杉並区内公私立保育園の絆
2011年04月18日 月曜日
先週の金曜日、杉並区内60園の公私立認可保育園の園長会総会がありました。このブログでもご紹介していますが、公立と私立の園長が一堂に会する市区町村は稀有なことです。年間を通して様々な行事を計画しています。①杉並区の子育て懇談会。 ②外部講師による講演会(年2回)。 ③保育園・幼稚園の視察研修会。 ④園長懇話会。 ⑤総会、講演会。 などです。
公立、私立園長から幹事さんが選出され、年間10回以上の打合せを行っています。昨年11月に育子園で行われた園長会の施策研修会もこの会が主催したものです。
総会の冒頭、杉並区内の保育園を統括する保育部長さんが、東日本大震災の対応の御礼を述べられました。当日は帰宅困難で保護者もお迎えにこれない状態が発生しました、杉並区内で最もお迎えが遅かった園では震災翌日3月12日の午前8時前だったそうです。結果的に24時間保育を実施したことになった訳です、各保育園では職員が宿泊して最後の子どもが降園するまで業務を遂行しました。
総会後半の研修会では、杉並区立和田小学校の校長先生が講師を務めてくださいました。子どもの発達の連続性を見守るために最も大切な、小学校と保育園・幼稚園の連携の取り組みをお話しいただきました。校長先生は養護学校やアメリカでの小学校勤務の経験もある方で、就学前の養護と教育がいかにその子の将来にとって影響を与えるかを力説されました。
幼稚園と保育園という異なった環境で育った子ども達が、小学生になって時間とカリキュラム主軸の教育にスムーズに移行するには大きな階段があります。この階段を緩やかな傾斜・スロープにしていけるかどうかが、子どもの自尊感情を醸成するポイントです。特に、保育園では保護者の送り迎え時に子どもの様子やご家庭でのことを職員と話ができますが、幼稚園は園バスが多く、ましてや小学校になると保護者の顔も学校では十分に把握できないのが現状です。
小一プロブレムをできるだけ少なくし、それの延長線上にある不登校などが発生しないためにも小学校と保育園・幼稚園のコミュニケーションがとても大切です。幸いにして和田小学校の校長先生は、最も積極的にコミュニケーションを深めようとご尽力なさっていらっしゃいます。校長先生の「情報は自分から集めにいく」という姿勢が、周りの共感を生み波紋のように広がっている秘訣なのでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ