大震災の時も個人ボランティアとして参加し、3.11当日のニュースをみて、決断しその日のうちに職場に『退職届』を出し、以来今日まで現地で活動している方もいらっしゃるそうです。

 

寝食を共にした学生さんのうち、3割が女性で中には留学生も参加していました。学生自らみんなで話し合い、ゴミ係、点呼係、救急係など共同生活をするうえで必要な役割分担を決め、毎晩遅くまでその日の振り返りミーティングで相互理解を深め、自分の思いと相手の思いを分かち合いながら、高次元のチームへと変容していく様子を目の当たりにして、明るい日本の未来が見えたそうです。

 

校長先生には今年4月、杉並区内公私立園長会で小学校と保育園・幼稚園との連携をテーマに講演会をしていただきました。また、9月3日の育子園夕涼み会にも和田小学校おやじの会で模擬店(カキ氷)を出店していただきます。

 

いただいたレポート表紙にはボランティアに参加したメンバーの笑顔が溢れていました。

 

★育子園の保育士が岩手県山田町の「山田中央保育園」へ日本ユニセフ協会・東京都社会福祉協議会主催の保育ボランティアに参加した様子が、法人本部のホームページに掲載されています。

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

母親の父性化

2011年08月25日 木曜日

resize33455東海大学教授の長谷川博一先生は、臨床心理士で児童虐待、ドメスティックバイオレンス、自傷行為、不登校、自殺、心理療法、犯罪臨床心理学が専門です。『お母さんは、しつけをしないで』という著者の中で、父親のような男のような母親が増えています、母親の「父性化」と呼んでいんす。

 

女性が生まれつき備えている母性的な姿勢は、わかる、認める、受け止める、許す、包み込むです。その対極は、わからない、拒否する、はねつける、罰する、断ち切る、となり極端な父性と言えます。

 

しつけに熱心なお母さん達は、子どもに期待するあまり、母性で接する余裕を失い、ついつい父性的な関係を子どもとの間に作ってしまう傾向があるのです。

 

日々の子どもとのやり取りの中での父性の具体例として、

①わからない―子どもが転んでひざをすりむいて、「痛いよー」と泣いても、「それくらいじゃ痛くないでしょ!」と言う。子どもは自分の気持ちを伝え、相手が受け止めてくれるという心地よい体験ができないのです。 

②拒否する―子どもから、「日曜日に遊びに連れてって」とせがまれても、「お母さんは疲れてるから」と大人の理屈で諭すのです。 

③はねつける―子どもの作文の書き方をチェックしては、「ここの書き方ダメでしょやり直しなさい」言って直させる、子どもの自発性は摘み取られてしまします。 

④罰する―誤ってジュースをこぼしたら、「もう飲ませません」。テレビゲームの約束時間を守れなかったら、ゲームを没収してしまう、こういうことを繰り返していると、子どもは「罰がいやだ」という理由で物事を判断する人間になってしまいます。 

⑤断ち切る―子どもがスキンシップを求めてまとわりついてくると、「今はあっちに行ってて」。子どもが大好きなぬいぐるみを、「汚いから捨てなさい」と処分してしまうと、愛着対象を奪われた子どもはこの世に不信を抱くのです。

 

この本を読んでいて男性の母性化もあるのではないかと思いました、各家庭内で男女の役割分担は様々で、あるご家庭は家事が大嫌いな奥さんと家事が大好きな旦那さんのご夫婦で、奥さんがフルタイムで働き、旦那さんが「専業主夫」で家に居て、保育園の送り迎えも当たり前のようにこなし料理はシェフの腕前、笑い声が絶えない幸せそうなご家庭です。

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

大人になっても忘れられない保育園

2011年08月24日 水曜日

今週は来園者が多くパワーポイントとホームページを織り交ぜながら多い日には1日4回、育子園の保育実践を説明する機会がありました。対象者は保育実習生、来年度入園希望の親子、9月入園の親子で、質疑応答の中で必ず話題になるのが給食と昼寝で、自分の保育園時代の嫌な思い出を話してくださいます。

 

給食は、「完食主義」に対する抵抗感で、職員が盛りつけた物を「食べさせられた」と表現される方がほとんどです。食事は食べるもので、「食べさせられる」ものではありません、食べさす方も食べさせられる方もストレスが溜まるのは、保育所保育指針に示されている、楽しい雰囲気の中で食事をすると逆行しています。

 

日本も食料難時代は食料に対する感謝を国民全体が感じていて、「米粒1つでもお百姓さんに申し訳ない、残すと○がつぶれる」と言い伝えられていました。お腹一杯食べることが夢だった時代でしたから、食料を残すことなどありえないこと、とんでもないこととされていたでしょう。そのような思想を平成の保育園でも実践している園では、嫌いな食材も完食することが良しとされていますが、現在の日本は世界一食材種が豊富な国ですから、あえて嫌いな食材からその栄養素を摂取しなくても、他から摂ればよいと考えたり、5歳児が給食食材の全てを食べられることは希有なことと考えられる柔軟さが必要だと思います。

 

昼寝の時間は眠たくないのに、「寝かされた」嫌な思い出になっていて、寝かされる方も寝かしつける方もお互いにストレスが溜まる毎日だったのでしょう。一方、幼稚園に通っていた保護者は、園から帰った後は友達の家に遊びに行って昼寝はしなかったと話していますから、園の都合ではなく子どもの発達過程で考えていくことが大切だと思います。

 

resize33458

 

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

『お母さんは、つしけをしないで』の本当の意味

2011年08月23日 火曜日

resize33455『お母さんは、しつけをしないで』という本の著者、東海大学教授の長谷川博一先生は、臨床心理士で児童虐待、ドメスティックバイオレンス、自傷行為、不登校、自殺、心理療法、犯罪臨床心理学が専門です。ある職員から長谷川先生のことを伺って、著書を2冊買い求めまいた、もう1冊は『お母さん、「あなたのために」と言わないで』というタイトルです。

 

本のタイトルにとらわれてしまう方もいることでしょう、子育て奮闘中の母親にとっては、子どものためと思ってしつけをしているのに…と思われる方も多いでしょう。著者は今日までに数えきれない母親と子どものカウンセリングで修羅場を経験した心理学者、反発するであろう母親の反応を予測して本の書き出しには、「こんな人は読まないで」という項目が記されています。

 

呼んではいけない人とは、「子どものために」という思い込みが強く、この考えを絶対に手放したくない、自分を変えることに抵抗感を感じている人なのです。具体的には、次の5つの考え方を、手放すことができますか?

 

①子どもの将来のために、小さいうちから勉強させるべきだ。 

②子どもは努力と忍耐を学び、人に迷惑をかけないようにさせるべきだ。 

③子どもはつねに親や先生など目上の人を敬い、言われたことには従うべきだ。 

④人間は泣いたり笑ったりと、むやみに感情を出すべきではない。 

⑤親が子どもの言い分に耳を貸すのは、たんなる甘やかしに過ぎない。

 

と記された後に、

 

①子どもを思い通りにしつけられなくて困っている。 

②子どもが何らかの「問題」や「症状」を呈している。 

③子育て下手な自分のことが嫌いで落ち込むことがる。 

④家族関係がぎくしゃくしていることに気づいている。

 という方々にも読んでいただきたいと記されています。

 

まだ小さなお子さんでしたら、「ゼロ」から始めるチャンス、「しあわせ」を最優先にして気楽な子育てを始めることができるのです。子どもが幼稚園・保育園を終えるか小学生くらいなら、しつけは「半ば」を過ぎていますから、ある程度の忍耐力をもってあたれば、子どもが蓄えられた「しつけのツケ」を跳ね返し、子どもは大きく変わるでしょう。早ければ早いほど、投入するエネルギーは少なくて済みます。

 

「しつけのツケ」の怖さは一世代で終わることなく、世代を重ねることでどんどん重みを増していく危険が大きいところです。親は自分が育てられた通りに子どもを育て、その子どももその通りに子どもを育てます。長谷川先生の母親とその子どもに対する深く温かい心と、「しつけのツケ」が輪廻することを食い止めたいという強い意志が伝わってきました。日々の子どもとの関わりで四苦八苦している方に読んでいただくと、光明が見出せるのではないでしょうか。

 

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

トンボの絆

2011年08月22日 月曜日

今年も暑かった夏の甲子園が終わりました。中でも東北勢初の優勝を狙った青森県の光星学院の活躍は目を見張るものがありました。

 

青森県の決勝進出は実に42年前の三沢高校以来、三沢はエースの太田幸二投手が、延長18回を完投し(現在は選手の健康管理上15回になっていますが)再試合完投を含めると連続54イニングを投げ抜いたのです。太田投手はその活躍とルックスで若い女性に大人気となり、「コーちゃん」という愛称で呼ばれ、元祖甲子園アイドルとして社会現象になりました。

 

さて、今年の決勝戦当日、読売新聞に3.11に関する記事が載っていました。光星学院は津波で被災し使えなくなったいた地元八戸市にある保育園の園庭1,000㎡を54人の部員全員が「トンボ(グランドを平らに整備する用具、レーキも同種類)」できれいに整備しました。津波で園舎の1階が床上まで浸水し、園庭にはがれきが散乱して、子ども達が遊べる状態ではなかったそうです。

 

青森県大会を勝ち抜き、甲子園出場が決まったその日から、子ども達は選手に恩返しをしたくて千羽鶴を折り始めました。その千羽鶴は甲子園の宿舎にも飾られ、選手たちは子ども達の笑顔を思い出して勝利を誓っていました。惜しくも決勝戦では敗れはしましたが、子ども達と結ばれた絆は選手達に大きな力となったようです。

 

私は過去2回、夏の甲子園へ母校の応援に行って甲子園名物「かちわり氷」で涼をとったものですが、近年は冷凍スポーツドリンクが売り上げを伸ばしているそうです。思い起こせば昭和50年代までの運動部は真夏でも水を飲んではいけないとされていました。当時はスポーツドリンクなど普及していない時代でしたから、水を飲むとバテるとか精神鍛錬のためだと言われ、熱中症予防対策など全く語られない恐ろしい時代でした。運動そのものの辛さよりも、喉がカラカラに乾いて汗も出なくなっても、水を飲めない苦しみは今でも忘れられません。

 

 resize33454

 

 

 

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

オープン保育園のご案内

2011年08月20日 土曜日

「オープン保育園」のご案内

保育士や幼稚園教諭を目指している学生さんを対象とした保育園の見学会「夏のオープン保育園」を関東15園で行っています。新宿せいが保育園の藤森園長先生の保育理念に基づいた、子ども主体の保育環境を通した保育、保育所保育指針を具現化した保育の実際に触れていただきたいと思います。

 

これから保育の世界で自分の夢を実現しようとしている皆さんの一助となれば幸いです。実習先や就職先の選択の参考にしていただくと同時に、学生さん自身の保育観、子ども観、保育士像をみつけていく機会の一つとして活用していただきたく、ご案内いたします。

 

育子園は、8月に限らず何時でも見学や実習を受け入れています。また、保育現場で働いていらっしゃる方々も受け入れていますのでお気軽にご連絡ください。


★オープン保育受け入れ園はこちらです。

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ, 園からのお知らせ

消防団のおかげさま

2011年08月19日 金曜日

杉並区内の消防団で25年間も活躍している方からお話を伺いました。日夜、街の安全を守っていただいている消防団の役割は関係者以外は知らないことが多いものです。消防団は消防組織法に基づいて、普段は市民として暮らしながら、いざ火災等が発生した場合はいち早く消火や救助・救出活動を行う組織です。

 

杉並区内には消防署が2つありその傘下に16の消防分団があり、約700人の方々が活動しています。その中には女性も100人、学生も10人いらっしゃいるそうです。

日ごろから消火活動練習を重ねて、杉並区内の消防操作大会で上位団が都大会に出場するそうです。区内の大会会場は、長年にわたって育子園の法人本部敷地を提供して開催しています。

 

意外だったのは杉並区内をはじめ23区内にはほとんど消防団にポンプ自動車が配置されていないことです。駐車スペース等の課題もあるそうですが、消火活動の強化と効率化のために杉並区は導入することになるそうです。近い将来、軽自動車を改造した消防団ポンプ自動車がお目見えすることになりそうです。

 

消防団の歴史は古くて、江戸時代の八代将軍吉宗が江戸南町奉行の大岡越前守に命じて、火消組である店火消(たなびけし)を編成替えして、町火消「いろは四八組」を設置させたことが消防団の前身であるといわれています。

 

このように歴史のある消防団においても、近年は団員数が減少傾向(全国団員約90万人)ですが、女性団員数は10年間で1.5倍に伸びています。中には女子高校生が誕生した団、救護バイク隊のライダーとして活躍している姿や、住宅用火災警報器の普及促進、一人暮らしの高齢者宅の防火訪問、住民に対する防災教育及び応急手当の普及指導等においては、特に女性消防団員の活躍が期待されています。

 

さて、団員の皆さんは昼夜を問わず防火消火の出動の可能性があるため、輪番制で連絡当番を決めてその日は晩酌を控えて待機している方々もいるのだそうでです。地域に根ざした活動によりほとんどの場合、消防署員が到着する前にいち早く現場に出動している背景にはこのような日々の備えによって街の安全が支えられているのです。

 

resize33453

Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

Pages: 1 2 3 Next
  • 報告書関係
  • 佼成育子園 お問い合わせ
  • 佼成育子園 トップページへ
このページの一番上へ
立正佼成会附属 佼成育子園
〒166-0012 東京都杉並区和田1丁目16番7号 TEL:03-3381-0398 グリーンFAX:050-3737-1849
http://www.kosei-ikujien.jp/ E-mail ikujien@iris.ocn.ne.jp
Copyright (c) Kosei ikujien. All Rights Reserved.