出る杭は打たれない国へ
2011年02月09日 水曜日
日本人は自己肯定感が低い民族だと言われます。自分の欠点を見つけるのが得意で、とにかく失敗をしないようにしよう、ということに神経をすり減らす傾向が強いというのです。日本では自分に自信がないと思う中学生が半数を超える状態が続いていますが、日本以外の多くの国は自分に自信を持って自己PRをして、進学や就職活動を乗り越えています。
また、「出る杭は打たれる」に象徴されるように、良く言えば調和を尊ぶ傾向があり、異能や秀でたモノを排除したり制裁を科すことが繰り返されてきましたから、ほどほどにこなしておくことが身の安全を確保する最適な方法だと学習し、沈滞ムードに陥っているのでしょう。
これは子育ての環境による影響が大きいとされています。日本では子どもの良いところを伸ばしほめて育てるよりも、足らない所を伸ばそうとするために指摘することが多くなっていると分析されています。親は子どもが得意なことよりも不得意なところを見つけて治そうとする傾向が強いので、子どもは怒られないようにすることを優先して行動するようになってしまいます。
このように親や周囲の大人から、不得意なところばかりを強調され続けると、「どうせ自分なんかダメな人間」と自分で刷り込み、いわゆる自己肯定感が持てないで幼児期を過ごしてしまい思春期以降の問題行動を起こす主な原因とされています。
とりわけ0~6歳の子ども達を預かる保育園の役割はとても重要です。子どもの存在を丸ごと受容してあげる大人がいて、子どもが安心して過ごせる居心地の良い場所で、自分の意見は相手にちゃんと理解できるように伝える体験を設定することが自己肯定感を培うことになっていくのです。
この先地球全体のグローバル化が加速度的に進み、島国の中だけで内向き思考の施策では成り立っていかない時代がきますから、一人一人が自分に自信を持ち世界に人々と対話し課題に取り組む能力が求められるでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ