理想の保育者
2011年03月29日 火曜日
4月に育子園に入職する新人の事前研修が始まりました。今年は3月22日から26日までの間に、園の保育理念や歴史、就業規則や保育実践など一度にたくさん過ぎるかと思われるほど、盛りだくさんの内容になっています。
事前研修に参加するにあたって見守る保育の主宰者、新宿せいが保育園の藤森園長先生の著書を読んだ感想をメールで送ってもらいました。こんな素晴らしい感想を寄せてくれました。
○子ども達が考えて行動する前に、保育者が進んで行うことが保育者の役割だと考えている園があります。この本を読んでから、子どもができないことをやってあげることは必要なのかもしれませんが、まずは子どもがどこまで自分でできてどこからができないのかを知り、前にはできなかったことにも再度挑戦して、自分の力だけでできた方が自立や自律に繋がっていくのではないかと思いました。
○子どもたちが安心して活動できるように保育者はちゃんと見ているという安心感を子どもたちに与えることが大切であると感じました。
○できないことをやってあげたり、困難から遠ざけることではなく、その子がどこまでできるのかを見極め、子どもからのサインがあったときには適切な援助をする。見守るという言葉の中には、こんなに深い意味があるのだなと思いました。
○遊びからなかなか戻って来ない子どもに対して、今までの私だったらきっと「早く戻って来なきゃだめだよ」と怒ってしまっていたと思います。でも笑顔を向けて「楽しかったでしょう」と子どもの気持ちに共感することで子どもは満足して「急いで部屋に戻ろう」と思える。「受容」と「共感」の大切さを改めて感じました。私もその子がどうしたかったかを考え、まずその子の気持ちを受容し共感できるようにしたいと思いました。
○この本を読んで、子どもと密着していると狭い範囲しか見ることができないので、子どもと一緒に遊ぶことも大事だけど、子ども同士が遊び始めたら大人はそっと離れ、子どもたちの活動を見守るかかわりに変えるということが大事だと新たに学ぶことができました。保育者のかかわり方ひとつひとつが子どもにつながるから、責任を持って行動していかなければいけないと思いました。
○この保育の中で育つ子ども達は本当に素敵な子どもになるのだろうなと思いました。そして、私の理想の保育者像は「子どもの心に寄り添える、子どもの目線になって考えられる」保育者です。見守る保育というのは、私の理想としている保育者にとても近づけるものなのではないかなと思いました。
上記の感想のように「子ども主体・子ども中心」に保育を展開していくと、職員も居心地の良い場所になっていくのでしょう。従来の日本型年齢別一斉保育を行っている園でも、一生懸命に子どもと関わっているのですが少し視点を変えてみると全部大人がやらなくてもいいんだと思えるようになり、子どもの持っている力を信じられるようになっていくようです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ