喜びのおすそわけ
2011年02月24日 木曜日
0歳児のクラスの子ども達も全員誕生日を迎えて1歳になっている。そんな0歳児のクラスでの出来事である。
Hちゃんが、カゴからハンカチやスカーフを引っ張り出す事を楽しんでいた。そのうち、大きなスカーフを頭からかぶり出した。
私は少し見ていたが、こちらに体を向けて動かなくなったので、私に関わって欲しいのかなあと思い
「あれ~、Hちゃんがいなくなっちゃった」と言うと、Hちゃんはピクッピクッと反応している。
「Hちゃん、どこかなあ~、どこかなあ~」と言いながらスカーフの端をスルスルと引っ張って 取ってみた。
そこにHちゃんのびっくりした顔が現れた。途端に、私は「あ、Hちゃん居たー!」とびっくりして見せた。
すると私の姿を見て、Hちゃんは大喜び。そして、またスカーフをかぶって私の前に立った。
またやって欲しいのだろうと思い。私はまた
「Hちゃん、またいなくなっちゃった。どこかなあ~」と言いながら、スカーフを引っ張ると、
Hちゃんの顔が、満面の笑みで現れ、私が「Hちゃん、居た~!」とおどろくと
Hちゃんは飛び跳ねて(床から体は浮いていませんが・・・)両手をバタバタされて、全身で喜びを表現する。
すると、またスカーフを取ってかぶる。それを何回繰り返したことか、どんどんHちゃんは、興奮してきてもう楽しくてたまらない様子。
私も、それを真似してスカーフをかぶるって、「先生が、いなくなっちゃった」と言いながらスカーフを取って見せる。
「バア~」と言って私が現れるとキャア、キャア言って喜ぶ。周りの子も真似してスカーフをかぶる。
私は、そのたびに「Hちゃん、いなくなっちゃった」「Kちゃんも、いなくなっちゃった」「あれ、Tちゃんもいなくなっちゃった」と大忙しとなる。スカーフをスルスルと取ると、
どの子も両足で地団太踏んで、キャア、キャア言って喜びまくる。
確かに1つの発達段階である。見えなかった人の顔が現れてくる。そのおもしりさを楽しむ。
いわゆる“いない、いない、バア~”である。
それが楽しい時期ではあると思っても、地団太まで踏んで喜ぶほど、そんなにも面白いものなのだろうか。
子ども達は、眼や口を大きく開いて “ワー”と驚いく。その姿を見ている私の方が、楽しくてたまらない。
可愛くて抱きしめたくなる想いを堪えて、「あ~、いた!」を繰り返す。
大人になると、こんなに全身で喜ぶこともそうそうない。
それがスカーフ1枚で、こんなにも楽しいものになる。
この全身を震わせるほどの喜びを見て、私も喜びのおすそわけしてもらった気分になり、
幸せなひとときを過ごした。(フリー:M)
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